あなたの血液検査正常でも栄養不良で再入院します
血清アルブミンは長年、栄養評価の代表的指標とされてきましたが、実臨床では限界が明確になっています。例えばアルブミンの半減期は約21日と長く、急性の栄養変化を反映しにくい特徴があります。つまり急性期の栄養不良は見逃されやすいです。
さらに、CRPが10mg/dL以上の炎症状態では、栄養状態が保たれていてもアルブミンが3.0g/dL未満に低下するケースも報告されています。これは炎症による分布変化や肝合成抑制が影響しています。つまり炎症で偽低値になります。
医療現場では「低アルブミン=栄養不良」と短絡的に判断されがちですが、実際には脱水、肝機能、炎症の影響を同時に評価する必要があります。アルブミン単独評価は危険です。
厚労省の栄養管理指針では、複数指標の併用が推奨されています。アルブミンは補助指標として扱うのが基本です。
参考:栄養評価とアルブミンの限界に関する解説
https://www.mhlw.go.jp/
プレアルブミン(トランスサイレチン)は半減期が約2日と短く、急性の栄養変化を反映しやすい指標です。例えば1週間の摂取低下でも明確に低下するため、急性期評価に適しています。短期評価に向いています。
ただしプレアルブミンもCRPが5mg/dL以上の炎症状態では低下するため、単独評価では誤判定が起こります。ここで重要なのがCRPとのセット評価です。CRPと併用が基本です。
例えば「プレアルブミン低値+CRP高値」の場合は炎症影響、「プレアルブミン低値+CRP正常」の場合は栄養不良の可能性が高まります。これは臨床判断に直結します。
この組み合わせを意識するだけで、見逃しによる再入院や褥瘡悪化リスクを減らせます。評価精度が上がります。
総リンパ球数(TLC)は栄養状態と免疫機能の関連指標として使われます。1500/μL未満で軽度低栄養、800/μL未満で重度とされることが多いです。数値基準があります。
しかし高齢者では加齢による低下もあるため、単独では過大評価になる可能性があります。ここでBMIや体重減少率を組み合わせます。複合評価が重要です。
例えば「BMI18.5未満+6ヶ月で体重10%減少+TLC低値」の場合、明確な栄養不良と判断されます。これはNST介入の適応です。
あなたが見落としやすいのは「見た目が普通の患者」です。隠れ低栄養は多いです。
このリスクに対しては、定期的に体重推移を電子カルテで確認するだけで早期発見が可能です。確認が対策になります。
栄養不良では電解質や微量元素の異常も重要な手がかりになります。例えば低リン血症(2.5mg/dL未満)はリフィーディング症候群のリスクを示唆します。これは致命的です。
亜鉛は70μg/dL未満で欠乏とされ、味覚障害や創傷治癒遅延の原因になります。鉄、銅、セレンも見逃されやすいです。微量元素は盲点です。
特に長期入院患者では、見た目やアルブミンが正常でも亜鉛欠乏が30%以上で見られる報告があります。これは意外ですね。
このようなケースでは、原因不明の食欲低下や褥瘡遷延が続きます。原因が隠れています。
このリスクに対しては「原因不明症状→微量元素測定」を1回行うだけで診断精度が上がります。これだけ覚えておけばOKです。
栄養不良の見逃しは医療コストと直結します。例えば低栄養患者は入院期間が平均で約1.5倍、医療費は20〜30%増加するとされています。数字で見ると深刻です。
さらに退院時にアルブミンのみで評価した患者の約25%が、30日以内に再入院したという報告もあります。評価ミスの代償は大きいです。
ここで重要なのは「血液検査はスクリーニングでしかない」という認識です。過信は禁物です。
つまり身体所見、摂取量、体重変化を含めた総合評価が不可欠です。結論は統合評価です。
再入院リスクを減らす具体策としては「退院前にSGAまたはMNAを1回実施する」だけで大きく改善します。これは使えそうです。