クラリチン(ロラタジン)の副作用は、国内臨床試験において患者128例中27例(21.1%)で認められています。主な症状として以下が報告されています:
高頻度の副作用(1%以上) 💊
中等度頻度の副作用(0.1~1%未満)
女性患者では副作用発現率が2.0%(70/3,523例)と、男性の0.8%(19/2,287例)より高い傾向が認められています。特に傾眠については女性で38件、男性で6件と明確な差が見られます。
クラリチンは第二世代抗ヒスタミン薬として、脳血液関門を通過しにくく設計されていますが、完全に中枢移行を防ぐことはできません。
眠気発現のメカニズム 🧠
ヒスタミンH₁受容体は脳内で覚醒維持に重要な役割を果たしており、クラリチンによるこれらの受容体の遮断が眠気を引き起こします。発症のメカニズムは不明な部分もありますが、ヒスタミンを含む神経伝達物質は睡眠の調整にも関係しており、抗ヒスタミン作用や鎮静作用が症状を引き起こしている可能性があります。
消化器症状の特徴
腹痛や口渇、嘔気などの消化器症状は、末梢でのヒスタミンH₁受容体遮断作用により生じると考えられています。投与期間別では、「2週以下」の副作用発現率4.0%は、「2週超8週以下」1.0%および「8週超」0.7%に比べて高く、初期投与時により注意が必要です。
クラリチンでは頻度不明ながら、以下の重篤な副作用が報告されています:
ショック、アナフィラキシー ⚠️
神経系の重篤副作用
肝機能障害、黄疸
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、LDH、ビリルビンの著しい上昇を伴う肝機能障害が報告されています。症状には発熱、かゆみ、発疹、全身の倦怠感、褐色の尿、食欲不振などがあります。
これらの症状が出現した場合は、投与を中止し、適切な処置を行うことが必要です。
高リスク患者の特定 👨⚕️
てんかんの既往歴がある患者では、クラリチン服用によりてんかん発作が起こりやすくなる可能性があります。肝臓や腎臓の機能が低下している患者、高齢者においても副作用が出やすくなる傾向があります。
薬物相互作用による副作用リスク
これらの併用により副作用のリスクが高まるため、処方時には十分な注意が必要です。
意外な副作用報告 📋
クラリチンの添付文書には、まれな副作用として以下も記載されています:
これらは頻度不明または0.1%未満の発現率ですが、患者から相談があった際の鑑別診断として重要です。
患者指導のポイント 📝
副作用発現時の対処 🏥
アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前より投与を中止する必要があることも重要な注意点です。
妊娠中の服用は避けるべきとされ、授乳中は薬剤成分が母乳に移行するため、リスクベネフィットを慎重に評価する必要があります。
クラリチン錠の詳細な副作用情報 - くすりのしおり
クラリチンの再審査報告書 - PMDA