ペインクリニックの料金は、診察料、治療費、検査費、薬剤費という4つの要素で構成されます。 これらは使用する薬剤の種類やレントゲン撮影の枚数、実施する神経ブロックの種類によって変動するため、患者さんの症状や治療方針によって最終的な金額は異なってきます。
参考)料金表|いとうペインクリニック|淡路|東淀川区
初診時には基本的にレントゲン撮影費と神経ブロック術前検査(採血)が必要となるため、再診時と比較して費用が高めになる特徴があります。 例えば腰椎椎間板ヘルニアで腰部硬膜外ブロックを受ける場合、初診時の総額は約21,080円、再診時は約9,650円となり、3割負担の患者さんでは初診時に約6,324円、再診時に約2,895円の自己負担が発生します。
参考)費用の目安
治療費の中で最も費用が大きいのは神経ブロック治療費です。 腰部硬膜外ブロックの場合は1回8,220円で、専門医が5分程度で施行した後、約1時間治療室ベッドで安静にし、その間に看護師による血圧チェックや治療効果の確認が4〜5回行われます。 このように手間と場所、時間を要するため、内服処方のみの場合と比べて治療費用は高くなります。
初診時には診察料、検査料、治療費、処方料が総合的にかかります。 具体的には、初診料として3割負担で870円、血液検査で1,340円、レントゲン撮影で670〜1,550円程度が標準的な範囲です。
ブロック注射を希望される場合には血液検査とレントゲンが必須となるため、トリガーブロックを行う場合の初診時合計金額は3割負担で3,270〜4,150円となります。 一方、肩関節症で関節内注射1ヶ所と処方のみを行い、血液検査を実施しない場合は、3割負担で1,960円程度に抑えられます。
腰椎椎間板ヘルニアで硬膜外ブロックを受けた場合の初診費用は、3割負担の方で約4,900円となり、この中には初診料、神経ブロック、レントゲン検査が含まれます。 頸椎椎間板ヘルニアで星状神経節ブロックを受けた場合は約3,500円です。
参考)https://www.kaoru-pc.jp/column/2019/09/23/2261/
診療には「診察」「診断および治療説明」「看護説明」「治療」で20〜30分かかるため、時間的な余裕を持って来院することをお勧めします。
再診時には初診時に必要だったレントゲン撮影費や血液検査費が不要となるため、費用負担は軽減されます。 再診料は3割負担で230円、処方料は180円が基本料金です。
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で腰部硬膜外ブロックを受ける場合、再診時の合計金額は3割負担で2,810円となります。 顔面や頸部椎間板ヘルニア、頸肩腕症候群に対する星状神経節ブロックでは、再診時は3割負担で1,430円です。
帯状疱疹後の頸部・胸部痛に対する神経根ブロックは、より専門的な治療となるため再診時でも3割負担で4,910円と費用が高めになります。 これは使用する薬剤や治療の複雑さが影響しています。
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再診時の費用は処方される薬剤の種類や量、注射する範囲によっても変動するため、詳細な費用が気になる場合は受付に直接確認することが推奨されます。
神経ブロック治療の料金は、実施する部位や方法によって大きく異なります。 以下に主な治療の3割負担での料金目安を示します。
| 治療の種類 | 3割負担の料金 | 1割負担の料金 |
|---|---|---|
| トリガーブロック | 210円 | 70円 |
| 星状神経節ブロック | 1,020円 | 340円 |
| 腰部硬膜外ブロック | 2,400円 | 800円 |
| 神経根ブロック | 4,500円 | 1,500円 |
| 肩関節ブロック | 240円 | 80円 |
最も費用が抑えられるのはトリガーブロックで、局所的な痛みのポイントに対する注射となります。 星状神経節ブロックは頸部や顔面の痛み、帯状疱疹などに用いられ、中程度の費用設定です。
腰部硬膜外ブロックは腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の治療に多く用いられ、治療後は約1時間ベッドで安静を保つ必要があるため、比較的高額な設定となっています。 神経根ブロックは帯状疱疹後の頑固な痛みなどに対する専門的な治療で、技術と時間を要するため最も費用が高くなります。
これらの料金には薬剤費が含まれていますが、使用する薬剤の種類や量によって多少の変動があります。
ペインクリニックで行われる神経ブロック治療には、基本的にすべて健康保険が適用されます。 したがって、来院の際には必ず保険証を持参する必要があります。
健康保険が適用される場合、自己負担は年齢や所得に応じて1割、2割、または3割となります。 高齢者の場合は1割または2割負担となるため、経済的な負担は比較的軽減されます。
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ただし、保険制度には治療回数の制限が存在します。 1カ月の治療回数が多くなると規定以上の治療は保険の対象外となり、神経ブロック治療の場合は1ヶ月4回までが保険適用の限度とされています。 この制限は国民健康保険と社会保険で異なっており、社会保険の方がより厳しく制限されているケースがあります。
保険適用により、例えば腰部硬膜外ブロックの費用は海外と比較しても非常に安価です。 米国では日本の3倍の約27,000円、英国では4倍の約32,000円が相場とされており、日本の医療費は先進諸国の中で最も安い部類に入ります。
ペインクリニックの医療費を適切に管理するためには、いくつかの工夫が可能です。 まず、初診時には検査費用がかさむため、症状が軽度の場合は医師と相談して必要最小限の検査で開始することができます。
保険適用の範囲内で治療を受けるためには、1ヶ月あたりの治療回数を4回以内に抑えることが重要です。 これを超える頻度で治療が必要な場合は、自費診療となる可能性があるため、事前に医療機関に確認することをお勧めします。
また、内服薬による治療で効果が期待できる場合は、神経ブロックよりも費用を抑えられます。 ブロック注射は手間と場所、時間を要するため、内服処方のみの場合と比べて治療費用は高くなる傾向にあります。 医師と相談しながら、症状の程度に応じた最適な治療方法を選択することが医療費の適正化につながります。
薬剤の種類によっても費用は変動するため、ジェネリック医薬品の使用が可能かどうかを確認することも一つの方法です。 処方箋を受け取る際に、薬剤師に相談してみるとよいでしょう。
高額療養費制度の活用も検討価値があります。 月の医療費が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度で、所得に応じて自己負担限度額が設定されています。 ペインクリニックでの治療が長期にわたり、月の医療費が高額になる見込みがある場合は、事前に健康保険組合に確認することをお勧めします。
参考)診療案内(ペインクリニック内科・麻酔科) - いいだメンタル…