空打ち 3単位とインスリン注射と注意点

空打ち3単位が必要な場面と、2単位との違い、医療従事者が指導・確認すべきポイントを整理します。あなたの現場では「なぜ3単位なのか」を説明できていますか?

空打ち 3単位

空打ち 3単位の要点
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目的は「空気抜き」と「作動確認」

空打ちは、針先まで薬液が通っていることを確認し、気泡の影響で投与量がズレるリスクを下げます。

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多くは2単位、例外で3単位がある

多くの製剤は空打ち2単位が一般的ですが、製剤・デバイスによっては3単位を求められることがあります。

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処方量・残量の見積りがズレやすい

空打ち分は毎回消費されるため、自己注回数が多い患者ほど「残量が早い」トラブルにつながります。

空打ち 3単位の意味と目的(空気と確認)


空打ち(エアショット)は、注射針内やカートリッジ側の微小な空気を排出し、薬液が針先から確実に出る状態を作るための操作です。
「患者に投与する前に、薬液がきちんと流路を通っているか」を目で確認できる点も重要で、単なる儀式ではありません。
現場で起きやすいのは、「針交換直後」や「保管温度の変化が大きい場面」で気泡が増え、初回の押し出しで“空振り”が起きるケースです。


空振りのまま本投与に進むと、設定した単位を押しても実際は空気が押し出されてしまい、投与不足(=高血糖や症状悪化のリスク)につながります。


特に「空打ち3単位」が話題になるのは、“いつもの2単位では不十分になりうる製剤・デバイス条件”があるからです。


実際、院内向けの解説でも「ほとんどは空打ち2単位だが、ランタスXRのみ空打ち3単位なので注意」と明記されています。


(参考:空打ち2単位が基本で、ランタスXRは3単位とする注意点)

空打ち 3単位と2単位の違い(ランタスXR)

「2単位が一般的」という前提があるため、3単位の指示は患者だけでなくスタッフ側でも“例外扱い”され、伝達漏れが起きやすいのが落とし穴です。
実際に、医療者向け資料・院内掲示の説明では「ほとんどの製剤は空打ち2単位だが、ランタスXRのみ空打ち3単位」とされています。
(参考:製剤ごとの空打ち単位の違いと注意点)
なぜ「2→3」に増えると困るのかというと、単純にインスリン消費が増えるだけではありません。


例えば、1日1回投与でも、1か月で空打ち分だけで約90単位(3単位×30回)消費します。1日2回なら約180単位です。


この差が「月末に1本足りない」「旅行前に残量が不安」「予備を持たずに外出して切れた」といった実害につながります。


また、患者の理解が浅いと「3単位もったいないから1単位でいい」「出てる気がするから空打ちしない」と自己流の省略が起きます。


この“節約行動”は、投与量の不確実性を増やすだけでなく、後述するトラブルシューティングも難しくします(高血糖の原因が手技なのか、食事・感染・薬効なのかが混ざるため)。


空打ち 3単位の手順と失敗(針と出ない)

空打ちの実務はシンプルですが、失敗パターンが決まっているため、医療従事者は「患者が何を間違えがちか」を先回りして確認するのが効果的です。
よくある失敗は次の通りです(新人指導・患者指導で頻出)。


  • 針が斜めに装着され、内部で流路が確保できていない(“出ない”原因が装着不良)
  • 空打ちのときに針先を上に向けず、気泡が上に集まらない(見た目に出たり出なかったりする)
  • 押し切っていない/途中で指を離す(規定単位の空打ちが成立しない)
  • 「少し出た」だけで終え、針先に薬液が確実に到達した確認になっていない
  • 針の再使用で内腔が詰まり気味になり、空打ちの抵抗が増える(患者が途中でやめる)

加えて、患者の生活状況によっては「夏の車内放置」「冷え込みの強い部屋での保管」など温度変化が大きく、気泡や粘度変化が出やすいことがあります。


この場合、空打ちが“たまたま成功する日”と“失敗する日”が混在し、患者が再現性を学びにくいのが厄介です。


指導のコツは、患者の言葉を行動に変換して確認することです。


「いつも空打ちしてます」ではなく、「針先を上に向けた?」「押し切った?」「何単位に合わせた?」を具体で聞き、可能ならその場でデモを見ます。


空打ち 3単位と在宅自己注と廃棄(医療廃棄物)

在宅自己注では、空打ちの単位数は“正確な投与”だけでなく、“消耗品と廃棄”の設計にも影響します。
特に針は原則として毎回交換が推奨され、使用済み針は家庭ごみではなく、ペットボトル等の耐穿刺性容器に入れて次回来院時に回収、という運用を案内する施設もあります。
(参考:針交換・廃棄物の持参方法など在宅自己注の注意点)
空打ち3単位が絡むと、患者が「針もったいない」「薬もったいない」の二重の心理になりやすく、自己流が加速します。


そこで、医療従事者は“安全の優先順位”を明確に言語化する必要があります。


例:患者説明で使いやすい整理(言い換え可能)

  • 針交換:痛み・皮下出血・感染リスクだけでなく、目詰まりによる投与不確実性も減らす
  • 空打ち:無駄ではなく「投与が成立したことの確認」であり、投与不足の方が危険
  • 廃棄:事故防止(家族の針刺し、回収員の針刺し)を優先する

また、患者が“空打ち分を含めた必要量”を理解していないと、処方日数の見積りや残量管理が破綻します。


現場では、初回導入時に「1回の投与で、実投与に加えて空打ち分が必ず減る」ことを、数式の形で見せると納得されやすいです。


例:1回あたりの消費=(指示単位)+(空打ち単位)→ これが毎回必ず差し引かれる。


空打ち 3単位の独自視点(薬剤部と教育)

検索上位の記事は「やり方」「何単位か」「ランタスXRは3単位」までは触れますが、医療現場で本当に効くのは“教育設計”です。
つまり、「正しい手技」を教えるだけでなく、「誤った手技の兆候をどう検出するか」「現場の連携でどう潰すか」まで作り込むと、事故が減り、問い合わせ対応も軽くなります。
意外に見落とされやすいのは、空打ちを“患者の技術問題”に閉じないことです。


例えば、薬剤部が渡す指導資材(手技シート)に「ほとんど2単位、ただし例外で3単位」を明記し、看護側の指導と同一文言に寄せるだけで、患者は混乱しにくくなります。


この「同一情報の反復」が、AI時代の情報過多の中ではむしろ効きます(患者はネットで1単位説・2単位説も見てくるため)。


また、現場でのチェック項目を“トラブル起点”で作ると強いです。


  • 「効かない」と訴えたとき:投与量調整の前に、空打ち・針交換・押し切り・注入後の保持秒数を確認
  • 「すぐなくなる」と訴えたとき:指示単位×回数に加え、空打ち単位×回数で消費量を再計算し、患者の自己申告と照合
  • 「痛い」と訴えたとき:針の再使用、穿刺角度、筋肉注入の可能性、冷えた薬液なども含め、空打ち以外の要因も同時に評価

最後に、スタッフ教育の小技として、製剤別の“例外カード”を作る方法があります。


外来・病棟・薬局のどこでも同じ表現で共有できるよう、「空打ち:基本2、例外3(該当製剤)」の1行だけを、ポケットに入るサイズで統一します。


この手の運用改善は、ガイドラインを丸暗記するよりも、実際のインシデント(投与不足・残量トラブル・患者混乱)を確実に減らす方向に働きます。




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