セレニカRは「R」と付く通り徐放性製剤に分類され、粉砕・分割・噛み砕きなどで放出設計が崩れると、急激な血中濃度上昇や重篤な副作用、あるいは薬効不十分につながり得ます。
この論点は「後発品かどうか」以前に、徐放性製剤としての取り扱いを守れているかが安全性の土台になる、という意味で重要です。
さらに、同じ有効成分であっても、製剤の特徴に応じて用法・用量が異なる徐放性製剤が存在する点は、処方監査・調剤監査の両方で強い注意点になります。
意外と見落とされがちなのは、「販売名から徐放性製剤だと読み取りにくいケースがあるので、添付文書や資材で確認し、薬剤師に確認する」ことが明確に推奨されている点です。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/38e94bd03db1b1edcf676aad2dc6d3d90069289b
医療機関側のオーダリングや薬局側のレセコンで、粉砕指示などに警告を出す設定が対策として挙げられており、システム面の安全対策も“実務として有効”です。
PMDAの医療安全情報では、デパケンR錠とセレニカR錠は同一成分であっても、用法が同一と思い込まれて誤処方につながった事例が示されています。
具体的には、セレニカR錠は「1日1回」、デパケンR錠や(後発)バルプロ酸ナトリウムSR錠は「1日1〜2回に分けて」と整理されており、ここを取り違えると疑義照会の対象になります。
この「分1か分2か」の違いは、患者の服薬アドヒアランスや眠気等の副作用体感にも影響し得るため、医師の意図と患者背景を踏まえた確認が必要です。
また、現場では「同一成分=後発品へ置換可能」とレセコンが候補提示してしまい、結果として“別設計の徐放錠”へ誘導されるリスクが起きやすい、という構造問題があります。
したがって、変更提案の場面では「薬価差」だけでなく、「用法回数と製剤特性が一致するか」を先に固定して考えると安全側に寄ります。
| 観点 | セレニカR | デパケンR / (後発)バルプロ酸Na SR |
|---|---|---|
| 用法の基本 | 1日1回 | 1日1〜2回 |
| 典型的なリスク | 分2で処方・調剤される取り違え | 分1前提で固定し、患者の実態とズレる |
| 介入の要点 | 処方意図の確認、疑義照会で分1へ | 処方意図・薬歴と照合し回数を確定 |
一般名処方は、後発医薬品の使用促進を目的に制度化され、一般名・剤形・含量で処方せんに記載する運用が示されています。
一方で、一般名処方の調剤では「類似名称」「複数規格・剤形」「徐放性製剤の持続時間の違い」などが原因となる取り違えが多発している、と明確に注意喚起されています。
特に重要なのは、デパケンR錠200mgとセレニカR錠200mgのように「一般名が同一でも、用法や薬物動態、製剤特性等により分類が異なる薬剤がある」ため、処方意図が明確でない場合は疑義照会が必要、と示されている点です。
つまり、「一般名が同じ=同じ薬として変更してよい」という単純化が、医療安全の観点では最も危険なショートカットになり得ます。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/60cdf0445101c4a5cdbf016d69079d204f48ce5d
疑義照会が必要になりやすい典型例は、処方せん上の情報だけで「分1の設計なのか」「分2の設計なのか」「患者がどちらで安定していたのか」が確定できないケースです。
徐放性製剤を粉砕・分割して投与したり、患者が噛み砕いて服用すると、急激な血中濃度上昇により重篤な副作用が発現したり、期待する薬効が得られない恐れがあると示されています。
このリスクは、在宅や施設で「服用しにくいから潰す」「経管だから溶かす」という日常的な工夫の延長で起こりやすく、薬剤側の設計意図を伝え切れていないと再発します。
PMDAの資料では、粉砕投与等の報告が特に多い徐放性製剤の一覧に、デパケンR錠・セレニカR錠が含まれており、現場頻度の高さがうかがえます。
「一包化」も誤解が生まれやすい論点で、患者の利便性だけで一包化を進めると、吸湿などで溶出に影響する製剤が混ざる可能性があります(まずは“徐放である”事実を共有することが先)。
そのうえで、医療安全としては「粉砕・分割・経管の可否をシステムで警告する」「指示が出たら添付文書等で確認し薬剤師に確認する」という二重化が現実的な落としどころです。
徐放性製剤の安全対策として、PMDAは処方オーダリングシステムを活用し、粉砕投与等を防止する対策(警告表示、入力制限など)を提案しています。
この考え方を薬局側に引き直すと、「変更候補の出し方」そのものがヒヤリ・ハットの温床になり得るため、システムに任せきりにしない“ローカルルール”が必要になります。
たとえば、一般名が同一で分類・用法が異なり得る組み合わせは、患者の服用回数・薬歴・処方目的をセットで確認しない限り変更確定しない、という運用にするとブレが減ります。
さらに厄介なのは、仮に誤った変更が起きても、短期的に患者の自覚症状が大きく変わらず、処方元も薬局も「問題が顕在化しにくい」可能性があることです(だからこそ“未然防止の仕組み”が重要)。
このタイプのリスクは、個人の注意力だけでゼロにするのが難しいため、候補表示の制御、監査チェックリスト、疑義照会テンプレなど、再現性の高い仕組みで減らすのが現実的です。
一般名処方の取り違え(デパケンR錠200mgとセレニカR錠200mg等)に関する注意点、疑義照会の考え方がまとまっている(制度背景と実務ポイント)
https://asayaku.or.jp/apa/work/data/pb_1644-1645_3.pdf
徐放性製剤の粉砕・分割のリスク、デパケンR錠/セレニカR錠の用法の違い(分1と分1〜2)やオーダリングでの警告設定例が載っている(医療安全情報)
https://www.pmda.go.jp/files/000251752.pdf

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