調剤料同一薬剤用法違い外用調剤

調剤料における同一薬剤の扱いは、外用で「用法違い」が絡むと判断が揺れやすい論点です。本記事では点数表・通知の考え方を軸に、実務で迷いやすい分岐と説明のコツまで整理しますが、あなたの現場はどこで詰まりがちですか?

調剤料 同一薬剤 用法違い 外用

調剤料 同一薬剤 用法違い 外用:迷いどころを5分で整理
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まずは「1調剤」の定義を押さえる

外用薬は「同一有効成分×同一剤形」は原則1調剤、さらに「3調剤まで」という上限ルールがあります。

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用法違いは“別調剤”の根拠になりにくい

内服の「服用時点が同一」ルールと混同しがちですが、外用は条文上の軸が異なります。

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査定リスクを下げる記録の作り方

疑義照会、部位、剤形差、混合の有無を薬歴・調剤録に残し、説明の一貫性を担保します。

調剤料 同一薬剤 用法違い 外用の算定ルール(点数・上限)


外用薬の薬剤調製料(いわゆる調剤料の計算で基礎になる部分)は「1調剤につき10点」で、投与日数にかかわらず算定します。
また、外用薬は「4調剤以上ある場合でも3調剤まで算定できる」という上限があり、処方が増えても無限に点数が伸びる設計ではありません。
この“3調剤まで”は、現場での説明(患者負担や請求の妥当性)にも直結するので、レセコン任せにせず必ず把握しておくべき基本です。
さらに、外用では「トローチは外用薬として算定する」と明記されており、内服の感覚で分類するとズレが生じます。
実務上の初手は、「その外用は“何調剤”として数えるか」を、①剤形、②有効成分、③同一処方箋内の外用の総数、の順に分解して見ることです。


参考)01 薬剤調製料

ここで一番の落とし穴は、「同一薬剤っぽい」から同一扱い、ではなく、“同一有効成分”と“同一剤形”が揃ったときに同一扱い、という点です。

つまり、同一成分でも剤形が異なれば別調剤になり得ますし、逆に用法が違っても剤形・成分が同一なら原則1調剤に寄せて考えるのが筋になります。

この原則を外す必要があると感じたときほど、疑義照会や記録で根拠を固める運用が重要になります。


参考)薬剤調製料(外用薬)

調剤料 同一薬剤 用法違い 外用で「同一有効成分・同一剤形」判断

外用薬については「同一有効成分で同一剤形の外用薬が複数ある場合には、その数にかかわらず、1調剤として取り扱う」と通知上で整理されています。
この一文が、湿布の規格違い、点眼の濃度違い、ブランド違い(先発・後発)などの“複数併存”場面の基本姿勢になります。
ここでいう「同一剤形」を、現場感覚で“同じように見える外用”と広く捉えるとブレます。

少なくとも、軟膏・クリーム・ローション、貼付剤(テープ/パップ)・ゲル、点眼・点鼻・点耳などは、剤形が違う可能性を常に意識して分類し直す必要があります。

また、外用の薬剤調製料は「1調剤」を単位とし、調剤数の考え方が点数表本文と通知で示されているため、まずはルールの“言葉”に立ち戻るのが安全です。

意外に見落とされるのが、同一成分・同一剤形を“まとめて1調剤”にする思想は、患者負担の過度な増加を防ぐ方向にも働く一方で、算定側には「数え方を誤ると過大請求」になり得るという緊張感がある点です。

そのため、迷ったら「同一扱いを基本に、別扱いするなら説明できる差を作る」という順序で考えると破綻しにくいです。

調剤料 同一薬剤 用法違い 外用:用法違いは別調剤になる?(混同ポイント)

「用法違いだから別の調剤料を取れるのでは?」という発想は、内服の“服用時点”ルールに引きずられて起きやすい混同です。
内服では「服用時点が同一であるものは1剤として算定」など、服用タイミングが剤数カウントの中心概念として詳細に説明されています。
しかし、外用について点数表・通知で強調されている軸は「投与日数にかかわらず1調剤」「3調剤まで」「同一有効成分×同一剤形は1調剤」であり、内服ほど“時点”を中心に組み立てた文脈ではありません。
したがって、外用で「朝と夜で用法が違う」「部位が違う」「回数が違う」などがあっても、それだけを根拠に同一成分・同一剤形を別調剤に分割する判断は慎重であるべきです。

一方で、同じ外用でも“剤形が違う”や“別の調製行為が必要”など、調剤行為の実体が分かれる要素があるなら、別調剤として説明可能なケースが出てきます(例:軟膏とクリーム、点眼とゲル等)。

ここで現場の安全策として効くのが、「用法違い」単独で結論を出さず、必ず次の順で確認することです。

  • 有効成分は同一か(成分が違えば別調剤の土台)。​
  • 剤形は同一か(剤形が違えば別調剤になり得る)。​
  • そもそも外用の調剤数は3調剤までの上限に当たっているか(上限に達しているなら“増やす発想”自体が意味を失う)。​

    この3点を満たした上で、それでも別扱いにしたいなら、疑義照会と記録をセットで考えるのが現実的です。


    参考)https://www.mhlw.go.jp/content/001521414.pdf

参考:薬剤調製料(外用薬)の点数・通知(同一有効成分×同一剤形、3調剤まで等)
しろぼんねっと|調剤診療報酬点数表 01 薬剤調製料

調剤料 同一薬剤 用法違い 外用:混合・計量の加算と実務の落とし穴

外用で“調製行為”が分かれやすい代表が、軟膏などの混合です。
点数表の通知では、2種以上の薬剤(軟・硬膏剤等)を「計量し、かつ、混合」して外用薬を調剤した場合に、計量混合調剤加算を算定できる枠組みが示されています。
つまり、外用は「同一成分・同一剤形は1調剤」という束ねの思想がある一方で、“混ぜる”など手技が増えると、別の評価軸(加算)が立ち上がる設計です。
ここが意外な落とし穴で、同一薬剤・用法違いの整理ばかりしていると、「混合の有無」を記録し忘れて、算定漏れや説明不足を起こしやすくなります。

逆に、混合が絡むときに“同一成分・同一剤形”を形式的に当てはめすぎると、どこをどう計量混合したかの説明が曖昧になり、内部監査や返戻時に苦しくなります。

実務としては、混合がある場合は次を必ず薬歴・調剤録に残すと、後日の説明が安定します。

調剤料 同一薬剤 用法違い 外用:独自視点「患者説明」と負担金トラブル予防

同一薬剤・用法違いの論点は、レセプト上の可否だけでなく、患者さんの自己負担の増減説明で揉めやすいという“現場の別の地雷”があります。
実際に、用法変更で調剤料の扱いが変わり、負担金が増える可能性がある場面では、説明不足がヒヤリ・ハットとして取り上げられています。
外用でも、患者さん側の体感は「同じ薬なのに高い/安い」「前回と違う」になりやすいので、会計前に“何が変わったか”を短く言語化するだけでクレーム予防の効果があります。


参考)同用量同一薬剤の用法変更による負担金増額の説明不足|リクナビ…

おすすめは、医療者都合の用語(調剤料、1調剤、剤形)を前に出しすぎず、次の順で説明することです。

  • 何が変わったか(部位、回数、種類、混合の有無)。​
  • 安全のために確認したこと(疑義照会した/使い分けを指導した等)。​
  • 結果として費用が変わり得ること(必要なら概算の方向性だけ伝える)。​

さらに、上司チェックで評価されやすいのは「算定の正しさ」だけではなく、「説明と記録がセットで整っているか」です。

疑義照会をした場合は、薬剤師法上も疑義照会の回答内容を記録することが前提になっているため、会話の要点を残す運用に寄せると、制度上も業務上も筋が通ります。

参考:保険調剤の基本ルール・記録(処方せん、疑義照会、調剤録等の位置づけ)
厚生労働省|保険調剤の理解のために(令和7年度)




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