亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違いと基剤と吸水性

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違いを、酸化亜鉛濃度・基剤・吸水性・使い分けの視点で整理し、現場での選択ミスを減らすための要点をまとめます。あなたの患者ではどちらが適切でしょうか?

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い:現場で迷う3点
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酸化亜鉛濃度(10%と20%)

亜鉛華軟膏は酸化亜鉛20%が基本、亜鉛華単軟膏は10%が基本。まず濃度で薬効の“効き方の方向性”をイメージします。

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基剤の違い=吸水性と密着性

亜鉛華軟膏は乳化剤を含む配合で吸水しやすい。亜鉛華単軟膏はミツロウ・植物油系で水分を吸いにくく保護寄りです。

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禁忌・注意:熱傷や創への影響

亜鉛華軟膏は「重度又は広範囲の熱傷」では禁忌とされ、創面付着で修復を遷延させうる点が重要です。

亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い:組成(酸化亜鉛)と濃度


亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏は、どちらも有効成分は「酸化亜鉛」で、収れん・消炎・保護・緩和な防腐を目的に使われる外用剤です。
一方で、濃度は“同じ亜鉛”でも明確に違い、亜鉛華軟膏は一般に酸化亜鉛20%(100g中20g)です。
亜鉛華単軟膏は一般に酸化亜鉛10%(1000g中100g、=100g中10g)として流通しており、処方せん上の取り違いが起きやすいポイントになります。
臨床的には「濃度が高い=常に優れる」ではなく、皮膚状態(びらん・湿潤の程度、摩擦、被覆の必要性)と基剤の性格が、実際の使い心地と転帰を左右します。


そのため、まずは“成分名が似ているが、濃度が違う製剤”と認識し、次に基剤の差で使い分けの理由を説明できると、患者指導とスタッフ間連携が安定します。


亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い:基剤と吸水性(乳化剤の有無)

亜鉛華軟膏は、添加剤として流動パラフィン、サラシミツロウ、ソルビタンセスキオレイン酸エステル、白色ワセリンが挙げられており、いわゆる「乳化剤を含む」設計です。
この構成は、皮膚表面の分泌物や滲出液がある状況でも、軟膏が一定の“なじみ”を示しやすい一方、塗布後の白残りや衣類汚染などのケア上の課題も起こりえます。
亜鉛華単軟膏は、添加剤としてミツロウとダイズ油が示されており、油性基剤で水分を吸いにくい方向に寄ります。

この違いは、医療者の体感(のび、密着、ベタつき)だけでなく、患者の継続使用に直結します。


たとえば「ジュクジュクを吸ってほしい」場面では亜鉛華軟膏が候補になりやすく、「皮膚を覆って守りたい」場面では亜鉛華単軟膏がしっくり来る、という整理が説明として通りやすいです。


亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い:効能・適応(びらん・潰瘍・湿潤面)と使い分け

添付文書ベースでは、亜鉛華軟膏も亜鉛華単軟膏も、外傷、熱傷、凍傷、湿疹・皮膚炎、肛門そう痒症、白癬、面皰、せつ、よう、さらに「びらん・潰瘍・湿潤面」などが記載され、適応の枠はよく似ています。
用法も「通常、症状に応じ1日1~数回、患部に塗擦又は貼布する」と共通の書きぶりです。
ただ、同じ適応名でも“現場の病態”は幅が広いので、使い分けは次のように病変の性状で考えるとブレにくくなります。


  • 💧湿潤・滲出が目立つ:吸水性が期待しやすい亜鉛華軟膏を検討(ガーゼにのばして貼布など)。​
  • 🛡️乾燥・摩擦・保護が主眼:油性で覆う性格のある亜鉛華単軟膏を検討(擦れやすい部位、軽い刺激から守りたい時)。​
  • 🔁処方の継続性:白残りや衣類汚れ、におい(亜鉛華単軟膏は「わずかに特異なにおい」との記載)など、患者の受容性も合わせて選ぶ。​

また「びらん・湿潤面」という言葉だけを見ると、つい“ジュクジュク=何でも亜鉛”になりがちです。


実際には、浸軟が進んでいるのか、摩擦でただれているのか、感染兆候があるのかで、基剤の相性や交換頻度(貼布か塗擦か)まで含めた設計が必要になります。


亜鉛華軟膏と亜鉛華単軟膏の違い:禁忌・副作用と“意外に重要な”運用ポイント(独自視点)

意外に見落とされがちですが、亜鉛華軟膏には「重度又は広範囲の熱傷には使用しないこと」という禁忌が明記されています。
理由として「酸化亜鉛が創傷部位に付着し、組織修復を遷延させることがある」とされており、単に“皮膚保護に便利”というイメージだけで選ぶのは危険です。
さらに、外用剤として基本ですが、亜鉛華軟膏は「眼には使用しないこと」と適用上の注意が記載されています。

副作用としては、頻度不明ながら発疹や刺激感などの皮膚症状が挙げられ、特にびらん面や掻破のある患者では「しみる」「赤くなる」といった訴えが出た際に早めに中止判断できる体制が重要です。

運用上の“事故ポイント”としては、名称が似ているだけでなく、病棟で「亜鉛華=白い軟膏」と雑に共有され、濃度・基剤差が省略されがちな点があります。


対策として、処方入力・監査・病棟払い出しの各段階で、少なくとも次の3点をセットで確認すると実務上のミスが減ります。


  • 🧾処方名に%が書かれているか(10%か、20%か)。
  • 🧴基剤の差(単軟膏か、乳化剤を含む亜鉛華軟膏か)をスタッフが説明できるか。
  • 🔥創傷・熱傷の重症度(禁忌に該当しないか)を、処置担当者と薬剤側で共有できているか。​

皮膚科領域では「同じ有効成分でも基剤で臨床が変わる」場面が多く、亜鉛製剤はその典型です。


“違いは濃度だけ”で片付けず、基剤・吸水性・禁忌まで含めて患者ごとに言語化できると、処置の再現性が上がります。


亜鉛華軟膏(20%)の禁忌・組成・添加剤(乳化剤)など一次情報。
JAPICの添付文書PDF(亜鉛華軟膏):禁忌(広範囲熱傷)、組成(酸化亜鉛20g/100g、添加剤)、用法・効能を確認できる
亜鉛華(10%)単軟膏の組成(ミツロウ・ダイズ油)と性状(におい等)など一次情報。
KEGG MEDICUS(亜鉛華10%単軟膏):有効成分量(1000g中100g)、添加剤(ミツロウ・ダイズ油)、性状、効能・用法を確認できる




【第3類医薬品】亜鉛華軟膏 50g