医療保険制度種類表で見る加入対象と給付内容の違い

医療保険制度には被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度の3種類があり、それぞれ保険料の計算方法や給付内容が大きく異なります。あなたはどの制度に加入すべきなのでしょうか?

医療保険制度種類表

自営業者も傷病手当金をもらえると思っていませんか?


医療保険制度の3つの種類
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被用者保険

会社員・公務員とその扶養家族が対象。健康保険組合、協会けんぽ、共済組合が運営し、傷病手当金など手厚い給付がある

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国民健康保険

自営業者・フリーランス・退職者が対象。市町村が運営し、傷病手当金・出産手当金は原則なし

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後期高齢者医療制度

75歳以上の全員が対象。都道府県単位の広域連合が運営し、自己負担割合は所得に応じて1~3割


医療保険制度の種類と保険者の一覧表


日本の医療保険制度は、運営主体である保険者によって大きく3つに分類されます。被用者保険は会社などに勤めている人が加入し、健康保険組合、全国健康保険協会(協会けんぽ)、共済組合の3つの保険者が運営しています。国民健康保険は地域保険とも呼ばれ、農家やフリーランス、非正規雇用者、会社を退職した人などが加入する制度です。後期高齢者医療制度は75歳以上を全員対象とします。 med.or(https://www.med.or.jp/people/info/kaifo/system/)


保険者とは医療保険制度の運営主体を指し、被保険者(患者)から保険料を徴収し保険給付などの医療保険事業を行う組織です。つまり保険者が変われば制度が変わるということですね。 jga.gr(https://www.jga.gr.jp/jgapedia/column/292909.html)


以下の表で各制度の保険者と加入対象者を整理できます。


| 制度の種類 | 保険者(運営主体) | 加入対象者 |
|-----------|------------------|-----------|
| 被用者保険 | 健康保険組合 | 大企業の従業員とその扶養家族 |
| 被用者保険 | 全国健康保険協会(協会けんぽ) | 中小企業の従業員とその扶養家族 |
| 被用者保険 | 共済組合 | 公務員・教職員等とその扶養家族 |
| 被用者保険 | 船員保険 | 船員 |
| 国民健康保険 | 市町村・国民健康保険組合 | 被用者保険に加入していない自営業者・フリーランス・退職者など |
| 後期高齢者医療制度 | 都道府県単位の広域連合 | 75歳以上の全員(一定の障害がある65歳以上も含む) |


医療保険制度の種類別保険料計算方法の違い

被用者保険と国民健康保険では、保険料の計算方法が大きく異なります。被用者保険は給与に応じた標準報酬月額で保険料が決定され、従業員と事業主が半額ずつ負担する労使折半の仕組みです。一方、国民健康保険は世帯の加入人数、年齢、収入などで決定され、自治体によって計算方法が異なります。国民健康保険では全額自己負担となるため、被用者保険と比べて保険料の負担感が大きくなる傾向があります。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/54599/)


被用者保険には扶養の仕組みがあり、扶養者が増えても保険料は変わりません。これは配偶者や子どもを扶養に入れても追加の保険料負担が発生しないということですね。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/54599/)


国民健康保険には扶養の概念がなく、世帯の加入者が増えると保険料が増える仕組みになっています。例えば自営業者の世帯で家族3人が加入する場合、3人分の保険料を計算して世帯主が全額負担することになります。 biz.moneyforward(https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/54599/)


後期高齢者医療制度の保険料は、所得に応じた所得割額と被保険者全員が負担する均等割額の合計で計算され、原則として年金から天引きされます。退職して国民健康保険に加入すると、保険料が大幅に増えることも珍しくありません。


医療保険制度の種類による給付内容の比較表

以下の表で給付内容の違いを確認できます。


| 給付項目 | 被用者保険 | 国民健康保険 |
|---------|-----------|-------------|
| 医療費の自己負担 | 原則3割 | 原則3割 |
| 高額療養費制度 | あり | あり |
| 傷病手当金 | あり(日額で標準報酬月額の約3分の2) | 原則なし |
| 出産手当金 | あり | 原則なし |
| 出産育児一時金 | あり | あり |


医療従事者として患者の保険種類を確認する際、この給付内容の違いを理解していると、患者の経済的負担を考慮した療養指導ができます。


医療保険制度の自己負担割合と年齢別の違い

医療機関を受診した際の自己負担割合は、年齢によって異なります。義務教育就学前の子どもは2割、義務教育就学後から69歳までは原則3割、70歳以上は所得に応じて1~3割の負担となります。後期高齢者医療制度に加入する75歳以上の方も、所得に応じて1~3割の自己負担割合が適用されます。この仕組みは、医療費が高額になりやすい高齢者の負担を軽減するために設けられています。 jp-life.japanpost(https://www.jp-life.japanpost.jp/column/hoken/medical-hoken-pros-cons.html)


原則3割負担が基本です。


高額な医療費がかかった場合には、高額療養費制度を利用できます。高額療養費制度とは、自己負担額が一定額を超えた場合に、その超過分が支給される制度です。自己負担限度額は年齢や所得区分によって異なり、例えば70歳未満で年収約370万円~約770万円の場合、自己負担限度額は月額約8万円程度となります。 jp-life.japanpost(https://www.jp-life.japanpost.jp/column/hoken/medical-hoken-pros-cons.html)


公的医療保険制度のみでも手厚い保障を受けることは可能ですが、通院にかかる交通費や保険適用外の診療費などには対応できません。差額ベッド代や先進医療の技術料など、公的医療保険でカバーできない費用も存在します。 jp-life.japanpost(https://www.jp-life.japanpost.jp/column/hoken/medical-hoken-pros-cons.html)


医療保険制度の種類を理解して患者指導に活かす方法

医療従事者として患者の保険種類を把握することは、適切な療養指導につながります。被用者保険に加入している患者が病気やケガで長期間働けなくなった場合、傷病手当金を申請できることを伝えることが重要です。医療機関は傷病手当金の申請書類のうち「療養担当者の意見書」欄を記載する必要があり、患者から依頼があれば対応できる体制を整えておくことが求められます。


国民健康保険に加入している患者には、傷病手当金がないことを前提に療養計画を立てる必要があります。収入減少のリスクが高いということですね。


民間の医療保険への加入状況も確認すると、より細やかな経済的支援の情報提供ができます。高額療養費制度や限度額適用認定証の活用方法を説明することで、患者の医療費負担を軽減できます。


保険証の記号・番号から保険者を特定し、どの医療保険制度に加入しているかを把握することも可能です。医療費の請求や診療報酬の審査・支払は、被用者保険の場合は社会保険診療報酬支払基金に、市町村国保の場合は各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)に委託されています。 stories.jmdc.co(https://stories.jmdc.co.jp/blog/2310-1)


患者の就労状況や家族構成を考慮しながら、保険制度の特性に応じた療養指導を行うことが、医療従事者に求められる実践的なスキルといえます。厚生労働省が公開する各保険者の比較資料を参考にすると、より詳細な制度理解が深まります。


厚生労働省:図表3-1-4 各保険者の比較(公的医療保険)


この資料には各保険者の被保険者数や財政状況など、医療保険制度の全体像を把握するための統計データが掲載されており、制度理解の参考資料として活用できます。






住民と自治 特集1第67回自治体学校 in 東京から/特集2 危機に立つ公的医療保険制度(2025年10月号)