分包とは 薬 一包化 調剤 服薬指導

分包とは何かを「薬」の現場目線で整理し、一包化・再分包・粉砕の判断や注意点、患者説明の要点まで具体例で解説します。安全性とアドヒアランスを両立するには何を押さえるべきでしょうか?

分包とは 薬

分包とは:薬の「1回分」を設計する作業
💊
分包=「量」だけでなく「安全」も包む

分包は服用回数・剤形・安定性・誤飲リスクまで含めて、患者が迷わず飲める形に整える工程です。

🧪
一包化・再分包・粉砕で論点が変わる

同じ「分包」でも、錠剤一包化なのか散剤分包なのか、PTPからの取り出しを伴うのかで、劣化・混入・誤投与のリスクが大きく変わります。

🛡️
現場の要は「可否判断」と「指導」

添付文書・インタビューフォーム・手引き等で安定性を確認し、患者背景に合わせて一包化や分割調剤も含め最適化します。

分包とは 薬 の基本:分包と一包化の違い


分包とは、内服薬を一定単位に分けて包むことで、実務では「1回量に合わせた分包」や「用法別の分包」など、患者の服薬行動に直結する形へ整える意味で使われます。
一包化は、錠剤・カプセル剤を「1回の服用時点ごと」にまとめて分包する取り扱いを指し、分包の中でも特にアドヒアランス改善のために用いられる概念です。千葉県薬剤師会・病院薬剤師会の手引きでも、一包化は「1回の服用時点ごとに分包」と明確化されています。
医療従事者が押さえたいのは、分包が「見た目を整える作業」ではなく、誤投与・誤飲・品質劣化を減らす“設計”である点です。例えば同じ服用時点でも処方内容が違う場合、分包紙の印字(氏名・服用時点・薬品名・日付など)を工夫する方法が、色ラインより確実とされています。


参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/hptf/26/0/26_16121/_pdf

また「散剤の中に錠剤を入れて一包化」は、錠剤の識別困難や、気づかず服用して咽頭につかえる危険があるため望ましくない、と手引きで注意されています。ここは現場で起こりがちな“手間の省略”が、そのままリスク上昇につながるポイントです。

分包とは 薬 の現場判断:吸湿性・遮光・ヒートシールと安定性

分包を検討する際、まず確認すべきは「PTPやヒートシールから取り出した後も品質が保てるか」です。手引きでは、PTPから取り出した後の安定性や吸湿性は添付文書・インタビューフォーム等で確認すること、そして光に不安定な薬剤を一包化した場合は遮光の工夫が必要と示されています。
吸湿性・潮解性などがある薬剤は、ヒートシール包装のまま調剤する方法が提案されており、やむを得ず一包化に組み込む場合は「ヒートのまま分包紙に貼付」などの対応が挙げられています。ここで重要なのは、包装を外さないこと自体が“品質保証”の一部になる点です。

さらに、ヒートシール開封後でも一定期間の安定性が確認できるなら一包化して分割調剤するが、保管方法を十分に指導すること、とされています。つまり「分包できるか」は“開封後安定性+患者の保管能力”の掛け算で判断します。

参考:一包化の考え方(ヒートシールのまま調剤/開封後安定性/遮光などの注意点)
千葉県薬剤師会・千葉県病院薬剤師会「調剤の手引き」(PDF)

分包とは 薬 のリスク:PTP 誤飲と一包化の安全性

分包(特に一包化)が注目される背景には、アドヒアランスだけでなく、PTP誤飲のような医療安全課題があります。日本薬剤師会の資料では、PTP包装を薬剤ごと飲み込むと喉や食道などを傷つけるおそれがあり、X線に写りにくく内視鏡で取り出す負担が大きいこと、切り離したPTPは角が鋭利になり穿孔のおそれがあることが示されています。
また、厚労省等の注意喚起として「不必要にハサミなどで1つずつに切り離さない」「患者・家族へ切り離さず保管し、押し出して薬剤のみ服用するよう指導」「端数でやむを得ず切り離す場合は誤飲がないよう十分指導」などが明記されています。ここは薬局・病棟どちらでも、調剤・与薬の手順に直結します。


一包化は、誤飲リスクの高い患者(高齢者、自己管理困難など)に対して、必要に応じて処方として検討する改善策としても位置づけられています。つまり一包化は「便利」だけではなく「事故予防策」として説明できると、チーム内合意や患者受容が進みます。


参考:PTP誤飲の事例、背景、医療機関・薬局への周知内容(切り離し注意/一包化検討)
日本薬剤師会「PTP包装シートの誤飲」(PDF)

分包とは 薬 の実務:粉砕・脱カプセル・簡易懸濁法の使い分け

分包の前段に「粉砕」や「脱カプセル」が入ると、品質・誤差・曝露リスクが一段上がります。手引きでは、嚥下困難や経管投与などで粉砕・脱カプセルを行う際、可否(徐放性、腸溶、フィルムコーティング、吸湿性、刺激性、味、臭い、毒性など)を検討し、粉砕後の安定性も添付文書・インタビューフォーム等で確認する、と整理されています。
また、粉砕後の安定性に問題がある薬剤は、分割調剤や簡易懸濁法の検討が示されています。簡易懸濁法は、服用直前までPTPのまま保管できるため、品質低下や損失、薬剤曝露、調剤過誤等のリスクを下げられ、薬剤確認も容易になるとされています。

ここで“意外と見落としやすい現場の盲点”は、粉砕や分包は「患者のため」だけでなく「調剤者の曝露リスク」を増やす点です。手引きにも、粉砕時の薬剤曝露(吸い込みなど)に注意と明記されており、工程変更にはPPEや作業環境の再点検が必要になります。

分包とは 薬 の独自視点:分包紙の印字と色ラインを「ヒューマンエラー対策」として設計する

検索上位では「分包=一包化で便利」という語り口が多い一方、医療安全の観点では“分包紙の情報設計”が主戦場になります。手引きでは、色ラインは施設ごとに異なり途中変更が服用誤りにつながる恐れがあること、そして「患者氏名・服用時点・医薬品名・日付などを印字する方法がより確実」とされています。つまり分包紙は単なる包装ではなく、識別情報を実装するメディアです。
現場で起きる典型的なエラーは、「同一時点で錠数が違う」「頓服が混ざる」「自己調節薬(下剤・睡眠導入剤など)が一包化に紛れる」など、患者の“運用”に依存する部分です。手引きでも、自己調節の可能性がある薬剤は一包化しないことが望ましい例として挙げられ、単剤を別包で分包して貼付する等の対応が示されています。

医療従事者向けの実装アイデアとしては、次のように「印字」と「運用ルール」を一体で設計すると効果的です。


  • 🧾 印字は「朝・昼・夕・就寝前」を必ず固定語で表示し、略語を混在させない(施設内で辞書化)。
  • 🧷 自己調節薬は「別包」+「注意文言」を同じ位置に印字し、貼付する場合も貼付位置を統一する。​
  • 🔍 鑑査では「薬剤識別コード・色・形」で行うとされているため、印字だけに頼らず“識別の冗長性”を確保する。​

この発想は、分包を「作業」ではなく「システム(ヒト+モノ+情報)」として扱うことに近く、チーム医療の中で薬剤師が価値を出しやすい領域です。




プラセパックPow 介護用偽薬 粉タイプ 1袋30包入り