抜釘を「小手術だから術後すぐに通常業務へ戻れる」と説明すると、患者が重労働へ復帰してプレート除去部位に再骨折を起こすリスクがあります。
高位脛骨骨切り術(HTO)では、脛骨を矯正した状態を維持するためにプレートとスクリューで骨を固定します。骨癒合が完成した後も、このインプラントが体内に残存すると皮下への突出による違和感や、インプラント周囲の骨脆弱化、遅発性感染のリスクが生じます。 medicalconsulting.co(https://medicalconsulting.co.jp/2023/08/17/after-material-removal-surgery/)
抜釘手術の適応は「骨癒合が画像上で確認できていること」が絶対条件です。 一般的には術後12ヶ月前後が目安とされており、AR-EXでは「通常1〜2年後に抜去手術(抜釘術)をおすすめしています」と明示しています。 つまり骨癒合の確認なしに時期だけで判断するのは原則NGです。 ar-ex(https://ar-ex.jp/surgery/surgery-187/)
適応判断のチェックポイントをまとめると以下のとおりです。
インプラントを留置したままにするデメリットは少なくありません。内固定材料周囲の骨脆弱化による転倒時骨折リスク、遅発性感染の併発、そして可動域制限の残存などが挙げられます。 患者に「プレートは一生入れておけばよい」と誤解させないことが重要です。 medicalconsulting.co(https://medicalconsulting.co.jp/2023/08/17/after-material-removal-surgery/)
HTO後の抜釘に際しては、プレートが大型なため切開創が比較的大きくなります。川田整形外科では「HTOでは9泊10日を原則として入院」と案内しており、抜糸後1日間の経過観察が標準プロトコルになっています。 短い手術だからと侮らないことが肝心です。 kawada-seikei(https://www.kawada-seikei.com/2ndlook)
兵庫医科大学病院のクリニカルパスでは「骨切り術後抜釘術」として独立したパスが組まれており、推定入院期間・手術前日・手術当日・術後管理が明文化されています。 クリニカルパスの活用は医療の標準化と安全確保に直結します。 hosp.hyo-med.ac(https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/activity/clinical_pathway/pdf/21033-00.pdf)
周術期に特に注意すべき管理項目は以下のとおりです。
ashiya-central-hospital(https://www.ashiya-central-hospital.jp/wp-content/uploads/2019/03/7d629305e257086a7a87727f53022433.pdf)
naruoseikei(https://naruoseikei.com/blog/2025/03/implant-remove.html)
スクリューが骨と強固に癒合している場合、抜釘困難となることは決して稀ではありません。これが原因でネジが術中に折損した場合、周囲骨を一部切除して対応します。 患者へのインフォームドコンセントでは必ずこの可能性を伝えておく必要があります。 ashiya-central-hospital(https://www.ashiya-central-hospital.jp/wp-content/uploads/2019/03/7d629305e257086a7a87727f53022433.pdf)
特に見落とされやすいのが「抜釘後の再骨折リスク」です。プレートが留置されていた期間中、プレート周囲の骨は力学的応力を免除されていた部分があります。抜釘によって突然その部位に生理的荷重が集中するため、大腿骨や前腕など骨折しやすい部位では抜釘後の再骨折が知られています。 これは骨リモデリングが完了する前に過度な負荷をかけた場合に起きやすいです。 naruoseikei(https://naruoseikei.com/blog/2025/03/implant-remove.html)
神経障害に関しても注意が必要です。腓骨神経は脛骨近位部の外側走行しているため、HTO後の抜釘操作でのリトラクターや剥離操作によって牽引損傷が生じるリスクがあります。術後に足背のしびれや背屈筋力低下がある場合は、神経障害を疑って経過観察を行います。
術後合併症への対応をまとめると以下のとおりです。
| 合併症 | 発症タイミング | 主な対処法 |
|---|---|---|
| 創部感染 | 術後2〜7日 | 創洗浄・抗菌薬投与、ドレーン留置検討 |
| 腓骨神経損傷 | 術直後〜数日 | 神経回復待機・装具による足関節管理 |
| 再骨折 | 術後数週〜数ヶ月 | 荷重制限・ギプス固定・再手術検討 |
| 抜釘困難(スクリュー折損) | 術中 | 周囲骨の一部切除・インプラント残置の判断 |
| 深部静脈血栓症 | 術後1〜3日 | 弾性ストッキング・抗凝固療法 |
合併症が重篤になる前に対処するには、術後1日目から毎日の観察記録が鍵です。看護師・理学療法士との連携を密にすることで早期発見率が上がります。
抜釘手術後の荷重開始については「術後翌日から歩ける」という認識が一般的です。事務職であれば数日後から仕事復帰が可能ですが、重労働では創が治癒するまで休業させるのが無難な判断です。 復帰基準は職種によって大きく異なります。 medicalconsulting.co(https://medicalconsulting.co.jp/2023/08/17/after-material-removal-surgery/)
術後リハビリの主な流れは以下のとおりです。
荷重開始の目安は「疼痛がないこと」「創部の浸出液がないこと」「X線上で骨に問題がないこと」の3点が条件です。これが条件です。患者が「抜いたからもう大丈夫」と過信して早期に激しい運動を再開するリスクがあるため、医療従事者側からの明確な制限説明が求められます。
医療従事者として患者に伝えるべき長期成績のポイントは次の3点です。
HTOの長期成績については、日本膝骨切り術研究会(kneeosteotomy.org)が症例データを蓄積・公開しており、手術のタイミングや年齢分布など詳細な情報が参照できます。
骨切り術の適応・タイミング・長期成績に関する詳細な臨床知見については、下記の参考リンクが有用です。
手術のタイミングや患者適応、1000例超のデータに基づく年齢分布など、実臨床で活用できる情報が網羅されています。
抜釘後の機能評価や矯正角度(FTA)の変化に関するエビデンスが確認できます。
抜釘術全般の必要性・メリット・デメリット・最新研究が整理されており、患者説明資料の作成にも役立ちます。
なるお整形外科:抜釘は本当に必要?メリット・デメリットと最新研究を徹底解説
| 観察時期 | 確認内容 |
| ------- | --------------------------------- |
| 術後3か月 | X線での仮骨形成状況・松葉杖離脱の可否 |
| 術後6か月 | 全荷重移行の判断・筋力回復度 |
| 術後1年 | 関節症進行の有無・患者満足度の評価 |
| 術後4〜6か月 | 内固定材(スクリュー・ピン)抜釘の検討 www7a.biglobe |