CLEIA法(Chemiluminescent Enzyme Immunoassay:化学発光酵素免疫測定法)は、酵素標識抗体を用いる高感度な免疫測定法です。この手法では、固相化した抗体に対して抗原を反応させた後、酵素標識した抗体を抗原に2次反応させ、化学発光基質を加えて発光強度を測定します。
CLEIA法の基本的な反応手順は以下の通りです。
この方法はEIA法と同様の抗原抗体反応を利用しますが、吸光度測定を行うELISAとは異なり、発光量を測定することで酵素活性を算出する点が特徴的です。
特に血液製剤の感染症スクリーニング検査において、CLEIA法は凝集法からの移行が進んでおり、感度は0.1ng/mL以上という高い検出能力を示しています。
CLIA法(Chemiluminescent Immunoassay:化学発光免疫測定法)は、化学発光性化合物の標識抗体を用いる測定法で、CLEIA法とは標識物質が異なります。固相化した抗HBs抗体に検体(HBs抗原)を結合させた後、アクリジニウム標識コンジュゲートを加え、専用機器により発光量を測定します。
CLIA法の主な特徴。
検査現場では240検体/時間という高いスループットを実現し、感染症検査ならびに生化学検査のスクリーニング検査を同時に行うシステムが構築されています。
判定基準値については、CLIA法の場合10 mIU/mlが設定されており、最少検出感度は約5 mIU/mlと高感度測定が可能です。この基準値は「CDC 2001年、職業的暴露時のガイドライン」のHBV暴露に対する推奨値に基づいています。
CLEIA法とCLIA法の測定値には、使用する標準較正物質や抗体の特異性の違いにより、定量的な差異が認められます。特に高力価域での測定において、各試験法間で測定値の乖離が観察されることが報告されています。
測定法別の判定基準値の比較。
測定法 | 判定基準値 | 高力価判定 |
---|---|---|
CLIA法 | 1.0 S/CO以上 | 10.0 S/CO以上 |
CLEIA法 | 陽性判定あり | 100 C.O.I以上 |
PA法 | 16倍 | - |
検出感度の順序については、一般的にCLIA/CLEIA法 > EIA法 > イムノクロマト法/凝集法の順でHBs抗原最小検出感度が低下することが知られています。
興味深いことに、CLIAとCLEIAについては試薬抗原サブタイプが異なるにも関わらず、予想に反して一番良い相関を示すことが確認されています。これは両法の測定原理が類似していることに起因すると考えられます。
PA法(人工担体凝集法)とCLIA法では検出感度に2~8倍の差があるとされ、HBワクチン接種対象者の選別やワクチンに対する抗体上昇の判定において、測定法の選択が重要な意味を持ちます。
HBs抗体はHBVの感染防御抗体として機能し、血中に存在する場合は過去のHBV感染を示すとともに、HBVに対する抵抗性を示します。B型肝炎ウイルス感染防御の最小HBs抗体価である10.0mIU/mLを基準として設定されています。
測定法による臨床的な使い分け。
B型肝炎給付金制度における判定では、HBc抗体陽性かつ高力価(CLIA法で10.0S/CO以上、CLEIA法で100C.O.I以上)の場合、HBs抗原が陰性でも持続感染と判断される可能性があります。
注意すべき点として、HBV持続感染者であってもHBs抗体の存在が確認される場合があり、この抗体は感染防御能の極めて低い抗体と考えられています。このような特殊なケースでは、複数の検査項目を総合的に判断することが重要です。
現在のHBs抗原検出キットは、世界各地で確認される8種類のgenotype(A~H)すべてに対応できるよう設計されています。特に日本国内では、genotype C(約70%)、genotype B(約30%)が主流ですが、近年都市部でgenotype Aの感染拡大が懸念されています。
高感度キット(EIA/CLIA/CLEIA)においては、すべてのgenotype由来のHBs抗原を漏れなく検出できることが確認されており、遺伝子型の多様性に対する検査精度が保証されています。
品質管理における重要なポイント。
血液製剤の安全性向上においては、凝集法からCLEIA法への移行により、99.5%以上の特異性を達成し、輸血関連感染症のリスク低減に大きく貢献しています。
これらの技術的進歩により、CLEIA法・CLIA法ともに検査の標準化と結果の信頼性向上が実現されており、医療現場での適切な感染症診断と予防対策に不可欠な検査技術として確立されています。
CLEIA・CLIA測定原理の詳細解説 - 医学生物学研究所の技術資料
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