デルモベート軟膏0.05%の一般名は「クロベタゾールプロピオン酸エステル」で、外用合成副腎皮質ホルモン剤に分類されます。
医療現場では「デルモベート」=製品名、「クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏」=一般名製剤(後発品を含む)という整理を徹底すると、処方監査や疑義照会が減ります。
同成分・同濃度(0.05%)であれば薬理作用の骨格は同じですが、先発と後発で“患者が感じる差”はしばしば基剤に由来します(のび、べたつき、乾燥感、洗い流しやすさなど)。
特に外用ステロイドは「塗った実感(使用感)」が継続率に直結し、結果的に治療成績へ跳ね返るため、一般名の一致だけでなく剤形・基剤の違いを意識した説明が有用です。
先発のデルモベート軟膏0.05%は、薬価が1gあたり14.6円として掲載されています。
後発品の例として、クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏0.05%「イワキ」は薬価11.7円(1gあたり)としてリスト化されています。
薬価差は小さく見えても、慢性疾患での反復処方や、広範囲に塗布が必要な症例では医療費影響が積み上がるため、施設方針(採用品目)と患者負担の両面から説明できると実務的です。
一方で、外用薬は「採用=一律置換」が必ずしも最適ではなく、使用感の不一致で塗布量が減れば、結果として増悪→受診回数増→トータルコスト増になり得る点も共有しておくと、チーム内合意が取りやすいです。
添付文書ベースでは、長期連用によりステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)や、色素脱失、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎、多毛などの局所副作用が記載されています。
また、下垂体・副腎皮質系機能抑制といった全身影響も「起こり得る」副作用として明示されており、量・期間・密封(ODT)・広範囲塗布・皮膚バリア破綻の有無をセットで評価する必要があります。
実務上のポイントは「患者が“薄くのばす”ほど効果が落ち、塗布面積が広いほどリスクが上がる」という相反のマネジメントで、定量的な塗布指導が鍵になります。
定量指導の代表がFTU(Finger-tip unit)で、1FTUは約0.5g、成人の手の面積約2枚分に塗るのが適量とされています。
参考:FTU(塗布量の目安)と、必要な量を塗る重要性(塗り薬の上手な使い方)
https://www.maruho.co.jp/kanja/atopic/suitable/external.html
ストロンゲストクラスの外用ステロイドでは、局所副作用の代表として皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎などが問題になりやすく、顔面などでは特に注意が必要です。
さらに「意外に見落とされる」論点として、眼周囲への長期外用が緑内障・白内障などの眼合併症に関与し得ることが症例報告として示されています。
もう一つの重要ポイントは全身影響で、古い報告ながら、クロベタゾール0.05%(Dermovate)の週45〜90g程度の使用で朝コルチゾール抑制(HPA axis抑制)がみられたという観察結果があり、長期大量使用の抑制根拠として参照されます。
臨床では「強い薬を短く・狙って使い、改善後は弱める/間欠にする/保湿で再燃を減らす」などの運用が安全性と有効性の両立に寄与します。
乳幼児や小児は体表面積あたりの吸収リスクが相対的に高く、同じ“塗った量”でも全身影響が問題になりやすいため、ジェネリックへ置換する場面でも「処方意図(強さ・部位・期間)」の共有が重要です。
独自視点として、ジェネリック選定を「薬価」だけでなく「塗り方の再現性」で評価すると、運用が安定します(例:基剤が硬くてのびにくいとFTU相当量を出しにくく、結果的に過少塗布が起こり得る)。
また、保湿剤との併用は基本ですが、塗布タイミングが近いほど薬剤の皮膚移行に影響し得るという報告があり、患者には“同じ場所に続けて重ねる順番・間隔”を具体化すると指導がブレにくくなります。
現場で使える説明テンプレとしては、次の3点をワンセットにすると安全です。
- いつまで:まず炎症が落ち着くところまで(漫然と続けない)。
- どのくらい:FTUで量を決める(例:1FTU=手の面積約2枚分)。
- どこに注意:顔・陰部・間擦部、眼周囲、広範囲や長期は必ず再評価。