プロペトサンホワイトと白色ワセリンと比較

プロペトサンホワイトを軸に、白色ワセリンとの違い、使い分け、注意点を医療従事者向けに整理します。患者説明で迷いがちな「何が違うのか」を一緒に言語化してみませんか?

プロペトサンホワイトと比較

プロペトサンホワイト:臨床で迷いにくくする要点
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共通点は「白色ワセリン」

どちらも基本は白色ワセリン系で、皮膚を「覆う」ことで水分蒸散を減らす発想が中心です(いわゆる保護剤)。

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違いは「精製」と「安定性」

サンホワイトP-1は不純物をほぼ完全に除去し、光酸化や過酸化物生成が抑えられる設計思想が明確です。

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医療従事者の説明は「目的」で決まる

保湿目的か、刺激回避か、調剤基剤かで推奨が変わります。患者の生活背景(塗る回数・部位・使用環境)まで落とすと選択が安定します。

プロペトサンホワイトと白色ワセリンの成分と規格


プロペトは「日本薬局方 白色ワセリン」を主成分とする製剤で、1g中に日局白色ワセリン1gを含むことが資料に明記されています。
また、資料上は添加剤として抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン:BHT)が少量含まれる記載があり、ワセリン100%というより「白色ワセリンを有効成分とする医療用基剤」として理解するのが実務的です。
効能・用途は「眼科用軟膏基剤、一般軟膏基剤として調剤に用いる。また、皮膚保護剤として用いる」とされ、薬効で炎症を抑えるというより“基剤・保護”が主目的です。
一方、サンホワイトP-1は「特殊な水素化精製法」により、局方ワセリンに微量に含まれうる不飽和炭化水素などの不純物を“ほぼ完全に除去”した高品質ワセリンとして説明されています。


参考)K病院の滅菌管理部門における医療機器添付文書の現状と課題—添…

サンホワイトP-1は紫外線による光酸化の影響を受けにくいこと、結果として品質劣化(色・匂いの変化など)や過酸化物生成が抑制されることが、同ページで具体的に論じられています。

ここで重要なのは、医療従事者が患者説明を組み立てる際、「どちらも白色ワセリン系」という共通点を押さえたうえで、「精製・安定性」という差分を“臨床上のメリットに翻訳する”ことです。


プロペトサンホワイトと比較:効能・用途と現場での使い分け

プロペトは、添付情報上「眼科用軟膏基剤」としての適性(稠度・粘度が眼科用軟膏として適切、刺激性要素が少ない、加熱滅菌に耐える等)を備えるとされ、院内製剤や調剤用途での位置づけがはっきりしています。
この“基剤としての規格化”は、たとえば眼科領域で「薬効成分は別にあるが、混和・保持・塗布性の担保が重要」という局面に強みになります。
皮膚領域では「皮膚保護剤」として用いられるため、皮脂欠乏や刺激からの保護、摩擦軽減などの目的で、処方意図が比較的シンプルに通ります。
サンホワイトP-1は、「自然光や紫外線で物性変化を起こしにくい高品質のワセリンを使用することが望ましい」という文脈で語られており、長期反復塗布や、品質安定性(保存・携帯・使用環境)を重視する発想と相性が良いです。

つまり、使い分けの軸を医療側で言語化するなら、プロペトは“医療用基剤・保護剤としての規格と運用”、サンホワイトP-1は“高精製と光酸化耐性を含む品質設計”に置くのが整理しやすいです。


患者へは、成分名の違いよりも「刺激が出にくい設計」「保管中に変質しにくい設計」など、体験に結びつく言葉に落とすと理解が進みます。

プロペトサンホワイトと副作用と禁忌と注意事項

プロペトの副作用は、頻度不明として「接触皮膚炎」が記載されており、基本的に重篤な全身性副作用を想定する薬剤というよりは、局所反応の観察が中心です。
観察を十分に行い、異常が認められた場合は使用中止など適切な処置を行うこと、と資料に明確に書かれています。
また「天然物(石油)由来の原料」を使用しているため性状が若干異なる場合があるが品質に問題はない、という注意書きがあり、ロット差や温度での硬さ変化など“現場で起こりうる相談”への布石になっています。
サンホワイトP-1側の説明では、局方ワセリンに含まれうる不純物が紫外線で光酸化され「過酸化物」を生成し、それが皮膚刺激要因となりうることが述べられています。

さらに、過酸化物は皮膚組織にダメージを与える可能性があること、薬剤に作用して薬効低下を引き起こすことが示唆される、といった“基剤選択が薬効を間接的に左右しうる”観点まで踏み込んでいます。

この記述は、外用成分そのものの副作用というより、基剤の品質劣化が刺激や治療品質に影響しうる、というリスクコミュニケーションの材料になります。

プロペトサンホワイトと光酸化と過酸化物価の意外な臨床的意味

局方ワセリンには、芳香族化合物、共役二重結合を有する化合物、樹脂状化合物などが不純物として微量含まれうる、とされ、これらが紫外線によって光酸化されやすいことが説明されています。
光酸化が進むと過酸化物が生成され、ある量が蓄積するとラジカル連鎖反応により、ヒドロキシ、エポキシ、アルデヒド、ケトン化合物など皮膚刺激起因物質が生成されうる、という“化学的な道筋”まで示されています。
この点は、医療従事者の説明としては難しく感じますが、臨床の言葉に直すと「同じ“ワセリン系”でも、光や熱の影響で刺激になりうる物質が増えやすい設計と、増えにくい設計がある」という整理になります。
さらに同ページでは、強制加熱(120±5℃、空気吹き込み)条件下での過酸化物価(POV)の推移が表で示され、局方ワセリンAとサンホワイトP-1で差が大きいことが具体的データとして提示されています。

この“安定性の差”は、患者の生活では「夏場の持ち歩き」「窓際での保管」「職場の照明や作業環境」など、地味に効いてくる要素として説明しやすいです。

また、ワセリンに含まれうるVOC(揮発性有機化合物)が、サンホワイトP-1ではヘッドスペースGC-MSで検出されない、と記載されている点は、匂いや刺激感の訴えが強い患者への説明材料にもなります。

プロペトサンホワイトの独自視点:患者指導の「塗布量・遮光・ヘラ」運用設計

プロペトは「容器から取り出した後は遮光して保存すること」と記載があり、単に“室温保存”だけでなく、使用後の保管運用が品質に関与することが示されています。
また、500g容器では「金属製のヘラ」を使用した場合に容器が削られることがある、という注意が明記されており、医療者が意外と見落とす“運用起因の異物混入リスク”を減らすヒントになります。
この注意は、在宅患者や施設で大容量を共有するケースだけでなく、病棟・外来の処置室での取り扱い教育にも転用できます。
一方、サンホワイトP-1の説明は「長期反復塗布を考慮すると、自然光や紫外線で物性変化を起こしにくい高品質ワセリンが望ましい」という立て付けで、ケアの継続性を前提にしています。

ここから導ける独自の実務提案は、「患者に製品名だけ渡す」のではなく、①塗布量(薄く均一に、擦らない)、②保管(直射日光・高温回避、使用後のフタ管理)、③取り出し(清潔な指または樹脂スパチュラ、共有を避ける)までを1枚の指導としてセット化することです(この“運用設計”が、同じ製品でも体感差を生みます)。


参考)医薬品添付文書の重大な副作用の項の改訂に関する記述的分析


特にワセリン系は「塗りすぎ→べたつき→中断」という脱落が起きやすいので、医療者側が“継続できる最小量”を具体例で示すと、結果的に治療の再現性が上がります。


局方ワセリンの不純物が紫外線で光酸化しやすいという説明を踏まえると、患者の保管環境(窓際・車内・作業場)を問診し、必要ならサンホワイトP-1のような安定性を重視した選択肢も提示する、という流れが作れます。

また、プロペトが眼科用基剤としても設計されている点は、皮膚だけでなく「外用基剤はどれも同じ」と誤解しがちな新人教育にも有用で、基剤選択が“刺激・安定性・調剤適性”に分解できることを示せます。

局方ワセリンとサンホワイトP-1の光酸化・POVの説明(皮膚刺激要因や薬効低下の示唆)を含む、医療従事者向けの技術的背景。
http://www.sunwhite.net/medical/comparison/
プロペト(日本薬局方白色ワセリン)の組成・効能(基剤/皮膚保護剤)・副作用(接触皮膚炎)・遮光保存や容器取り扱い注意など、実務に直結する一次資料。
https://www.maruishi-pharm.co.jp/media/propeto_ea_20240115.pdf




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