目薬1本が何日分かは、感覚ではなく計算でほぼ決められます。多くの医療用点眼薬は1本5mLが一般的で、1滴を0.05mL(50μL)として概算すると「1本=約100滴」と考えられます。実際に眼科クリニックの解説でも、5mLを0.05mL/滴で割って約100滴として日数を計算しています。
計算の基本形は次のとおりです。
✅ 1本の日数 =(1本の滴数)÷(1日の滴数)
参考)1本の目薬はどれくらいでなくなるか? - 三重県四日市市の大…
具体例(5mL・1滴/回で計算)
参考)目薬は何滴入っているのですか?
ここで重要なのは、「1滴量」は厳密な固定値ではないことです。点眼薬の1滴は約40μLとされつつも、容器の口の構造などで30~70μL程度まで変動しうる、と医師会サイトで説明されています。つまり同じ“5mL”でも「何滴になるか」は個人差ではなく“容器差”があり、日数もブレます。
参考)意外と知らない点眼薬のこと
「目薬は1回に何滴さすべきか」は、何日分かを左右するだけでなく、副作用や皮膚トラブルにも関係します。複数滴を入れても保持できない分はあふれたり、涙道から鼻腔へ流れて無駄になりやすい、という前提があります。結膜嚢に入る量は約30μLに過ぎない一方、点眼薬1滴は約50μLなので、1滴以上は流れ出やすいと看護向け解説で整理されています。
そのため、眼科のFAQでは「1回1滴で充分な効果があるよう容器が設計されているので1回1滴」と明確に案内されています。何滴もさすとあふれて瞼が荒れる、赤くなる原因になりうる点も同じページで示されています。
参考)Q.目薬は1回に何滴くらいさしたら良いですか?
医療従事者向けに患者説明をするなら、次の言い方が通りやすいです。
参考)1滴の点眼で十分なのはなぜ?|点眼
なお、誤解されやすい点として「うまく入らなかった気がして追加でさす」ケースがあります。上位記事でも“目に入らなかった場合は滴数が増えて一概に言えない”と注意書きがあり、実運用では余裕を見た本数設計が必要です。
「目薬1本が何日分か」を語るとき、実は“物理的に足りる日数”と“安全に使ってよい日数”は一致しないことがあります。大学病院の情報サイトでは、点眼容器に書かれた使用期限は開封前の期限であり、開封後1か月を過ぎたら使用せず新しいものを開封するよう明記されています。1か月以内でも濁りや浮遊物があれば使用しない注意も示されています。
薬剤師向けのQ&Aでも、開封後は汚染リスクがあり「ほとんどの点眼薬には開封後の使用期限は決められていない」としたうえで、特別指定がない場合の目安として「医療用点眼薬(5mL)は約1か月、一般用点眼薬(約15mL)は約3か月」を提示しています。さらに濁りや浮遊物の確認も推奨しています。
ここが“意外な落とし穴”です。たとえば、片眼1日1回の処方なら、計算上は5mLで1か月以上もつ可能性があります(1滴量の前提による)。しかし、開封後1か月で交換する運用だと「余るのが正常」になり得ます。医療現場では「足りるか」だけでなく、「開封後の安全期限を越えていないか」をセットで指導するのが現実的です。
参考リンク(開封後1か月の根拠、濁り・浮遊物の注意、点眼間隔など患者指導に使える)
慶應義塾大学病院 KOMPAS:点眼薬(開封後1か月、点眼間隔、保管、目頭を押さえる理由)
参考リンク(開封後期限が明確でない背景、医療用は約1か月という目安、濁り・浮遊物チェック)
教えて!薬剤師:点眼剤を開封してからいつまで使用できるか(目安と注意点)
ここは検索上位で“計算式”が中心になりがちな一方、医療従事者が押さえると説明力が上がる独自視点です。日数を左右する最大の分岐は「片眼か両眼か」で、同じ処方でも両眼なら消費は単純に約2倍になります。大学病院サイトにも「複数の点眼薬を併用するときは間隔をあける」など実務の注意があり、運用全体が日数に影響します。
さらに、1滴量は容器差で変わります。医師会サイトでは1滴は約40μLとしつつ、口の構造で30~70μLと変動し得ると述べています。つまり「同じ5mLでも滴数は一定ではない」ので、患者が“思ったより早い/遅い”と感じても不正確な使用とは限りません。
現場で役立つ説明の型(患者さんに伝わる順番)
最後に、日数を延ばす=節約のためではなく、適正使用のための工夫も重要です。1回1滴を徹底し、点眼間隔を守り、開封後の期限を超えない運用をセットで説明すると、患者安全とアドヒアランスの両方に効きます。