ブリィビアクト(一般名:ブリーバラセタム)は、厚生労働省の「新医薬品一覧表(令和6年8月15日収載予定)」で、ブリィビアクト錠25mgが373.30円、錠50mgが609.30円として示されています。
同資料では、薬効分類は「113 抗てんかん剤」で、効能・効果は「てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)」、通常成人の用法・用量は「1日50mgを1日2回に分けて経口投与、症状により1日200mgを超えない範囲で増減」と整理されています。
医療従事者の実務では、まず「規格単位あたりの薬価」だけでなく、想定される維持量に基づいて“1日薬価”をイメージしておくと、患者説明や院内採用時の議論が噛み合いやすくなります。
なお、同じ資料内でブリィビアクトは「類似薬効比較方式(I)」で算定され、有用性加算(II)(A=5%)や新薬創出等加算、費用対効果評価(H1)への該当も示されています。
参考)商品一覧 : ピラセタム系抗てんかん薬
この「算定の背景」まで押さえておくと、薬価の“高い/安い”を感覚で語らずに済み、薬事委員会・採用審査の場でも説明しやすくなります。
参考:ブリィビアクトの薬価算定方式・加算・比較薬・外国価格の記載(収載資料)
厚生労働省 新医薬品一覧表(令和6年8月15日収載予定)
イーケプラ(一般名:レベチラセタム)の薬価は、例えば先発のイーケプラ錠250mgが69.3円/錠、イーケプラ錠500mgが112.9円/錠として一覧化されています。
同じ一覧にはブリィビアクトの薬価として、錠25mgが373.3円/錠、錠50mgが609.3円/錠、さらにブリィビアクト静注25mgが2,450円/瓶も掲載されています。
数字だけ見ると、ブリィビアクトはイーケプラより規格単位あたりの薬価が高く見えますが、処方設計は「有効性・忍容性・併用設計・患者背景」を前提に、最後に費用感を合わせる順番の方が安全です。
一方で病棟・薬剤部の実務では、採用薬の棚卸やDPC/出来高の運用、注射薬の使用計画など、薬価が“そのまま運用コスト”になる場面も多いので、薬価差が議論に上がるのは自然です。
ここで大事なのは、比較するときに「mgあたり」や「1日量あたり」に無理に正規化しすぎないことです。抗てんかん薬は用量調整が患者ごとにブレやすく、単純な換算が誤解を生みやすいからです。
その代わり、運用上は「採用規格(25/50mg、250/500mg)」「想定される標準的な維持量」「導入期の処方日数」「外来の継続率(再診間隔)」あたりをセットで押さえると、費用と臨床が同じ地図で話せます。
「薬価が何円か」だけで終わらせず、算定資料の読みどころを拾うと、ブリィビアクトの位置づけが立体的に見えてきます。
厚労省資料では、ブリィビアクトは比較薬としてラコサミド(ビムパット)が挙げられ、算定方式は「類似薬効比較方式(I)」とされています。
また、有用性加算(II)(A=5%)の適用理由として、「既収載品と異なり、用法・用量に漸増期間及び増量間隔の規定がない」点が“利便性”として評価された、という記載があります。
この「漸増・増量間隔の縛りがない」というのは、検索上位の一般向け解説ではさらっと流されがちですが、実務的には意外と効きます。
具体的には、入退院や病態変動がある患者で、調整が頻回になりやすい状況だと、処方設計・指示簿・服薬指導の説明が単純化でき、運用エラー(伝達ミス、飲み間違い)の芽を減らせる可能性があります。
もちろん、だからといって拙速な増量が推奨されるわけではありませんが、「制度(添付文書の規定)上の縛りが少ない」こと自体が、医療安全の設計自由度に影響し得る、という視点は持っておく価値があります。
さらに、同資料には外国価格や最初に承認された国(欧州2016年1月)なども記載されており、薬価の背景に“グローバルでの導入経緯”があることも読み取れます。
現場で「なぜこの薬価なのか?」と問われたとき、単なる印象論ではなく、算定方式・加算・比較薬の情報に紐づけて説明できると説得力が上がります。
イーケプラ(レベチラセタム)は後発品が多く、同成分の後発(例:レベチラセタム錠250mg「タカタ」25.4円/錠など)も同じ一覧で確認できます。
この「後発品が豊富」という事実は、薬価の議論を“先発同士の比較”だけで閉じない、という点で重要です。
たとえば、外来の長期継続でレベチラセタムが安定している患者では、施設方針や患者負担を踏まえて後発へ移行する選択肢が議論に上がりやすくなります。
一方、ブリィビアクトは新しい薬剤として収載され、算定資料にも新薬としての枠組み(新薬創出等加算など)が明記されています。
この違いは「どちらが良い薬か」という話ではなく、医療経済・採用の意思決定で“比較の土俵そのものが違う”という意味です。
薬剤部・医事課・診療科で合意形成をするときは、次のように論点を分けると揉めにくいです。
参考)https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/articlepdf/2734804/wineinger_2019_oi_190202.pdf
「薬価が高い=使わない」「安い=正義」という単純化は、抗てんかん治療では特に危険です。
その代わり、薬価情報を“臨床の意思決定を補助する情報”として位置づけ、どの患者層で費用に見合う価値が出やすいか、施設内で言語化しておくと、結果として医療安全とコストの両方に効いてきます。
検索上位の記事は「作用機序の違い」「副作用」「切替の考え方」「薬価の差」を中心にまとまることが多い一方で、現場で地味に効くのは“情報設計(データの持ち方)”です。
ブリィビアクトは、厚労省資料で薬価が規格ごとに明確に示されており、さらに算定方式・比較薬・加算まで追えるため、院内データベースに「薬価」「収載日」「算定根拠(類似薬効比較方式I、加算の有無)」をセットで格納しておくと、採用後の説明コストが下がります。
特に、薬価改定や採用薬の見直しが発生したとき、単に“現在の薬価”だけを更新すると、過去の意思決定(なぜ採用したか)がブラックボックス化します。
そこで、次のような“メタ情報”も一緒に残す運用が、医療従事者向けブログの読者(薬剤師・医事・薬事委員会メンバー)には刺さりやすいポイントです。
薬価を“数字”として見るだけでなく、「その数字がどんな資料に基づき、どんな言葉で説明されているか」までセットにすると、チーム医療の会話が速くなります。
ブリィビアクトの算定資料には、利便性を理由に有用性加算(II)(A=5%)が適用された旨が明記されているので、院内の説明文書やFAQにも、その視点を取り込むと説得力が出ます。