カリメートの効果と作用機序、副作用、使用方法

カリメートは腎不全による高カリウム血症治療に使用される陽イオン交換樹脂製剤です。腸管内でカリウムとカルシウムを交換し、血清カリウム値を低下させます。本剤の作用機序、臨床効果、副作用、適切な服用方法について、医療従事者が知っておくべき重要な情報を詳しく解説します。カリメートの効果を最大限に引き出すための服用タイミングや注意点はどのようなものでしょうか?

カリメートの効果

カリメートの主な効果
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血清カリウム値の低下

腸管内でカリウムイオンを吸着し、体外へ排泄することで血中カリウム濃度を効果的に低下させます

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イオン交換作用

カルシウム型陽イオン交換樹脂として、腸管内のカリウムとカルシウムを交換する作用を持ちます

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臨床的有効性

透析患者における透析間の血清カリウム値上昇を有意に抑制し、総有効率97%を示します

カリメートの血清カリウム抑制効果

 

カリメートは急性及び慢性腎不全に伴う高カリウム血症の治療に使用されるポリスチレンスルホン酸カルシウム製剤です。臨床試験において、119例を対象に実施された一般臨床試験では、急性及び慢性腎不全に伴う高カリウム血症に対する総有効率は経口投与で97%(102/105例)という高い有効性が確認されています。透析患者を対象とした二重盲検比較試験では、透析間(透析と透析の間)の血清カリウム値上昇が有意に抑制され、抑制幅は0.32~0.87mEq/Lに達しました。kegg+3
全腎摘出高カリウム血症ラットを用いた動物実験では、本剤投与群において有意(p<0.01)な血清カリウム値低下作用が認められており、非臨床試験レベルでもその効果が実証されています。カリメート経口液への切り替えにより、8割以上の患者で服薬遵守率75%以上を達成し、半数以上で前薬から服薬遵守率が向上したことも報告されています。carenet+2

カリメートの作用機序とイオン交換容量

カリメートは経口投与後、消化・吸収されることなく、腸管内、特に結腸付近で作用します。本剤のカルシウムイオンと腸管内のカリウムイオンが交換され、ポリスチレンスルホン酸樹脂としては何ら変化を受けることなく、そのまま糞便中に排泄されます。この作用により腸管内のカリウムが体外へ除去され、結果として血中カリウム値が低下します。rad-ar+4
試験管内試験(in vitro)において、ポリスチレンスルホン酸カルシウム1gあたり平均57.5mg(1.47mEq)のカリウムと交換することが確認されています。腸管内に分泌された重炭酸塩との相互作用も考慮する必要があり、制酸剤との併用時には注意が必要です。イオン交換樹脂は腸から吸収されることなく糞便として体外へ排泄されるため、吸着されたカリウムも一緒に排泄される仕組みとなっています。kusuri-jouhou+2

カリメートの透析患者における効果

透析患者においてカリメートは特に重要な役割を果たします。慢性腎不全患者では腎臓によるカリウムの排泄が不十分となり、血液中にカリウムが蓄積しやすくなります。透析例(47例)を対象とした臨床試験では、カリメート散投与により透析間の血清カリウム値上昇が有意に抑制されました。mymc+4
カリメート経口液は水に懸濁することなくそのまま服用可能であり、透析患者の水分摂取制限に配慮した製剤設計となっています。ノンフレーバー、オレンジフレーバー、アップルフレーバーの選択が可能で、携帯に便利なスティック包装が採用されています。透析患者は便秘を起こしやすいため、下剤の適切な併用が推奨されており、便秘の状態確認と腸管合併症のモニタリングが重要です。tomatoclinic.jimdofree+2

カリメートの効果発現時間と持続性

カリメートは腸管内、特に下部結腸においてカリウムイオン濃度が高い部位で最もよく交換作用を発揮します。経口投与のみならず注腸投与においても十分な効果が得られることが確認されています。腸管のカリウムは血中と常に平衡移動しているため、食事と同時でなくても効果を発揮することができます。medical-term.nurse-senka+2
カリメートの用法は通常成人1日15~30gを2~3回に分け、その1回量を水30~50mLに懸濁して経口投与します。服用時間について特別な指定はなく、食前・食後いずれでも服用可能です。ただし、過量投与に伴う低カリウム血症と不整脈などを生じるおそれがあるため、定期的に血清カリウムを測定することが必要です。clinicalsup+4

カリメートと他のカリウム吸着薬との効果比較

カリメート(ポリスチレンスルホン酸カルシウム)とケイキサレート(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)は、いずれも陽イオン交換樹脂ですが、交換するイオンが異なります。ケイキサレートは1g当たり1mEqのカリウムと交換し、カリメートは1gあたり1.64mEqのカリウムと交換する能力を持ちます。yakuzaic+1
透析例及び非透析例のいずれにおいても、カリメートとナトリウム型レジン(ケイキサレート)の血清カリウム抑制効果は同程度でしたが、ナトリウム型にはカリウム以外の電解質への影響があるのに対し、カリメートには影響がないことが報告されています。腎不全でナトリウム貯留傾向の患者にはカルシウム塩を使用するカリメートが選択され、高カルシウム血症の患者にはケイキサレートが使用されます。tomatoclinic.jimdofree+1

カリメートの副作用

カリメートの重大な副作用

カリメートの重大な副作用として、腸管穿孔、腸閉塞、大腸潰瘍(いずれも頻度不明)があらわれることがあります。これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐、下血等の異常が認められた場合には、投与を中止し、聴診、触診、画像診断等を実施し、適切な処置を行う必要があります。kaigo-antenna+3
ソルビトール不使用例でも腸管穿孔の報告がみられ、カリメート自体の作用も考えられています。実際に、ポリスチレンスルホン酸カルシウムゼリー内服中に便秘が原因と考えられる直腸穿孔を発症し、緊急開腹手術を施行した症例が報告されています。病理所見では穿孔部の壊死物質あるいは炎症性滲出物中に好塩基性を呈する多角形状のカリメートが確認されました。jstage.jst

カリメートの消化器系副作用

カリメート散の承認時の臨床試験及び市販後の副作用頻度調査において報告された症例1,182例(経口投与)中、151例(12.8%)に169件の副作用が認められています。主な副作用は便秘109件(9.2%)、食欲不振18件(1.5%)、悪心16件(1.4%)等でした。medical.kowa+1
その他の消化器系副作用として、嘔気、胃部不快感、下痢(頻度不明)が報告されています。経口投与では消化管への蓄積を避けるため、便秘を起こさせないように注意が必要です。患者に排便状況を確認させ、便秘に引き続き腹痛、腹部膨満感、嘔吐等の症状があらわれた場合には、医師等に相談するよう指導することが重要です。medical.kowa+2

カリメートによる電解質異常

カリメートの副作用として低カリウム血症があらわれることがあります。臨床検査値の変動は13件(1.1%)に認められており、その内容は低カリウム血症でしたが、これは投与量の増減により調節できるものです。過量投与に伴う低カリウム血症と不整脈などを生じるおそれがあるため、定期的に血清カリウムを測定することが必須です。ykh.kkr+2
カリウムと交換したカルシウム吸収のため高カルシウム血症をきたす恐れがあり、血管石灰化からの心血管疾患発症に注意する必要があります。特に透析患者においては、カルシウム代謝異常を併発しやすいため、血清カルシウム値のモニタリングが重要となります。ジギタリス剤を併用している患者では、本剤の血清カリウム値低下作用によりジギタリス中毒作用が増強されることがあるため注意が必要です。kegg+1

カリメートの過敏症副作用

カリメートの副作用として過敏症による発疹(頻度不明)が報告されています。発疹などの過敏症状が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行う必要があります。臨床薬理試験において報告された症例24例中、4例に4件の副作用が認められており、その内容は便秘2件、食欲不振1件、心拍数減少1件でした。medical.kowa+2

カリメートの特定患者における副作用リスク

便秘を起こしやすい患者、腸管狭窄のある患者では腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがあるため特に注意が必要です。消化管潰瘍のある患者では症状を増悪させるおそれがあります。腸閉塞の患者は禁忌とされており、腸管穿孔を起こすおそれがあるため投与してはいけません。kegg+1
高齢者や長期臥床患者など便秘傾向のある患者では、より慎重な観察と下剤の適切な併用が推奨されます。動物実験(ラット)では、ソルビトールの注腸投与により腸壁壊死を起こすことが報告されているため、カリメート散を注腸する際にはソルビトール溶液を使用しないことが重要です。medical.kowa+1

カリメートの使用方法

カリメートの用法用量

カリメートの経口投与における通常成人の用法用量は、1日15~30g(カリメート経口液20%の場合は1日75~150g)を2~3回に分け、その1回量を水30~50mLに懸濁して経口投与します。カリメート散を水で懸濁すると発熱するため注意が必要です。これは浸潤熱によるもので、水なしでも発熱が生じる性質があります。clinicalsup+3
カリメートドライシロップ92.59%は、カリメート散と同様の用法用量で使用されます。カリメート経口液20%は水に懸濁することなくそのまま服用可能で、ノンフレーバー、オレンジフレーバー、アップルフレーバーから選択できます。携帯に便利なスティック包装となっており、服薬アドヒアランスの向上に寄与します。medical.kowa+2

カリメートの服用タイミング

カリメートの服用時間について、添付文書上は「1日2~3回」と記載されており、食前・食後などの特別な指定はありません。腸管のカリウムは血中と常に平衡移動しているため、食事と同時に存在する時間帯でなくても効果が得られます。内服ではなく注腸でも効果があることから、わざわざ食事といっしょに存在する時間帯に服用しなくても効果が得られることが示されています。yakuzaic+2
リン吸着薬は食物中のリンを吸着するため食直前または食直後の服用が必要ですが、カリウム吸着薬は腸管内でのイオン交換作用により効果を発揮するため、服用時間の制限はありません。ただし、患者の利便性や服薬アドヒアランスを考慮し、規則的な服用時間を設定することが推奨されます。kanri.nkdesk+1

カリメートの注腸投与方法

カリメート散は注腸投与も可能です。通常成人1回30gを水または2%メチルセルロース溶液100mLに懸濁して注腸します。水または2%メチルセルロース溶液にかえて5%ブドウ糖溶液を用いても構いません。体温程度に加温した懸濁液を注腸し、30分から1時間腸管内に放置します。medical-term.nurse-senka+1
液がもれてくるようであれば枕で臀部挙上するか、或いはしばらくの間膝胸位をとらせます。注腸投与時の重要な注意点として、ソルビトール溶液を使用しないことが挙げられます。動物実験(ラット)でソルビトールの注腸投与により腸壁壊死を起こすことが報告されており、外国においてもポリスチレンスルホン酸型陽イオン交換樹脂のソルビトール懸濁液を注腸し結腸壊死を起こした症例が報告されています。medical.kowa

カリメートの経管投与時の注意点

カリメート散を経管投与する際には、低回収率およびチューブ詰まりに注意が必要です。カリメート散は微粒子であり、経管チューブ内での付着や詰まりのリスクがあります。0.6%デキストリンによる薬物の器具への付着性や分散性の改善が、薬物回収率およびチューブ詰まりに与える影響について検討されています。jstage.jst
経管投与を行う場合は、十分量の水で懸濁し、投与後にもフラッシュを行うことが重要です。チューブ詰まりを防ぐために、適切な懸濁液の濃度管理と投与速度の調整が必要となります。日局ポリスチレンスルホン酸カルシウムは、直径5μm以下の微粒子の量を0.1%以下に規制しています。これは5μm以下の微粒子が粘膜を経由して吸収され、細網内皮系組織等に沈着することが仔牛による実験で報告されているためです。medical.kowa

カリメートと他剤との併用時の服用方法

カリメートは消化管内で他の薬剤を吸着する可能性があるため、併用薬剤との服用時間をずらすことが推奨される場合があります。甲状腺ホルモン製剤(レボチロキシン等)との併用時は、本剤が消化管内で左記薬剤を吸着することにより、これらの薬剤の吸収を阻害すると考えられるため、服用時間をずらすなど注意が必要です。medical.kowa+1
アルミニウム、マグネシウム又はカルシウムを含有する制酸剤又は緩下剤との併用時は、本剤の効果が減弱するおそれがあります。これは非選択的に左記薬剤の陽イオンと交換する可能性があるためです。また、全身性アルカローシスなどの症状があらわれたとの報告もあるため、腸管内に分泌された重炭酸塩の中和を妨げないよう注意が必要です。ジギタリス剤との併用時は、本剤の血清カリウム値低下作用によりジギタリス中毒作用が増強されることがあるため、定期的な血清カリウム値のモニタリングが重要です。kegg+1

 

 


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