薬ヒート(いわゆるPTPシート)は、錠剤やカプセルを「プラスチック」と「アルミニウム」で挟んだシート状の包装で、Press Through Package(PTP)とも呼ばれます。
透明側を押してアルミ箔を破り、1錠ずつ取り出せる構造で、湿気・酸化などから薬を守る役割を担います。
一方で、役割が重要であるほど使用量も多く、日本では年間約130億枚・約13,000トン規模で使われるという推計が示されています。
ここでいう「薬ヒート リサイクル」は、残薬の再利用ではなく、使用済みPTPシートを回収して素材(アルミ・プラスチック)として再資源化する取り組みを指します。
医療従事者向けに誤解を先に潰すなら、患者さんが「薬のリサイクル」と聞いて連想しがちな“未使用薬の再流通”とは別物として説明するのが安全です(後者は品質保証・法制度・トレーサビリティの壁が厚い)。
参考)https://www.mdpi.com/2226-4787/8/4/221/pdf
現場では「資源化できるのは“空になったヒート”」と短く定義し、例外(対象外)をセットで伝えるのが運用上のコツです。
参考)https://www.mdpi.com/1424-8220/20/11/3080/pdf
生活者参加型の回収では、回収できるのは「使用済みのおくすりシート」に限られ、薬がシートに残っているものは回収対象外です。
同様に、日付シール付きのシート、空き箱、空き瓶、粉薬の袋、薬袋、顆粒剤の袋、輪ゴム、目薬の容器なども対象外として明確に除外されています。
この線引きは、異物混入を減らし、後工程(分離・再生)を安定させるための実務ルールでもあります。
医療機関で特に起きやすい事故は、「患者が残薬を“親切心”でヒートごと回収ボックスへ入れてしまう」ケースです。
回収ボックス側が“残薬を受けない”設計になっている以上、患者説明で「残薬は回収先が別(薬局・自治体・医療機関の指示に従う)、ヒートは薬を出し切った後に回収へ」を二段階で案内すると混乱が減ります。
✅患者説明に使える短文例(掲示物にも転用可)
・「ヒートは空になってから♻️」
・「お薬が残るものは回収できません🚫」
・「箱・袋・びんは入れないでください📦」
PTPシートは複合素材で「燃えるごみ」扱いにされがちですが、実際にはプラマークが印字されていることもあり、資源化の余地があります。
ただし自治体ごとに回収ルールが異なるため、患者が迷いやすい点が課題として挙げられています。
この“ズレ”に対して、医療従事者ができる現実的な対策は、自治体分別の一般論を語るより「回収ボックスがある場合はそこへ」という行動導線を提示することです。
第一三共ヘルスケアの「おくすりシート リサイクルプログラム」では、専用回収BOX(おくすりシートくるりんBOX)へ持参する参加方法を案内しており、実施エリアとして横浜市(全区)・東京都東大和市が示されています。
この種の仕組みは、患者にとって「分別の正解を当てるゲーム」をやめ、持って行く場所を一本化できるのが強みです。
現場掲示で刺さるのは、次の3点だけに絞った案内です。
・「空のヒートのみ」
・「箱・袋・びん等は不可」
・「回収場所(院内/薬局/公共施設)の具体名」
参考:対象・対象外の根拠(FAQ)
おくすりシート リサイクルプログラム(回収対象/対象外、回収方法、FAQ)
PTPシートのリサイクルでは、回収後に「破砕した後、アルミとプラスチックに分離する」工程が紹介されています。
素材が分かれれば、アルミは融解して再資源化し、プラスチックは再生樹脂(ペレット)に加工して新たな製品へ回す、といった出口設計が示されています。
この“分離できるかどうか”がPTPリサイクルの肝で、単一素材のプラ容器リサイクルより工程が一段難しくなるポイントです。
環境負荷の観点では、PTPが焼却され続けるとCO2排出につながるという問題意識が示され、適切にリサイクルすれば環境負荷を軽減できる可能性が述べられています。
参考)https://www.mdpi.com/2076-3298/9/11/146/pdf?version=1669013457
また、破砕分離施設のように、工程の自動化により少人数で稼働可能といった運用面の情報もあり、回収量が増えても処理側がスケールしやすい設計であることがうかがえます。
医療従事者向けに“意外と知られていない”伝え方をするなら、リサイクルを成立させる鍵は「患者の分別意識」より「異物混入の少なさ」です。
つまり、院内でポスターを増やすより、回収ボックスの近くに「対象外の実物例(箱・袋・日付シール付き)」を写真で掲示するほうが、工程の安定化に直結します。
参考:PTPリサイクルの背景(使用量、焼却・CO2、破砕分離の流れ)
薬の包装が資源に?おくすりシートのリサイクルと環境負荷削減(使用量、課題、破砕・分離の工程)
薬ヒートの話題は環境活動として語られがちですが、医療安全の観点でも“回収と分別の設計”には副次的なメリットがあります。
PTPは「1錠単位で管理しやすい」反面、患者宅では切り離された小片が発生し、服薬カレンダーや一包化と混在すると、薬剤識別や残数確認が難しくなることがあります(特に複数診療科・複数薬局の患者)。
ここで、患者が“飲み終えたら一定の場所にまとめる”習慣を作ると、残薬・重複の把握がしやすくなり、結果として服薬アドヒアランス支援にもつながります。
実務で効く運用案(院内・薬局連携で回る形)
・外来:服薬指導の最後に「空ヒートはここへ♻️、残薬は持参相談へ🧑⚕️」の二択を固定フレーズ化する。
・病棟:退院指導に「ヒートの片付け」を1項目だけ追加し、家族にも同じ説明をする(介護者が捨て方を握っていることが多い)。
・薬局:回収ボックスの横に「対象外(薬が残る、箱、薬袋)」を🚫で並べ、投入前の1秒チェックを促す。
さらに一歩踏み込むと、医療者が患者に渡す説明は「環境のために協力を」よりも、「混入すると回収できず全部が無駄になる」を丁寧に伝えるほうが、行動変容が起きやすいです。
環境×医療安全の両輪で語れると、院内の協力(総務・施設・感染対策・薬剤部)も取り付けやすくなり、結果として継続しやすい取り組みになります。

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