友の会に入会さえすれば、患者の自己管理能力が自然と上がるわけではありません。
公益社団法人日本リウマチ友の会は、1960年に設立された国内最大規模のリウマチ患者団体です。設立から60年以上が経過した現在も活動を継続しており、全国47都道府県に支部を持つ組織として知られています。
会員数はピーク時に約9万人を超えていましたが、近年は高齢化や新規入会者の減少により、約3万人台で推移しているとされています。つまり、かつての3分の1以下という規模です。この数字を聞くと「それでも十分大きい」と感じるかもしれませんが、リウマチの推定患者数が国内で約70万〜100万人と言われる中、カバー率は高くないのが現実です。
組織の主な活動内容は、機関誌「リウマチ友の会ニュース」の発行、療養相談、全国大会・地区集会の開催、医療費助成に関する行政への陳情活動などです。会費は年間5,000円(2025年時点の情報に基づく)で、患者にとって比較的手の届きやすい金額に設定されています。
医療従事者として注目すべきは、この団体が単なる患者の「集まり」ではなく、調査・研究活動も行っている点です。毎年実施される「リウマチ白書」の調査データは、患者の療養実態を把握するうえで一次情報として価値があります。これは使えそうです。
参考:公益社団法人日本リウマチ友の会 公式サイト
https://www.rheuma-net.or.jp/
実際にリウマチ友の会に入会した患者からのレビューは、インターネット上でも散見されます。ポジティブな評価として多く挙げられるのは、「同じ病気を持つ仲間と繋がれる」「療養情報が定期的に届く」「地域の支部活動で孤立感が和らいだ」といったものです。いいことですね。
一方、否定的なレビューとして代表的なのが「活動の中心が高齢者になっており、若い世代や働き盛りの患者には馴染みにくい」という指摘です。実際、会員の平均年齢は推定で65歳以上とされており、30〜40代の現役世代が孤立しやすい構造があります。この点は医療従事者として患者に紹介する際に伝えておくべき情報です。
また「支部によって活動レベルに大きな差がある」というレビューも目立ちます。活発な支部では月1回の集会や医師を招いた勉強会が行われている一方で、形式的な活動にとどまっている支部も存在します。地域差が大きい、ということですね。
機関誌の内容については「療養に役立つ情報が届く」という評価が多い反面、「医学情報が古い場合がある」「インターネットで調べれば分かることが多い」という声も見られます。これは、情報のリテラシーが高い患者層では特に感じやすい不満といえるでしょう。
リウマチ友の会が提供するサービスの中で、特に注目すべきは「療養相談」の機能です。電話相談を中心に、同じ病気を経験した先輩患者がピアサポーターとして対応する仕組みになっています。
ピアサポートとは何でしょうか。医療従事者からの説明とは異なり、実際に同じ疾患を抱えて生活している患者同士が情報を共有する形の支援です。薬の副作用への不安、仕事を続けることへの悩み、家族への伝え方など、医師には言いにくいリアルな悩みを話せる場として機能しています。
ただし、注意が必要な点もあります。ピアサポーターは医療専門家ではないため、具体的な治療方針や薬の変更に関するアドバイスを行う立場にはありません。「友人に相談する感覚」が基本です。医療従事者としては、この役割の限界を患者に事前に説明しておくことが重要です。
電話相談の件数は年間数百件規模とされており、相談内容の約4割が「薬に関する不安」、約3割が「日常生活の工夫」に関するものだという内部調査結果があります。数字を見ると、薬への不安が最多というのは患者心理として理解しやすいですね。
参考:厚生労働省「患者・家族支援に関する相談支援体制について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049343.html
リウマチ友の会が定期的に発行する「リウマチ白書」は、会員を対象にしたアンケート調査をもとにまとめられた報告書です。医療機関では得られにくい「患者の生活実態」を可視化したデータとして、臨床の現場でも参照価値があります。
直近の調査データからは、いくつかの注目すべき事実が浮かび上がります。たとえば、治療継続における最大の障壁として「医療費の負担」を挙げた回答者が約60%を占めていたというデータがあります。生物学的製剤など高額薬剤の登場で治療の選択肢は広がりましたが、自己負担の問題は依然として大きいということですね。
また、「主治医との意思疎通に課題を感じている」と回答した患者が全体の約35%に上るというデータも記録されています。これは医療従事者にとって聞き捨てにできない数字です。患者の3人に1人以上が、コミュニケーションに何らかの不満や困難を抱えているということを意味します。
さらに、就労に関するデータでは「発症後に離職または転職を経験した」と答えた患者が全体の約45%に達しており、若年・中年層での影響が特に深刻です。リウマチが日常生活に与える経済的・社会的影響を数字で把握しておくことは、患者への支援方針を立てる上で欠かせない視点です。
こうしたデータを活用する際は、回答者がリウマチ友の会の会員に限られる点に留意してください。組織加入者にはより積極的に情報収集する層が多い傾向があるため、一般的なリウマチ患者全体の傾向と完全には一致しない可能性があります。データの解釈には注意が必要です。
参考:公益社団法人日本リウマチ友の会「リウマチ白書」
https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/rm500/index.html
リウマチ友の会を患者に紹介することは、適切なタイミングと相手を選べば有益な支援の一つになります。ただし、「とりあえず紹介する」という対応は逆効果になることもあります。これが意外と見落とされがちな点です。
紹介が特に効果的なケースとして、発症直後で精神的に不安定な患者、治療の長期化に伴い孤立感を訴えている患者、地域に同病者のネットワークがない患者などが挙げられます。こうした場合、ピアサポートや機関誌による情報提供が患者の治療継続意欲を支える役割を担います。
一方、紹介の際に注意が必要なケースもあります。インターネットリテラシーが高く独自に情報収集できる若年患者や、活動的な支部が近隣にない地域の患者は、入会しても実感できるメリットが限られる可能性があります。また、プライバシーへの意識が強い患者には、団体活動への参加自体が負担になる場合もあります。
紹介する際の実務的な手順としては、まず患者本人が「同じ病気の人と繋がることに関心があるか」を確認することが前提です。その上で、友の会の公式サイトのURLや、地域支部の連絡先をメモとして渡す形が最も現場で使いやすい方法です。
患者への一言は「情報収集の場として活用できる選択肢の一つ」という伝え方が適切です。医療機関が推薦する団体として過大に位置づけると、患者がその情報を医療者からのお墨付きとして誤解するリスクがあります。紹介の言い方に気をつけることが条件です。
| 患者のタイプ | 紹介の適否 | 理由 |
|---|---|---|
| 発症直後・不安が強い | ✅ 適している | ピアサポートで孤立感を軽減できる |
| 若年・IT活用が得意 | ⚠️ 要検討 | 情報はネットで入手可能・支部活動が合わない可能性 |
| 高齢・地方在住 | ✅ 適している | 地域支部のネットワークが孤立防止に有効 |
| プライバシー意識が高い | ❌ 慎重に | 集団活動への参加自体が負担になる恐れがある |
| 医療費に悩んでいる | ✅ 適している | 行政への陳情活動や助成情報の共有がある |
以上の基準を参考に、患者ごとの状況に合わせて柔軟に判断することが大切です。一律の対応ではなく、個別性を重視した紹介が患者の利益につながります。
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