テリボンの消化器系副作用は、投与患者の約3分の1に認められる最も頻度の高い副作用です。
主要な消化器系副作用の発現頻度:
これらの症状は投与開始後24時間以内に出現することが多く、継続投与により軽減する傾向があります。特に悪心は投与初期に最も顕著に現れ、患者のQOL低下の主要因となるため、適切な対症療法の実施が重要です。
投与中止に至った副作用として、悪心が16例と最も多く報告されており、症状の程度によっては治療継続が困難となるケースもあります。制吐剤の予防的投与や食事指導により症状の軽減が期待できます。
神経系副作用は全体の6.2%の患者に認められ、日常生活に支障をきたす可能性があります。
主要な神経系副作用:
頭痛は投与後2-3時間以内に発現することが多く、軽度から中等度の症状が大部分を占めます。めまいは特に高齢者において転倒リスクを高める可能性があるため、投与後の安静保持や血圧モニタリングが推奨されます。
興味深いことに、予測できない重篤な副作用として痙攣発作が12例報告されており、その内訳は痙攣発作9件、低カルシウム血症性痙攣2件、強直性痙攣1件でした。これらの症例では本剤投与後短時間での発現が認められており、投与時の慎重な観察が必要です。
循環器系副作用は1.2%と比較的低頻度ですが、重篤化の可能性があるため注意深い監視が必要です。
循環器系副作用の種類:
特に重要なのは、一過性の急激な血圧低下に伴う意識消失やショック症状で、心停止や呼吸停止を来した症例も報告されています。これらの症状は投与後数分以内に発現することがあり、初回投与時には特に慎重な観察が必要です。
血圧低下は高齢者や脱水状態の患者で特に注意が必要で、投与前の水分摂取や血圧測定の実施が推奨されます。症状が認められた場合は、適切な処置を行い、次回以降の投与中止を考慮する必要があります。
注射部位反応は投与患者の15-20%に認められ、通常2-3日間で改善する一過性の反応です。
注射部位反応の特徴:
注射部位出血は5.1%(14/277例)の患者で報告されており、適切な注射手技と圧迫止血により予防可能です。注射部位の選択(大腿部または腹部)や注射針の角度、圧迫時間の調整により症状の軽減が期待できます。
皮下注射による局所反応は、注射液の温度管理(室温に戻してから注射)や注射後のマッサージ回避により軽減できることが知られています。患者教育において、これらの予防策の指導が重要です。
テリボンの重篤副作用として、アナフィラキシー、ショック、意識消失が添付文書に記載されています。
重篤副作用の症状:
アナフィラキシー症状:
ショック・意識消失症状:
これらの症状は投与後短時間で発現する可能性があり、特に初回投与時には30分程度の経過観察が推奨されます。救急対応が可能な環境での投与が理想的で、エピネフリンや輸液の準備が必要です。
意外な発見として、骨肉腫の発現リスクについても言及されていますが、これは主に動物実験での知見であり、ヒトでの因果関係は明確ではありません。しかし、長期投与における定期的な画像検査の重要性が示唆されています。
PMDAによるテリボン再審査報告書では、3,593例の大規模調査結果が詳細に記載されています
旭化成の公式サイトでは、患者向けの副作用対処法が分かりやすく説明されています
KEGG医薬品データベースには最新の副作用情報と発現頻度が掲載されています