あなたがいつもの感覚で選ぶと年間100万円単位で患者さんの負担を増やすことがあります。

IL-23はp19とp40から成るヘテロダイマーで、p40はIL-12にも含まれるため、p40を叩くとIL-12経路まで抑制してしまうことになります。 hinohifuka(https://hinohifuka.com/illness/psoriasis/774/)
具体的には、ウステキヌマブ(ステラーラ)はIL-12/23p40阻害薬、グセルクマブ(トレムフィア)、リサンキズマブ(スキリージ)、チルドラキズマブ(イルミア)がp19選択的IL-23阻害薬として整理できます。 sugamo-sengoku-hifu(https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/tremfya.html)
p19選択的製剤は、Th17経路をよりピンポイントに抑えつつ、IL-12依存の感染防御への影響を理論的に抑えられる可能性がある点が特徴です。 pure.teikyo(https://pure.teikyo.jp/ja/publications/%E4%B9%BE%E7%99%AC%E4%B9%BE%E7%99%AC%E6%80%A7%E9%96%A2%E7%AF%80%E7%82%8E%E3%81%AE%E7%97%85%E6%85%8B%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8Bil-23%E3%81%AE%E5%BD%B9%E5%89%B2/)
つまりp19かp40かが、長期併用時の免疫抑制の「広さ」を左右するということですね。
日本でIL-23関連薬として実臨床でよく話題に上るのは、ステラーラ(ウステキヌマブ)、トレムフィア(グセルクマブ)、イルミア(チルドラキズマブ)、スキリージ(リサンキズマブ)の4剤です。 oogaki.or(https://oogaki.or.jp/hifuka/medicines/risankizumab/)
皮膚科領域では、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬などに対してIL-23阻害薬が選択肢になっており、日本皮膚科学会の生物学的製剤関連のお知らせでもIL-23阻害薬が明記されています。 dermatol.or(https://www.dermatol.or.jp/medical/biologics/14444/)
一方で、消化器領域ではリサンキズマブやグセルクマブがクローン病や潰瘍性大腸炎での適応拡大・検討の文脈で取り上げられ、同じ「スキリージ」でも皮膚科外来とIBD外来で見ている世界が異なるのが現状です。 note(https://note.com/medknowledge_ai/n/nf1dc370858a2)
乾癬性関節炎に限ると、日本リウマチ学会の「乾癬性関節炎に対するIL-12/23阻害薬およびIL-23阻害薬使用の手引き」で、ウステキヌマブ、グセルクマブ、リサンキズマブの位置づけが明確に示されています。 spondyloarthritis(http://www.spondyloarthritis.jp/guideline/guideline_3.html)
結論は、同じIL-23阻害薬 一覧でも診療科ごとに「見えているラインナップ」が違うということです。
この部分で、各薬剤の適応とガイドライン上の位置づけを整理する際に参考になる公式手引きとして、日本リウマチ学会の乾癬性関節炎に対するIL-12/23阻害薬およびIL-23阻害薬使用の手引きがあります。
乾癬性関節炎に対するIL-12/23阻害薬およびIL-23阻害薬使用の手引き(日本リウマチ学会)
IL-23阻害薬の特徴として、投与間隔が比較的長く設定されている点は、外来運用のうえで大きなメリットです。 ryumachi-jp(https://www.ryumachi-jp.com/publish/guide/guide_il12-23_23_psa/)
例えば、グセルクマブやリサンキズマブでは、初期投与後は8〜12週ごとの維持投与が一般的で、これは1年間に4〜6回の注射で済むイメージになります。 sugamo-sengoku-hifu(https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/tremfya.html)
乾癬領域の長期成績では、IL-23阻害薬でPASI100維持率が60〜80%という報告があり、症状がほぼ完全に消えた状態を長期間維持できる患者が半数を超えるという、従来と比較してインパクトの大きい数字です。 note(https://note.com/medknowledge_ai/n/nf1dc370858a2)
10人の中等度〜重度乾癬患者のうち6〜8人が「ほぼ皮疹なし」で生活できるとイメージすると、そのQOLインパクトの大きさが伝わりやすいでしょう。 note(https://note.com/medknowledge_ai/n/nf1dc370858a2)
つまり長期寛解を目指す治療戦略では、IL-23阻害薬はスケジュール面と成績面の両方で有力候補ということです。
安全性の観点では、IL-23阻害薬はTNF阻害薬と比較して重篤感染症リスクがやや低いとする報告もあり、特に高齢乾癬患者では選択理由になり得ます。 hinohifuka(https://hinohifuka.com/illness/psoriasis/774/)
ただし、p40を叩くウステキヌマブではIL-12経路も抑制されるため、p19選択薬と同列に「より安全」と単純化しない方がよく、結核スクリーニングやB型肝炎の再活性化リスク評価など、生物学的製剤共通のモニタリングは依然として必須です。 ryumachi-jp(https://www.ryumachi-jp.com/publish/guide/guide_il12-23_23_psa/)
実臨床では、IL-23阻害薬導入患者の多くが免疫抑制剤やステロイドの既往を持っており、累積免疫抑制負荷をどう評価するかが鍵になります。 oogaki.or(https://oogaki.or.jp/hifuka/medicines/risankizumab/)
そこで、電子カルテ上で生物学的製剤・JAK阻害薬・ステロイドの累積投与歴を一画面で可視化するようなテンプレートやダッシュボードを作成しておくと、安全性確認が習慣化しやすくなります。 oogaki.or(https://oogaki.or.jp/hifuka/medicines/risankizumab/)
安全性評価では、IL-23阻害薬固有の特徴と、生物学的製剤全体としての共通リスクの両方を見ることが基本です。
この安全性とモニタリングに関する実務的なポイントを深める際には、日本皮膚科学会の生物学的製剤に関するお知らせが参考になります。
皮膚科領域における生物学的製剤使用に関する日本皮膚科学会からのお知らせ
近年のトピックとして、注射製剤ではなく経口でIL-23受容体をブロックする新規薬剤の開発が進んでいます。 note(https://note.com/medknowledge_ai/n/nf1dc370858a2)
icotrokinraは環状ペプチドとしてIL-23受容体を経口で阻害する初の薬剤とされ、FRONTIER試験では100mg 1日2回投与群でPASI75達成率79%、PASI100達成率40%という結果が報告されています。 note(https://note.com/medknowledge_ai/n/nf1dc370858a2)
この数字は、生物学的製剤レベルの効果を「錠剤で」得られる可能性を示しており、注射への抵抗感が強い患者や、注射自己管理が難しい生活背景の患者にとっては治療選択肢を一変させかねないインパクトです。 note(https://note.com/medknowledge_ai/n/nf1dc370858a2)
今後、既存IL-23阻害注射製剤との直接比較試験や、費用対効果評価が進めば、「まず経口IL-23受容体拮抗薬で導入し、必要に応じて注射へステップアップ」という運用も検討されるかもしれません。 note(https://note.com/medknowledge_ai/n/nf1dc370858a2)
つまり将来的には、「IL-23をどのルートで叩くか」を含めた一覧表を頭に置いておく必要が出てくるということです。
このような新規経口IL-23受容体拮抗薬について詳しく知りたい場合は、皮膚科学領域のレビューがまとまっているSkin Therapy Letterの解説が役立ちます。
Oral IL-23 receptor antagonist icotrokinra in psoriasis(Skin Therapy Letter)
医療従事者として、今の外来患者層で「誰ならIL-23阻害薬のベネフィットが最大化できそうか」を、まず一人だけ具体的に思い浮かべてみませんか。