合計スコアが16点未満でも、ロコモ度2相当の身体機能低下が隠れていることがあります。
ロコモ25は、日本整形外科学会が2013年に開発・公開した自記式質問票で、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)の重症度を評価するために設計されています。その名称が示すとおり、全部で25の質問項目から構成されており、各項目を0〜4点の5段階で評価します。合計スコアの最大値は100点で、スコアが高いほど運動器の機能低下が重篤であることを意味します。
25項目は大きく「痛みや痺れに関する設問」「日常生活動作(ADL)に関する設問」「外出や社会活動に関する設問」の3カテゴリに分類されます。たとえば「布団の上げ下ろしはどのくらい大変ですか」「バスや電車で15分以上立っていられますか」といった、生活に密着した具体的な質問が並びます。
これが基本です。
質問のすべてが「今の状態」を問う形式であるため、患者が自分で回答できる点が大きな利点です。医療スタッフが付き添って記入するよりも、待合室での自記式記入に向いており、外来の診療効率を落とさずにスクリーニングが実施できます。実際、外来の整形外科クリニックでは診察前の記入を標準化している施設も増えています。
ロコモチャレンジ推進協議会(日本整形外科学会が主導する公式団体)は、ロコモ25のチェックシートを無料でダウンロード提供しており、施設独自に印刷・使用することが認められています。これは使えそうです。
日本整形外科学会・ロコモチャレンジ推進協議会 公式サイト:ロコモ度テスト(ロコモ25)の詳細と記入用紙ダウンロード
ロコモ25のスコアには明確なカットオフ値が設定されており、ロコモ度1は7点以上、ロコモ度2は16点以上、ロコモ度3は24点以上が判定基準とされています(日本整形外科学会2020年改訂版基準)。
ロコモ度1は「移動機能の低下が始まっている状態」です。この段階では、日常生活への明らかな支障はまだ少ないものの、筋力や歩行能力の低下が始まりつつあり、適切な運動介入が転倒や骨折リスクの上昇を食い止めます。ロコモ度2は「移動機能の低下が進んでいる状態」であり、社会参加や自立生活に影響が出はじめるレベルです。
つまり早期発見が予後を左右します。
ロコモ度3(2020年追加)は、「移動機能の低下が顕著で、自立した社会生活が困難な状態」です。ADLの複数項目で介助を要するか、それに近い状態であることが多く、介護認定申請や専門的なリハビリテーション介入の適応を検討するフェーズになります。
注意すべき点は、ロコモ25の合計スコアが低くても個別項目に高得点があるケースです。たとえば「40分以上続けて歩けない」という項目だけが4点(最重度)を示している患者は、合計スコアが15点以下であってもロコモ度2相当の身体機能リスクを抱えている可能性があります。合計点だけで判断するのは危険です。
| ロコモ度 | ロコモ25スコア | 状態の目安 | 主な対応方針 |
|---|---|---|---|
| ロコモ度1 | 7点以上 | 移動機能低下の始まり | 運動指導・自主トレの促進 |
| ロコモ度2 | 16点以上 | 移動機能低下の進行 | 理学療法士による評価・介入 |
| ロコモ度3 | 24点以上 | 自立生活への支障 | 介護認定・専門リハビリ検討 |
ロコモ25を現場で正確に運用するには、単に「記入してもらう」だけでなく、実施〜評価〜介入のフローを施設単位で整備することが重要です。以下に、外来での標準的な導入フローを示します。
記録の継続が原則です。
一点注意が必要なのは、認知症や読み書きに困難がある患者への対応です。この場合は医療スタッフが問診形式で読み上げながら回答を補助する方法が推