患者が薬局に廃棄袋を持ち込むと「産業廃棄物」に変わり、薬局側に処理費用の負担が生じる場合があります。
ヒュミラ(一般名:アダリムマブ)はリウマチや炎症性腸疾患、乾癬など多くの疾患に使われる生物学的製剤で、患者が自宅で自己注射を行います。 使用後の注射器は医療廃棄物にあたるため、家庭ごみとして捨てることは原則できません。 nanbyo(https://nanbyo.info/humira-support-delivery-2/)
そのために用意されているのが「ヒュミラ®ペン廃棄袋」です。 ペンタイプ用の廃棄袋で、1袋にヒュミラペンが2本収納できる設計になっています。 シリンジタイプには別途「廃棄ボックス(容器)」が使われます。これが基本です。 a-connect.abbvie.co(https://a-connect.abbvie.co.jp/materials/064.html)
廃棄袋はアッヴィ合同会社(製造販売元)がメーカー提供する資材で、医療機関・保険薬局を通じて患者へ提供されます。 アッヴィの医療従事者向けポータル「A-CONNECT」や患者向けの「ヒュミラサポート便」を通じて無料で入手できます。 つまり費用の心配は不要です。 a-connect.abbvie.co(https://a-connect.abbvie.co.jp/materials.html?page=5&diseaseArea=all&tag=4)
なお、ペン先キャップ(プラスチック部分)は廃棄袋には入れず、各自治体のルールに従って分別廃棄する必要があります。 患者指導の際に見落とされがちなポイントなので注意が必要です。 nanbyo(https://nanbyo.info/humira-support-delivery-2/)
| 製剤タイプ | 廃棄容器 | 収納数 | 入手方法 |
|---|---|---|---|
| ペンタイプ | 廃棄袋 | 2本/袋 | 医療機関・薬局・サポート便 |
| シリンジタイプ | 廃棄ボックス | 複数本 | 医療機関・薬局・サポート便 |
日本薬剤師会の傘下の地域薬剤師会では、インスリン等自己注射針を自主的に回収している薬局もあります。 ただしヒュミラ廃棄袋については、回収対応の有無が薬局によって異なるのが実情です。 ryumachi-jp(https://www.ryumachi-jp.com/jcr_wp/media/2023/11/jia_all.pdf)
若年性特発性関節炎の患者支援手引き(日本リウマチ学会)にも「薬局によっては処理ができない場合もある」と明記されています。 つまり、薬局での回収は義務ではなく、各施設の判断に委ねられている部分があります。 ryumachi-jp(https://www.ryumachi-jp.com/jcr_wp/media/2023/11/jia_all.pdf)
📌 薬局スタッフの実務ポイント:
- 感染性廃棄物の処理契約がない薬局は受け取りを断ることも可能 pgm-dental(https://pgm-dental.com/column/1810/)
- 回収の可否を薬局のルールとして事前に決めておくことが重要
薬局での患者指導において、廃棄袋の「渡し方」と「返却先の伝え方」は特にセットで行う必要があります。廃棄袋はヒュミラを処方した医療機関から受け取るのが原則です。 a-connect.abbvie.co(https://a-connect.abbvie.co.jp/-/media/assets/pdf/products/humira_ibd/patients_support/pdf_humira_humira_04-selfinject_guide.pdf)
受け取り方法は2つあります。1つ目は、処方された医療機関または調剤薬局での受け取り。2つ目は、ヒュミラサポート便(アッヴィが提供する無料配送サービス)を利用して自宅への郵送を受ける方法です。 これは使えそうです。 nanbyo(https://nanbyo.info/humira-support-delivery-2/)
ヒュミラサポート便を使えば、廃棄容器や廃棄袋が自宅に無料で届くため、患者が受診のたびに持ち運ぶ負担がなくなります。 特にシリンジタイプの廃棄ボックスはかさばるため、サポート便の活用は実用的です。 nanbyo(https://nanbyo.info/humira-support-delivery-2/)
使用済みの廃棄袋の返却先は「処方した医療機関(病院・クリニック)」が基本です。 薬局への返却は必須ではありませんが、対応している場合は薬局でも引き受け可能です。患者には最初の調剤時に返却先を明確に伝えることが、後のトラブル防止につながります。 nanbyo(https://nanbyo.info/humira-support-delivery-2/)
京都第二赤十字病院が公開している「ヒュミラ薬局用 自己注射チェックシート」では、廃棄袋を用いた廃棄手順の確認と、後日まとめて医療機関へ持参する手順の確認が明示されています。 kyoto2.jrc.or(https://www.kyoto2.jrc.or.jp/wp/wp-content/uploads/HUMIRA_PEN.xls)
ヒュミラ自己注射チェックシート(保険薬局用)の参考として活用できます。
京都第二赤十字病院 ヒュミラ皮下注ペン自己注射チェックシート(保険薬局用)
廃棄袋が患者の手元になくなることは珍しくありません。薬局スタッフが補充方法を知っておくことで、患者の不安をその場で解決できます。
廃棄袋はアッヴィのA-CONNECTポータルから医療従事者がオーダーできます。 患者向けには「e-humira.jp」の患者資材オーダリングページから申し込み可能で、1セット5枚単位での提供となっています。 e-humira(https://www.e-humira.jp/patient/order)
📦 廃棄袋の入手経路まとめ:
- 医療従事者向け:A-CONNECT(アッヴィ医療関係者ポータル) a-connect.abbvie.co(https://a-connect.abbvie.co.jp/materials/064.html)
- 患者向け:e-humira.jp 資材オーダリング、またはヒュミラサポート便 e-humira(https://www.e-humira.jp/patient/order)
- 問い合わせ先:アッヴィ「くすり相談室」 0120-587-874(9時〜17時30分) e-humira(https://www.e-humira.jp/patient/order)
患者がサポート便を未登録の場合は、薬局から案内するとよいでしょう。登録はWebまたは所定の用紙で申し込めます。 案内するタイミングは初回調剤時が最適です。 eapharma.co(https://www.eapharma.co.jp/hubfs/corporate/news/2021/0913.pdf)
なお、廃棄袋の補充を患者任せにしていると、使用済みペンが自宅に溜まり、ペットボトルや空き缶に入れて持参するケースも実際に報告されています。 これは感染リスクの観点から非常に危険です。廃棄容器の在庫確認を定期的に声かけする習慣をつけることが、患者の安全管理につながります。 ameblo(https://ameblo.jp/kenikukai-shonan/entry-12941644663.html)
インスリンや他の自己注射製剤と比較すると、ヒュミラの廃棄袋は「薬局での対応が薬によって大きく異なる」という実態があります。インスリン注射針については、日本薬剤師会の傘下地域薬剤師会が自主的に回収活動を行っており、比較的整備されています。 一方でヒュミラを含む生物学的製剤の廃棄袋については、体制が施設によってばらつきがあります。 med.or(https://www.med.or.jp/dl-med/doctor/haiki/khaiki18.pdf)
これが問題です。
三重中央医療センターが保険薬局向けに発出した通知では、「自己注射薬を調剤した保険薬局においても、針捨てボックスやメーカー提供の専用廃棄容器を準備し、薬剤を交付する際に患者へ正しい廃棄方法を指導する必要がある」と明記されています。 廃棄指導は薬局の責務であるという認識が求められます。 miechuo.hosp.go(https://miechuo.hosp.go.jp/pdf/b-yaku/selfinjection.pdf)
アダリムマブBSの廃棄袋も同様の仕様のものが存在し、製造販売元ごとに指示が異なる場合があります。 ヒュミラからバイオシミラーへ切り替えが進む中、廃棄袋の形状・回収方法が異なるケースがある点にも注意が必要です。これだけは覚えておけばOKです。 viatris-e-channel(https://www.viatris-e-channel.com/guidance-tools/assets/ADA57L003B_%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%AA%E3%83%A0%E3%83%9E%E3%83%96BS%E3%80%8CFKB%E3%80%8D%E8%87%AA%E5%B7%B1%E6%B3%A8%E5%B0%84%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF.pdf)
在宅医療廃棄物処理に関する制度整備は進んでいますが、薬局現場での標準化はまだ途上にあります。日本医師会の在宅医療廃棄物処理ガイドライン(Ver.1.0)は、廃棄方法の詳細を確認する上で参考になります。 med.or(https://www.med.or.jp/dl-med/doctor/haiki/khaiki18.pdf)
在宅医療廃棄物の処理責任・分類の法的根拠が記載されています。
薬局としてヒュミラ廃棄袋の取り扱いを整備する際は、①患者への初回指導時の説明フロー、②廃棄袋の在庫補充経路の確認、③受け取りの可否と感染性廃棄物処理契約の確認、この3点を最初に整理しておくと対応がスムーズです。三重中央医療センターの廃棄方法指導資料も参考になります。 miechuo.hosp.go(https://miechuo.hosp.go.jp/pdf/b-yaku/selfinjection.pdf)
自己注射薬の廃棄指導と回収体制の参考として。
三重中央医療センター 自己注射薬の注射針等の廃棄方法について(PDF)