あなた保存療法選ぶと再脱臼率80%超です
ヒルサックス損傷は、前方脱臼時に上腕骨頭後外側が圧迫されて生じる骨欠損です。軽度であれば保存療法が選択されることが多く、三角巾固定やリハビリで対応します。
ここで重要なのは「欠損率」です。一般的に骨頭の20%未満であれば保存療法が検討されます。つまり数値評価が鍵です。
しかし、20%を超えると再脱臼率は急激に上昇します。実際、若年スポーツ患者では保存療法で約70〜80%が再脱臼するという報告もあります。厳しいところですね。
再発リスクが高い症例で保存療法を続けると、結果的に手術が複雑化します。これは時間的損失です。
手術適応は単純な欠損率だけではありません。「オン・トラック/オフ・トラック」の概念が重要です。これは関節窩との相互関係で脱臼リスクを評価する方法です。
オフトラック病変は不安定性が高いです。結論はここです。
代表的な術式には以下があります。
・Remplissage術(腱固定)
・骨移植術(Latarjetなど)
・Bankart修復術との併用
例えばRemplissageは、後方関節包と棘下筋を欠損部に固定します。これにより関節内への陥入を防ぎます。これは使えそうです。
ただし外旋制限が生じる場合があります。可動域とのトレードオフです。
診断にはX線だけでは不十分です。CTによる3D評価が推奨されます。骨欠損の立体的把握が可能です。ここが重要です。
特に「PICO法」や「best-fit circle法」で欠損率を定量化します。数値で判断することが基本です。
MRIは軟部組織の評価に有用です。Bankart損傷の合併確認に役立ちます。つまり併発評価です。
見逃しが多いのが軽度症例です。X線では約30%が検出されないとも言われます。意外ですね。
画像精度を上げることで、不要な保存療法を回避できます。これは大きなメリットです。
保存療法でも手術後でもリハビリは不可欠です。段階的な負荷管理が重要です。ここが基本です。
一般的な目安は以下です。
・固定期間:2〜3週間
・可動域訓練:4週以降
・スポーツ復帰:3〜6ヶ月
ただし早期復帰は再脱臼リスクを高めます。これは注意です。
特に外旋+外転のポジションは危険です。脱臼肢位です。
復帰判断では筋力だけでなく「恐怖感」も評価します。心理的要因も無視できません。
臨床で多いミスは「若年者に保存療法を選ぶこと」です。特に10代〜20代では再発率が高いです。ここが落とし穴です。
もう一つは「欠損率だけで判断すること」です。オン・オフトラック評価を省略すると適応を誤ります。つまり不完全評価です。
さらに初回脱臼を軽視するケースです。初回でも重度欠損は存在します。油断は禁物です。
このリスク回避のためには、初回からCT評価を行うことが有効です。目的は誤診防止です。選択肢は3D-CT撮影です。
結果として再手術や長期離脱を防げます。これは大きいですね。
参考:骨欠損評価やオン・トラック概念の詳細解説
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/shoulder_dislocation.html