ボチシート 使用方法 と 効能 効果 と 副作用 と 注意

ボチシート 使用方法を、切り方や貼り方、固定の工夫から、副作用や禁忌まで医療従事者目線で整理しました。現場の説明で迷うポイントを一緒に確認しませんか?

ボチシート 使用方法

ボチシート 使用方法の要点
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切る→切り込み→はがす→貼付

袋のおもて面を上にして開封し、トレイごと取り出し、分割線で切って、角に約1cmの切り込みを入れ、フィルムだけをゆっくりはがして貼付します。

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固定は必要に応じて

粘着力で保持するタイプではないため、包帯やテープ等で固定する運用が基本です。

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禁忌・注意を先に共有

重度または広範囲の熱傷は禁忌で、眼またはその周辺は使用しません。衣服や皮革に付くと変色・変質の注意も必要です。

ボチシート 使用方法:切り方 と 分割線 と 角 切り込み

ボチシートは「貼り方」以前に「切り方」が成否を分けます。添付文書では、袋のおもて面を上にして開封し、トレイごと取り出したうえで、使用時にフィルムの分割線に沿って切り取る流れが示されています。
分割線に沿って切ると、1片が5cm×5cmになり軟膏量5gに相当する、という量の目安が明記されている点は、説明の説得力になります。
次に「角に約1cmの切り込みを入れる」工程は、患者指導で省かれがちですが、実際にはフィルムをきれいに剥がすための重要動作です。


ここでのコツは、切り込みを“深く入れすぎない”ことです。切り込みが大きいと、剥離の途中でネット層やリント布側が引っ張られ、貼付面がヨレて患部の凹凸に追従しにくくなります(特に滲出液が多い部位)。


また、患者さんがハサミを使う場面では、衛生面と安全面の説明もセットにすると実務的です。具体的には「清潔なハサミを使う」「患部に触れる面(軟膏側)を手でベタベタ触らない」を短く伝えるだけで、貼付後のトラブルが減ります。


小児や高齢者で手技が難しい場合は、医療者側であらかじめ分割線に沿って必要枚数を作っておく運用も現場では有効です(ただし開封後は品質保持のためトレイにのせて袋に戻し、開封口を折り返し、なるべく涼しい所に保存するよう注意喚起が必要です)。


ボチシート 使用方法:フィルム はがす と モザイク状 貼付

切り込みの後は「フィルムだけをゆっくりとはがす」ことが添付文書に明確に書かれています。
“ゆっくり”が指定される理由は、急いで剥がすと薬剤層が偏ったり、ネット層が浮いて貼付面に空隙ができやすく、結果として密着不良や浸出液の逃げ場が偏ることがあるためです。
貼付は「患部にモザイク状に貼付する」とされています。


モザイク状という表現は、1枚ベタ貼りではなく、小片を並べて“継ぎ目”を作りながら覆う貼り方を指し、関節部や曲面、疼痛で体動が多い部位で特に意味があります。


モザイク貼付の実務上のメリットは、ずれた部分だけ交換できることです。滲出液が多いケースでは、全面を一気に剥がすよりも、汚染・飽和した小片だけ入れ替えたほうが皮膚への機械刺激を減らせます。


一方で、隙間が大きいと患部の保護が不十分になりうるため、「少し重ねる」「端が浮かないように角を作らない」など、貼付の形状を意識して指導すると完成度が上がります。


薬理の観点では、酸化亜鉛の作用(局所の収れん、分泌物の減少等)に加え、製剤化により皮膚の軟化性・皮膚密着性を持ち、痂皮を軟化し、肉芽形成・表皮形成を促進して皮膚疾患を改善する、と整理されています。


「乾かす」方向に働きつつ、単純な乾燥だけでなく創傷治癒過程に寄与する説明は、患者の納得感につながりやすいポイントです。


ボチシート 使用方法:包帯 テープ 固定 と 衣服 変色 注意

添付文書では、必要に応じて包帯・テープ等で固定することが明記されています。
ボチシートは一般的な貼付剤のような強い粘着で保持する前提ではないため、「固定ありき」で説明したほうが現場のズレが減ります。
固定の現場ノウハウとしては、テープ固定を“患部周囲の健常皮膚”に逃がす設計にすると、湿潤部位のマセレーションを増やしにくくなります。テープで直接シート表面を強く押し付けすぎると、交換時にリント布がちぎれたり、軟膏が周辺に広がって衣類汚染につながることがあります。


衣服・皮革・装身具・家具等に付着すると変色・変質することがある、という注意は見落とされやすいのに、クレームになりやすい地雷です。


患者説明では「白い軟膏が付く」よりも、「付くと戻らない変色が起きる可能性がある」と先に言い切ったほうが伝わります。


加えて保管の注意として、直射日光や高温を避け、なるべく涼しい所に保管すること、開封後はトレイにのせて袋にもどし開封口を折り返して保存することが示されています。


この“トレイごと戻す”運用は、薬剤層が他物に接触して剥離・汚染するのを防ぐ意味があり、在宅での使い勝手にも直結します。


参考:添付文書(使用方法・固定・保管・薬理の根拠の確認に有用)
https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00057375.pdf

ボチシート 使用方法:効能 効果 と 禁忌 と 眼 周辺

用法・用量は「患部の大きさに合わせ適当な大きさに切り、症状に応じ1日1~数回患部に貼付する」とされます。
この“1日1~数回”は幅があるため、医師の指示がある場合はそれを優先し、指示が曖昧なときは滲出液量・汚染・貼付の保持性で交換頻度を調整する、という説明が現場では実用的です。
効能・効果は、外傷、熱傷、凍傷、湿疹・皮膚炎、肛門そう痒症、白癬、面皰、せつ、よう等の収れん・消炎・保護・緩和な防腐、さらにその他の皮膚疾患によるびらん・潰瘍・湿潤面、と幅広く記載されています。


ただし、禁忌として「重度又は広範囲の熱傷の患者」が明記され、酸化亜鉛が創傷部位に付着し組織修復を遷延させることがある、と理由まで書かれています。


また、薬剤使用時の注意として「眼またはその周辺には使用しないこと」はシンプルですが重要です。


眼周囲は皮膚が薄く、涙液や汗で流入しやすいので、患者が自己判断で“目の近くのただれ”に使いそうなときは、禁忌に近い強さで止める言い方が必要です。


参考:患者向け「くすりのしおり」(患者説明の言い回し調整に便利)
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=51463

ボチシート 使用方法:ステロイド 重層療法 と かゆみ 毛嚢炎(独自視点)

意外に見落とされるのが、ステロイド外用剤との“重層療法”に関する注意です。添付文書には、医師判断でステロイド外用剤との重層療法に使用した場合、そう痒や毛嚢炎等の皮膚症状があらわれることがあるため、症状が出たら使用中止し適切に処置する、と記載があります。
検索上位の一般向け解説では「効く・貼る・注意(目の周り、衣類)」に話題が寄りやすい一方で、この重層療法の注意は現場でこそ重要になりやすいポイントです。
実務的には、ボチシートが“覆う”ことで外用ステロイドが皮膚に長く留まり、いわゆる閉鎖環境に近い状態を作りうるため、刺激感・毛嚢炎・かゆみの訴えが増えたら「薬が合わない」だけでなく「重層の仕方(範囲・回数・期間)」を疑う視点が有効です。


患者指導では「重ねて使う指示があるときは、赤み・ぶつぶつ・かゆみが増えたら早めに連絡」という一文を入れると、重篤化の手前で拾いやすくなります。


副作用としては、過敏症状、皮膚の発疹や刺激感が頻度不明ながら記載されています。


“頻度不明”は軽視されがちですが、在宅では貼付を続けやすい剤形なので、かぶれや刺激が疑われたら休薬→再評価、という導線を事前に作ることが安全です。