あなたのGLIM未実施で入院延長3日損失出ます
GLIM基準は、低栄養診断の国際基準として2019年に提唱されました。特徴は「スクリーニング」と「診断」を分ける2段階構造です。つまり最初にリスクを拾い、その後に確定診断を行います。つまり二段階構造です。
従来のSGAやMNAと混同されがちですが、GLIMはそれ単独で完結しません。まずNRS-2002やMUSTなど既存のスクリーニングツールを使う必要があります。ここが誤解されやすいポイントです。GLIM単体は不可です。
例えば、急性期病棟で100人を対象にした場合、スクリーニングを省略すると約20〜30人の低栄養リスク患者を見逃すと報告されています。これは再入院や感染率上昇に直結します。見逃しは損失です。
手順はシンプルですが重要です。まず既存ツールでスクリーニングを実施し、陽性ならGLIM診断に進みます。ここで初めて表現型と病因の評価を行います。これが基本です。
評価項目は以下です。
・表現型:体重減少(6か月で5%以上)、BMI低値、筋肉量減少
・病因:摂取不足、炎症・疾患負荷
例えばBMIであれば、日本人では18.5未満が目安ですが、高齢者では20未満でもリスクとされます。つまり年齢補正です。
筋肉量評価ではCTやBIAが使われますが、現場では困難な場合も多いです。その場合は下腿周囲長(男性34cm未満、女性33cm未満)が代替指標になります。これは使えそうです。
現場で多いミスは「炎症評価の軽視」です。CRPが軽度でも慢性炎症があると病因基準に該当します。ここは重要です。
例えば慢性腎臓病やCOPD患者では、CRPが1.0未満でも炎症状態と判断されるケースがあります。これを見逃すと診断漏れになります。意外ですね。
また、肥満患者でも低栄養は成立します。BMI25以上でも筋肉量が低ければサルコペニア肥満としてGLIM陽性です。つまり見た目では判断不可です。
このリスク回避の場面では、炎症の見落とし防止を狙い、電子カルテでCRP推移を確認するという行動が有効です。1クリックで確認できます。
GLIMは万能ではありません。スクリーニングは他ツールに依存します。ここがポイントです。
代表的なツールは以下です。
・NRS-2002(急性期向け)
・MUST(外来・地域向け)
・MNA-SF(高齢者向け)
例えば急性期病院ではNRS-2002の感度は約80%、特異度70%程度とされています。一方MNA-SFは高齢者で感度90%以上です。用途が違います。
つまり、対象に応じた使い分けが必要です。結論は併用です。
この選択ミスは時間ロスにつながります。適切なツールを選ぶことで評価時間を1患者あたり約5分短縮できます。積み重なると大きいです。
意外と見落とされるのが「運用設計」です。基準を知っていても回らなければ意味がありません。ここが差になります。
例えば1病棟30床で全患者に週1回スクリーニングを行うと、単純計算で月120件の評価が必要です。これを手作業でやると負担が大きいです。現実的ではありません。
効率化のポイントは「トリガー設定」です。入院時、体重減少入力時、CRP上昇時などに自動でフラグを立てる仕組みを作ることです。これが原則です。
この場面では、業務負担増加のリスクを避けるため、電子カルテのアラート機能を設定するという行動が有効です。1回設定すれば継続的に機能します。これだけ覚えておけばOKです。
さらに、栄養サポートチーム(NST)との連携を強化すると、介入率が約1.5倍に向上した報告もあります。これは臨床アウトカムにも影響します。いいことですね。