「あなたの患者さんの8割は、ストレッチで回復を遅らせています。」
回旋筋腱板(ローテーターカフ)は、棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つで構成されています。これらは上腕骨頭を肩関節窩に安定させる働きを持ち、肩の回旋運動を支えます。しかし臨床でよく見られるのが「損傷部位への過剰ストレッチ」です。
特に腱板損傷が疑われる患者に対して強度の伸張を行うと、微小断裂が再発する可能性が高まると報告されています(2024年 日本運動器リハ学会報告より)。つまり急性期での可動制限は「保護のための制限」です。
つまり無理なストレッチは治癒を遅らせるということですね。
一方で、術後早期のストレッチ導入を支持する声もあります。ただしその場合も「負荷角度20〜30°未満」が条件です。これは肩峰下圧迫を避けるためで、これを超えると炎症性サイトカインが増加することが実験で確認されています。
負荷角度だけ覚えておけばOKです。
参考リンク(腱板解剖と臨床症例の解説として有用)
ストレッチ後24時間以内の疼痛出現率は、実は一般的に想像されるより高いです。国内調査(2023年、理学療法臨床研究)によれば、肩リハ患者の37%がストレッチ翌日に炎症マーカーの上昇を示しました。
つまり、炎症を前提にリカバリー設計を行う必要があります。
このとき有効なのが「アイシング+安静時間の設定」。たとえばストレッチ後1時間以内に10分間の冷却を実施するだけで、C反応性タンパク上昇を30%低減できることがわかっています。
冷やすだけでも予防になるということですね。
なお、これを怠ると慢性滑液包炎へ移行する例もあります。医療従事者こそ「負荷→冷却→再動作」をルーチン化することが重要です。
再発防止が原則です。
参考リンク(運動後の炎症反応制御に関する詳細)
肩甲骨の安定性は腱板の張力調整に直結します。肩甲骨の位置異常(いわゆる「スキャプラ位置不良」)があると、腱板が常に牽引状態となり、わずかに伸ばしただけでも再損傷を招きやすくなります。
肩甲骨リトラクション(内転)を組み合わせた軽負荷ストレッチが現場では効果的です。この方法では筋電図計測で三角筋活動が約40%抑制され、腱板への過負荷を避けられることが報告されています。
つまり一緒に動かすのが鍵です。
臨床の現場では、フォームローラーやセラバンドを活用して、僧帽筋下部の収縮を誘導する補助エクササイズを加えると効果が安定します。
補助が基本です。
参考リンク(肩甲骨安定化トレーニングの理論背景)
日本理学療法科学学会誌:肩甲骨運動と回旋筋腱板機能の連動性
誰にでもストレッチをすすめるのは誤りです。MRIで腱板厚が4mm未満に萎縮しているケースや、広範囲断裂後の縫合例では禁忌になります。こうした場合、腱板が牽引に耐えられず、再手術率が25%以上に上昇することが報告されています(日本整形外科学会 2022年度調査)。
結論は個別判断が原則です。
判断の目安として、「疼痛VASで4以下」「ROM制限90°未満」「術後3週経過」が条件となります。これを満たさない場合のストレッチは、治癒遅延を引き起こす確率が高まります。
つまり急がないのが正解です。
参考リンク(腱板損傷後リハビリ適応基準について)
日本整形外科学会:腱板損傷の治療とリハビリ方針
従来の筋長重視のストレッチでは、腱板本来の機能回復は難しい場合があります。近年注目されているのが「神経筋再教育(Neuromuscular Re-education)」アプローチです。
たとえば、15°単位で肩の回旋方向を段階的に変え、固有受容器への入力を再構築する訓練です。この方法では3週間で可動域が平均18%増加したデータがあります。
これは使えそうです。
一方で、筋力トレーニングと違い「強度の数値設定」が難しいという課題もあります。患者自身が「伸び感覚」を頼りに負荷調整を行うため、訓練者側の観察が欠かせません。
観察が条件です。
最新研究では、赤外線センサー付きリハ支援デバイスを導入した神経筋再教育が、疼痛軽減において従来比で1.6倍の効果を示したと報告されています。
テクノロジー支援が有効ということですね。
参考リンク(神経筋再教育トレーニングの基礎理論)