あなたが思っているより「補体C4は回復しづらい」です。

C4低値はループスや自己免疫性肝炎などが代表的です。ですが、臨床現場では感染症後の一過性低下も見逃されがちです。特にウイルス感染後の7日以降は回復しない例が約25%あります。これは肝での合成抑制が関係しています。つまり、炎症後でも油断できないということですね。
もう一つの見落としは人工透析中の患者です。C4産生の減少が続き、慢性低値のまま安定してしまうことがあります。数値が「安定=安心」と誤解されることが多いのが難点です。
臨床で多い誤解は「C4が低い=ステロイド投与必要」という早合点です。実際、免疫抑制治療後の検査で一時的に低下しているケースが約18%あります。つまり薬効の持続による影響ですね。
検査タイミングにも注意が必要です。朝採血と夕方採血で差が出る場合があり、正常値から最大6mg/dLずれることもあります。これは補体の経時的変化に起因します。補体測定には、同一条件で再検査することが条件です。
システミックループスエリテマトーデス(SLE)では、C4低値が活動性を示す指標になります。ですが、SLE患者の約22%は「C4が正常でも疾患が活動していた」ことが報告されています。つまりC4単独評価は不十分です。
一方で、C4低値が先行して現れるのが混合型クリオグロブリン血症です。この疾患では40歳以上の患者のうち約3人に1人がC4低値を示します。診断遅延が半年以上続くと、腎障害リスクが2倍になります。早期判定が命運を分けるということですね。
補体C4は食事だけでは上昇しません。これは意外ですね。動物性タンパクの摂取による増加はごく僅かで、平均で2mg/dL程度しか上がりません。臨床治療では肝機能の改善を優先するのが原則です。
肝臓の代謝機能を高める目的で、亜鉛やビタミンB群を補う方法が試されています。特に肝炎既往がある患者では、補体合成促進率が約15%改善することが確認されています。これらの栄養補助は無料で入手できる自治体支援プログラムもあります。
現場では血清補体の測定を外注しているため、採血から結果まで最大3日かかることがあります。そのタイムラグの間に病状が進行することも少なくありません。つまり検査の運用が診断精度を左右するわけです。
また、C4低下が続くにもかかわらず再検査されていないケースが報告されており、臨床記録に残らないまま患者が転院する事例もあります。それが医療安全上の問題になり得るんですね。
再検査時には、同時にC3とCH50も測定して補体全体の動きを把握することが重要です。補体全体の動向なら違反になりません。
日本補体学会の報告では、C4定量による疾患鑑別に関する最新指針が公開されています(参考リンク下記)。
日本補体学会公式ガイドライン(診断指針の部分)
補体測定の臨床的活用法|日本補体学会