登録販売者とは、2009年の薬事法改正により誕生した一般用医薬品の販売を行うための公的資格です 。それまで医薬品の販売ができるのは薬剤師と薬種商という資格を持つ人のみでしたが、制度改正により新たに創設された医薬品販売の専門職となります 。
登録販売者は薬剤師と比較すると専門性は限定的ですが、一般用医薬品のうち第2類医薬品と第3類医薬品を販売できる権限を持ちます 。これらの医薬品は市販薬全体の約99%を占めるため、実際の店舗運営において非常に重要な役割を担っています 。
参考)https://job-medley.com/tips/detail/812/
登録販売者の資格を取得するメリットとして、薬剤師不在時でも医薬品販売が可能になることや、幅広い職場で活用できることが挙げられます 。また、一生涯有効な資格として全国どこでも通用するため、転職や引っ越しの際にも大きな武器となります 。
参考)https://nittokai.jp/guide/
登録販売者試験は都道府県が実施する公的試験で、年1回開催されます 。2015年の制度改正により受験資格が撤廃され、現在は学歴・年齢・実務経験を問わず誰でも受験可能です 。これにより、医薬品業界未経験者でも挑戦しやすくなりました。
参考)https://studying.jp/touroku/about-more/do-not-use.html
試験はマークシート方式の筆記試験で、全5章から構成されています 。
合格基準は各章で35%~40%以上(都道府県によって異なる)、全体で70%以上の正答率が目安です 。合格率は年度により変動しますが、概ね40%~50%程度となっており、比較的取得しやすい資格といえます 。
登録販売者の主な仕事内容は、医薬品を購入する目的で来店したお客様への対応、効果や副作用についての説明、使用方法についてのアドバイスです 。薬剤師と同様に薬のスペシャリストとして、お客様の健康をサポートする重要な役割を担います。
参考)https://www.guppy.jp/otc/og/%E7%99%BB%E9%8C%B2%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E8%80%85%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%AB%E3%81%AF/
ドラッグストアでの具体的な業務には以下が含まれます :
参考)https://ijiwork.com/column/column-1489782
調剤薬局では受付窓口での患者対応、処方箋の受付、薬剤師の調剤補助、会計業務、レセプト入力などの事務業務も重要な仕事となります 。職場により業務範囲は異なりますが、医薬品販売を中心とした幅広い業務に携わることができます。
登録販売者が扱える医薬品は第2類・第3類医薬品に限定され、第1類医薬品については薬剤師のみが販売可能です 。しかし、第1類医薬品は全体の1%程度に留まるため、実際の店舗運営では登録販売者が中心的な役割を果たしています 。
参考)https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/knowledge/yakuiku/drugstore/
登録販売者として一人で売り場に立ち医薬品を販売するには、実務経験が必要です 。試験合格後すぐには「研修中」という扱いになり、薬剤師や正規の登録販売者の指導・管理の下でしか一般用医薬品の販売ができません 。
参考)https://studying.jp/touroku/about-more/in-training.html
管理者要件を満たすためには、以下のいずれかの条件が必要です :
参考)https://www.touhan-navi.com/contents/column/cat1/001149.php
2023年4月の制度改正により、従来の2年間の実務経験要件が緩和され、1年間の実務経験でも追加的研修を受講すれば管理者になることが可能となりました 。これにより、より柔軟なキャリア形成が可能になっています。
研修中の登録販売者は名札やバッジに「研修中」の表記が必要で、単独での医薬品販売はできません 。実務経験がまったくない状態で試験に合格した場合、最短でも1年は研修中として勤務することになります 。
登録販売者の年収相場は雇用形態や勤務先により異なりますが、正社員として働く場合の年収目安は300~400万円程度です 。月収に換算すると20~25万円程度で、資格手当が支給される企業も多く存在します 。
参考)https://studying.jp/touroku/about-more/salary.html
管理者要件を満たし店舗管理者として雇用されれば、月収30~35万円程度も目指せます 。パートやアルバイトとして働く場合の時給相場は900~1,200円程度で、一般的な販売職と比較すると高い水準に設定されています 。
厚生労働省の調査による販売店員の平均データでは、年収354万7,600円、月給25万8,800円、賞与44万円程度という結果が出ています 。初任給は18万円~20万円程度で、医療事務や調剤薬局事務と比較すると給料が比較的高いことが特徴です 。
参考)https://www.guppy.jp/otc/og/%E7%99%BB%E9%8C%B2%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E8%80%85%E3%81%AE%E5%B9%B4%E5%8F%8E%E3%83%BB%E7%B5%A6%E6%96%99%E3%83%BB%E8%B3%9E%E4%B8%8E/
登録販売者の将来性については非常に明るい展望があります 。高齢化社会の進展により、セルフメディケーションの重要性が高まっており、医薬品の適切な販売を担う登録販売者の需要は今後さらに拡大すると予想されます。また、コンビニやスーパーでの医薬品販売拡大により、活躍の場が広がっていることも大きなメリットです。