アシクロビルの成分あるいはバラシクロビル塩酸塩に対して過敏症の既往歴がある患者には、本剤の投与は絶対的禁忌とされています。過去にアレルギー症状を起こした経験がある場合、再投与により重篤なアナフィラキシーショックや血管浮腫などの過敏反応を引き起こす可能性があります。医療従事者は処方前に必ず患者の薬剤アレルギー歴を確認する必要があります。pins.japic+3
バラシクロビルはアシクロビルのプロドラッグであり、体内で速やかにアシクロビルに変換されるため、両者に対する過敏症は同等に扱われます。問診時には、ゾビラックス(商品名)などのアシクロビル製剤だけでなく、バルトレックスなどのバラシクロビル製剤の使用歴も確認することが重要です。uchikara-clinic+2
アシクロビルは主に腎臓から未変化体として排泄される腎排泄型薬剤であり、腎機能低下患者では血中濃度が上昇し、半減期が延長することが知られています。腎機能障害のある患者に常用量を投与すると過量投与となり、急性腎障害や精神神経症状などの重篤な副作用を引き起こす危険性が高まります。goodcycle+3
腎機能別の投与量調整は以下のように推奨されています:fpa
| クレアチニンクリアランス(Ccr) | 帯状疱疹の場合の投与量 |
|---|---|
| 正常~Ccr>25 mL/min | 1回800mg、1日5回 |
| Ccr 25~10 mL/min | 1回800mg、1日3回 |
| Ccr<10 mL/min | 1回800mg、1日2回 |
| 透析患者 | 1日1回(透析後に投与、体重により400~800mg) |
腎機能低下患者や高齢者では、投与開始前に血清クレアチニン値や推算糸球体濾過量(eGFR)を確認し、腎機能に応じた適切な用量調整を行うことが必須です。投与中も腎機能のモニタリングを継続し、悪化が認められた場合は速やかに減量または中止を検討する必要があります。jsnp.kenkyuukai+2
アシクロビルによる急性腎障害は、腎尿細管でのアシクロビル結晶の析出が主な原因と考えられています。脱水などにより尿量が減少すると、腎尿細管内のアシクロビル濃度が溶解度を超えて結晶化し、尿細管を閉塞させることで腎後性腎障害を引き起こします。hokuto+1
脱水予防のための水分補給は極めて重要です。特に以下のような患者群では脱水症状を起こしやすいため、投与中は普段より多めの水分摂取を指導する必要があります:med.sawai+3
アシクロビル投与前から十分な水分補給を行い、投与中も適切な輸液管理や経口水分摂取を促すことで、腎障害のリスクを大幅に減少させることができます。clinicalsup+1
アシクロビルには併用禁忌とされる薬剤はありませんが、いくつかの薬剤との併用には注意が必要です。特に腎排泄に関わるトランスポーター(OAT1、MATE1、MATE2-K)を阻害する薬剤との併用により、アシクロビルの腎排泄が抑制され、血中濃度が上昇する可能性があります。ubie+2
プロベネシド(痛風治療薬)との併用では、アシクロビルの平均血漿中濃度曲線下面積(AUC)が48%増加することが報告されています。プロベネシドは尿細管分泌に関わるOAT1およびMATE1を阻害するため、アシクロビルの腎排泄が抑制されます。nippon-zoki+3
シメチジン(消化性潰瘍治療薬)との併用では、アシクロビルのAUCが27%増加するとの報告があります。シメチジンはOAT1、MATE1、MATE2-Kを阻害するため、同様の機序でアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられます。med.nipro+3
これらの薬剤と併用する場合、特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)では慎重に投与し、必要に応じて減量を検討する必要があります。また、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)のように腎血流量を減少させる薬剤との併用も、腎障害のリスクを高めるため注意が必要です。pins.japic+2
アシクロビルの重篤な副作用として、精神神経症状があります。意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症などが報告されており、これらは一般に腎機能低下患者や高齢者に発現しやすいとされています。rad-ar+3
アシクロビル脳症の発症機序として、アシクロビルの主代謝産物であるCMMG(カルボキシメチルメチルグアノシン)が神経に作用して毒性をきたすという見解があります。腎機能が低下していると、このCMMGが蓄積しやすくなり、精神神経症状のリスクが高まります。jstage.jst
高齢者における特有のリスクとして、以下の点が挙げられます。
腎疾患の既往がない高齢者であっても、食事摂取不良や下痢などによる脱水状態で急激に腎機能が悪化し、アシクロビル脳症を発症した症例が報告されています。投与開始時には腎機能を確認するだけでなく、投与中も患者の意識レベルや精神状態を注意深く観察し、異常が認められた場合は速やかに投与を中止することが重要です。jstage.jst+2
参考文献:高齢者におけるアシクロビル脳症の症例報告と腎機能モニタリングの重要性に関する詳細な考察
妊婦への投与については、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。動物実験(ラット)において、母動物に腎障害が現れる大量(200mg/kg/day以上)を妊娠10日目に皮下投与した場合、胎児に頭部および尾の異常が認められたと報告されています。med.sawai+3
しかし、ヒトにおけるアシクロビルのレジストリー研究では、第1三半期曝露における出生異常の割合は3.2%(596例中19例)であり、全妊娠例における割合は2.6%(1082例中28例)でした。これらは本剤に曝露されていない通常の妊婦における割合と有意な違いはないと結論されています。帯状疱疹などの治療が必要な場合、母体の状態と胎児へのリスクを慎重に評価した上で投与を検討する必要があります。kyotofuyaku+1
授乳婦への投与については、治療上の有益性および母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討することとされています。アシクロビルはヒト母乳中への移行が報告されており、添付文書によっては「授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること」との記載もあります。kegg+3
一方、国立成育医療研究センターの資料では、アシクロビルは「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」のリストに含まれており、母乳中濃度を測定した研究では赤ちゃんにも問題はみられなかったとされています。投与する場合は、乳児の状態を注意深く観察しながら慎重に使用することが推奨されます。clinicalsup+2
参考文献:妊婦・授乳婦への薬物療法における安全性評価とアシクロビルのレジストリー研究データ
アシクロビル投与時には、副作用の早期発見と適切な対応のために、継続的な臨床モニタリングが不可欠です。特に腎機能低下患者、高齢者、脱水リスクのある患者では、以下の項目を重点的に観察する必要があります。fpa+1
投与前の評価項目。
投与中のモニタリング項目。
アシクロビルは適切な用量調整と水分管理により安全に使用できる薬剤ですが、腎排泄型という特性上、腎機能低下患者では細心の注意が必要です。投与開始前のリスク評価、投与中の継続的なモニタリング、そして患者・家族への十分な服薬指導を実施することで、副作用のリスクを最小限に抑えることができます。jstage.jst+3
参考文献:アシクロビルの腎障害発症機序と服薬指導のポイントに関する詳細な解説
![]()
【第1類医薬品】 アラセナ クリーム 2g ヘルペス ヘルペス市販薬 薬 口唇ヘルペス 再発治療薬 治療薬 塗り薬 クリーム 市販薬 アシクロビル ヘルペスウイルス 抗ウイルス薬 水疱 水ぶくれ べたつかない まとめ買い 佐藤製薬 プライバシー梱包対応