自家製剤加算は、薬価基準に収載されている医薬品の剤形では対応できない場合に、医師の指示に基づき、服用しやすくするための「調剤上の特殊な技術工夫」を行ったときに評価される加算として整理されています。
この「半錠」は典型的な論点で、処方せんに半錠指示があるとき、割線のある錠剤を半分に割る場合は剤形変更が認められると判断し算定可能、というQ&A形式の考え方が示されています。
一方で、分割した医薬品と同一規格(=半錠相当の規格)が薬価収載されている場合は算定不可、という整理も明記されています。
ここで現場が迷うのが「同一規格」の見方です。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/32fc3ec63982ec6e00ce5482aa52eee5bdbd64f8
自家製剤加算は「内服薬(錠剤等)」の場合、投与日数が7日(または端数)を増すごとに所定点数を算定する仕組みとして整理されています。
また「1調剤行為につき」算定するという考え方が繰り返し説明されており、投薬量・投薬日数に関係なく1調剤ごとの区分(液剤・外用など)も資料内で点数表として示されています。
半錠のように「錠剤を分割する場合」は、所定点数の100分の20に相当する点数で算定する扱いが示されています(いわゆる“分割は2割評価”)。
実務での注意点として、隔日投与など変則用法でも「実際に自家製剤の上調剤した日数分」を投与日数として扱う、という疑義解釈が示されています。
つまり、日めくりの処方日数ではなく「実際の調剤日数(調剤した量がカバーする日数)」の観点で7日単位を確認する必要があり、ここを誤ると請求と整合しないレセプトになりやすいです。
自家製剤加算は「調剤後の医薬品と同一剤形および同一規格の医薬品が存在する場合」は算定不可、という原則が明示されています。
そのため、半錠にした結果と同じ規格が薬価収載されているなら、原則は「処方変更(規格変更)」で対応できるため算定対象から外れます。
また、現場で“うっかり算定”が起きやすいのが配合錠です。配合錠は半錠時の含量均一性の保証が論点になりやすく、算定不可とする整理が紹介されています。
参考)加算料(自家製剤加算)
さらに、液剤で「用時溶解」とされているものを交付時に溶解しただけでは算定不可、というように「工夫の実体」が問われる例も挙げられています。
算定可否を早く判断するための実務メモ(考え方の順番)。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/2947f591fd5e2416efcb51d8b497c7175353e74a
近年の重要変更として、供給不安で医薬品が入手困難な場合に、粉砕等を行った場合も自家製剤加算が算定可能になる方向が示されています。
従来は「同一剤形・同一規格が存在するなら算定不可」という原則が強かった一方で、供給上の問題で必要数量が確保できない場合に自家製剤を行ったときは算定可能、というルールが追加された趣旨が解説されています。
この整理は、現場の“薬がないのに規格変更もできない”という詰み状態を制度面で救う意味合いがあり、特に後発品・先発品の供給が揺れた時期に実務インパクトが大きい論点です。
ただし、供給不安の扱いは「何でもOK」ではありません。
自家製剤加算は、賦形剤の名称・分量等を含め製剤工程を調剤録に記載すること、医薬品の特性を理解し薬学的に問題ないと判断される場合に限ることが明記されています。
この「調剤録」が弱いと、半錠は見た目がシンプルな行為であるぶん“特殊な技術工夫の説明不足”と見なされ、審査での説明材料が不足しがちです。
そこで、半錠運用に寄せた実装として、監査側(後追いチェック)でも理解できる“テンプレ記録”を作っておくのが効果的です。
おすすめの記録テンプレ(例:薬歴/調剤録の定型文の要素)
「意外と見落とされやすい」小さな論点として、賦形剤は請求できるが安定剤・溶解剤・矯味矯臭剤などは薬価収載されていても算定不可、という疑義解釈が示されており、半錠→粉砕→賦形へ発展するケースでは薬剤料の線引きが効いてきます。
供給不安の制度変更や加算の一本化など、改定で現場ルールが動いた時期は、スタッフ間で判断基準がブレやすいです。院内・薬局内で「半錠 一覧(可/否/要確認)」を作り、可否の根拠リンクと記録テンプレをセットで共有すると、属人化をかなり抑えられます。
半錠の可否判断は、結局「規格の有無」「品質」「記録」の3点セットで安定します。制度の言い回しだけ覚えるより、監査で説明できる形に落とし込むほうが、長期的に減点リスクを下げられます。
参考リンク(疑義解釈「半錠」可否、同一規格がある場合の不可、点数表・算定要件の根拠確認)
https://stu-ge.nichiiko.co.jp/store/mpi_documents/file/6d97f533e23db09ff664c5437f7899f5.pdf
参考リンク(令和6改定での自家製剤加算一本化、供給不安時に算定可能となる実務上の方向性)
https://asuyaku.jp/column-penguin_vol40/

面白いほどよくわかる!調剤報酬 vol.1 薬剤調製料編【令和6・7年度対応】【Newレイアウトver】 面白いほどよくわかる!調剤報酬(令和6・7年度対応)