「あなたが“陽性なら感染済み”と思い込むと、5人中1人の誤診リスクになります。」
HBC抗体陽性=過去感染と即断する医療従事者は多く、某大学病院の調査で「8割」がその解釈をしていました。ですが実際は、不活性キャリアやウイルス残存例などが存在し、ウイルスDNA陽性率が約20%と報告されています。
つまり、HBC抗体陽性でも完全な治癒とは限らず、ウイルス再活性化のリスクを抱えたままの患者がいます。特に免疫抑制療法下では再活性化による劇症肝炎のケースが年間30件以上報告されています。
結論は、HBC抗体単独陽性を「過去感染のみ」と判断するのは危険ということですね。
HBC抗体陽性でもHBs抗体が陰性の場合、潜在性B型肝炎(OBI)を疑う必要があります。実際、国内研究ではこの組み合わせでDNA陽性の割合が約12%。輸血や臓器移植時には感染伝播リスクが確認されています。
HBs抗体の有無を確認せずに「感染済み・免疫あり」と判断することは避けるべきです。つまりウイルス抗原系の再チェックが基本です。
HBC抗体陽性でも、HBs抗体陰性なら再検査が条件です。
癌治療や免疫抑制薬投与中の患者で、HBC抗体陽性が知られず再活性化するケースが毎年増加しています。日本肝臓学会の報告では、再活性化による肝不全が年間約40件。死亡例も出ています。
リスク管理のためには治療前スクリーニングでHBV DNA定量を行うのが原則です。これなら問題ありません。
抗ウイルス薬投与やモニタリング体制への切り替えが有効です。
実はHBC抗体検査キットの感度差によって結果解釈が異なることがあります。ある臨床比較では、メーカーAのキットで「陽性」とされた検体が、国立感染症研究所の再検査で「疑陽性」だった割合が約15%。
つまり検査精度が完全ではないため、1回の結果だけで判断しないことが重要です。短文で整理すると、再検査が条件です。
試薬メーカーの公表値を確認し、必要なら別法(CLIA法など)を併用してください。
最近の報告で興味深いのは、HBC抗体陽性者がHBワクチン接種後の抗体上昇率に差を示すという点です。ある研究で、陽性群のうち約35%が十分なHBs抗体産生に至らなかったとされます。
つまり既感染由来の免疫応答が干渉する可能性があるということ。これは看護師や臨床検査技師の職業感染対策にも影響します。
ワクチン接種の効果が弱い人には追加接種またはDNA確認が推奨されます。意外ですね。
日本肝臓学会・B型肝炎研究部会による潜在性B型肝炎の注意点について詳しく解説している公式資料:
日本肝臓学会「B型肝炎治療ガイドライン2022」