甘草を含む漢方薬一覧と含有量と副作用

医療用で甘草を含む漢方薬を「含有量別」に整理し、偽アルドステロン症などのリスクと服薬指導の要点まで一気に確認できる記事です。重複処方や市販薬も含めた“見落としポイント”まで押さえられていますか?

甘草を含む漢方薬一覧

甘草を含む漢方薬を扱うときの要点
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一覧は「含有量」で見る

甘草(グリチルリチン)のリスクは“甘草入りかどうか”だけでなく、処方ごとの甘草量・抽出されやすさまで含めて評価すると臨床で迷いが減ります。特に芍薬甘草湯など高含有処方は優先的に確認します。

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偽アルドステロン症を最短で拾う

高血圧、浮腫、低K症状(脱力・こむら返り増悪など)を「甘草の副作用」として結びつけ、早期に中止・相談につなげる導線を作るのが重要です。

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“意外な落とし穴”は併用

漢方を2剤以上(医療用+市販薬を含む)で併用すると甘草が重複しやすく、気づかないまま総量が増えます。患者申告に頼らず、薬歴・問診で具体的に製品名を確認します。

甘草を含む漢方薬一覧の含有量と識別番号(医療用)


医療従事者向けに「甘草を含む漢方薬一覧」を作るとき、最初に揃えたいのは“処方名”だけでなく“1日あたりの甘草量”です。甘草は医療用・一般用を問わず頻用され、含有量が多いほど偽アルドステロン症(低カリウム血症、浮腫、高血圧など)を見落としにくくする必要があるためです。特に外来では「どれに入っているか」より「どれだけ入っているか」が指導内容を左右します。


以下は、公開されている表データに基づく“例”として、臨床で遭遇しやすい代表処方を抜粋し、含有量帯ごとに並べ替えたものです(全処方を網羅する場合は、同じ形式で追記していく運用が扱いやすいです)。含有量は資料の表記に準拠し、同一処方でもメーカー差・剤形差がある点は別途IF等で確認します。


✅ 含有量が多い(注意喚起を強めたい)

甘草量(g/日) 識別番号 漢方製剤名 臨床メモ
6.0 68 芍薬甘草湯 短期で効かせやすい一方、甘草高含有で低Kや浮腫に注意。
5.0 72 甘麦大棗湯 鎮静・不眠等で使われることがあり、長期化で重複に注意。
3.0 19 小青竜湯 アレルギー・鼻症状で処方されやすく、市販薬でも遭遇。

(出典:漢方薬表データ) https://pha.medicalonline.jp/img/cat_desc/MPa_table3.html
✅ 中等量(併用で総量が増えやすい)

甘草量(g/日) 識別番号 漢方製剤名 臨床メモ
2.5 14 半夏瀉心湯 消化器で継続処方になりやすく、総量評価が重要。
2.0 1 葛根湯 “かぜ”で短期でも、他剤併用で重複しやすい。
2.0 9 小柴胡湯 長期投与になり得る領域で、定期的な症状確認が必要。
2.0 114 柴苓湯 内科で使われやすく、複数診療科での重複に注意。

(出典:漢方薬表データ) https://pha.medicalonline.jp/img/cat_desc/MPa_table3.html
✅ 少量でも「数で増える」ゾーン(重複チェックが主役)

甘草量(g/日) 識別番号 漢方製剤名 臨床メモ
1.5 24 加味逍遙散 継続例が多く、他の漢方・市販薬との合算が盲点。
1.5 54 抑肝散 高齢者で使われることがあり、低Kや血圧変動を拾う。
1.0 43 六君子湯 胃部不快で継続しやすい。複数処方の“足し算”に注意。

(出典:漢方薬表データ) https://pha.medicalonline.jp/img/cat_desc/MPa_table3.html
このように「甘草を含む漢方薬一覧」を含有量で分けておくと、薬歴を見た瞬間に“重点的に聞くべき患者”が浮かびます。例えば、芍薬甘草湯(6.0g/日)に加えて、かぜの自己治療で葛根湯(2.0g/日)を買い足していた、という構図は現場で起きやすい典型です。


甘草を含む漢方薬一覧で注意する偽アルドステロン症と低カリウム

甘草の代表的な安全性テーマは、偽アルドステロン症(pseudoaldosteronism)です。原因の中心は甘草の主成分グリチルリチンで、体内で代謝されて生理活性を示す過程で、腎尿細管でのステロイド代謝酵素(11β-HSD2)阻害を介し、ナトリウム貯留・カリウム喪失を引き起こしやすくなると説明されています。結果として、浮腫、高血圧、低カリウム血症、筋力低下、ミオパチー、重い場合は横紋筋融解などが問題になります。


ここで重要なのは、患者の訴えが「むくんできた」「最近血圧が上がる」「足がつる」など非特異的で、しかも“元の症状”と混ざりやすい点です。たとえば、こむら返りで芍薬甘草湯を使っている患者が、低カリウム血症でさらに筋症状を自覚し、「効かなくなった」と受け取るケースもあり得ます。医療従事者側が“症状の方向性”として、副作用の可能性を常に差し込む必要があります。


【意外に見落とされるポイント】

  • 「甘草は漢方薬の約7割に配合される繁用生薬」という前提があるため、単剤で安全に見えても“総量”が増えやすい(医療用148処方のうち70%以上に甘草が含まれるという報告もあります)。
  • 添付文書の注意喚起は「甘草量」だけで語られがちですが、実際には“抽出されやすさ(グリチルリチン量)”がリスク評価の解像度を上げます。

参考:甘草と偽アルドステロン症の機序・安全使用(医療従事者向けの解説)
甘草配合処方と偽アルドステロン症(機序、グリチルリチン量、pH影響、JADER解析の考え方)

甘草を含む漢方薬一覧の服薬指導とモニタリング(高齢者・長期)

「甘草を含む漢方薬一覧」を記事にする目的が医療従事者の実務支援であるなら、一覧の次に置くべきは“何を聞き、何を観察するか”のテンプレ化です。特に高齢者・長期投与・複数処方は、甘草関連有害事象の温床になりやすく、診察間隔が空くほど発見が遅れます。


服薬指導での実用フレーズ(例)

  • 「むくみ(靴下の跡)」「血圧上昇」「体重増加」を、次回来院までのセルフチェック項目として渡す。
  • 「足がつる」は“効能のターゲット”にも“副作用のサイン”にもなり得るので、変化(回数・強さ・時間帯)で聞き分ける。
  • 併用薬(利尿薬、下剤、ステロイド等)がある場合は、低K方向に傾きやすい前提で、より早いタイミングで採血や症状確認を提案する(施設ルールに沿って実施)。

モニタリングの現場Tips

  • 検査値だけでなく「いつから」「何が増えたか(漢方の追加、市販薬の追加、飲み方変更)」を時系列で押さえる。
  • 甘草の副作用を疑ったら、患者に“漢方は自然だから安全”という前提があることを見越して、責めずに「体質に合わない反応が出ることがある」と説明する方が中止判断につながりやすい。

甘草を含む漢方薬一覧の独自視点:五味子と抽出効率(pH)

検索上位の一般的な「甘草を含む漢方薬一覧」記事では、“甘草量=リスク”で単純化されがちです。けれど、臨床での安全性の肌感に近づけるなら、「同じ甘草量でもグリチルリチン(GL)としてどれだけ抽出されるか」が一段深い視点になります。


研究報告では、甘草配合処方の多くで「甘草配合量とGL含量は概ね比例」する一方で、小青竜湯はその相関を大きく下回り、その理由として五味子が煎じ液のpHを低下させ、GLの抽出効率を下げた可能性が示されています。さらに、GL抽出効率はpHと相関し、pHが低い条件ではGLが抽出されにくい(酸性条件で低下)というデータが示されています。つまり、処方構成が“甘草成分の実質量”を動かし得る、ということです。


この視点を記事に入れるメリットは2つあります。1つ目は、単なる丸暗記の一覧から、患者ごとの安全性評価(処方の意図・構成・総量)へ読者の思考を誘導できることです。2つ目は、患者が複数の漢方を併用しているときに、「甘草量の足し算」だけでなく“処方の性格”も含めて説明しやすくなることです(ただし実務ではまず総量チェックが最優先で、抽出効率は次の視点として扱うのが安全です)。


参考:甘草配合処方のGL含量、pH、五味子の影響(医療従事者向けの詳細)
甘草配合処方のグリチルリチン含量とpH・五味子の関係(小青竜湯が例外になり得る理由)

甘草を含む漢方薬一覧の重複リスク:市販薬と医療用の併用

最後に、一覧記事の価値を一段上げるのが「現場で起きる重複パターン」を具体化することです。医療用漢方薬を処方していても、患者はドラッグストアで“かぜ薬”“鼻炎対策”“胃腸対策”として漢方製剤を追加購入することがあります。ここに甘草が含まれていると、本人の自覚がないまま総量が上がります。


重複が起きやすい典型例

  • こむら返り:芍薬甘草湯(医療用)+ かぜ症状で葛根湯(市販)
  • 鼻炎・花粉症:小青竜湯(医療用/市販)+ のど・咳で別の漢方(市販)
  • 胃腸:六君子湯(医療用)+ 胃もたれ対策の漢方(市販)

薬剤部・外来での実装アイデア

  • 問診票に「漢方薬・生薬・のど飴(甘草配合の可能性)」のチェック欄を作り、製品名を記入してもらう。
  • 電子カルテ/薬歴で「甘草」タグを持つ処方が複数になったらアラート(院内ルールに合わせて)を出す。
  • 生活指導の一言として「市販の漢方を追加する前に一度相談」を定型化する(患者の行動を変えやすい)。

「甘草を含む漢方薬一覧」は、単なる羅列で終わらせず、こうした重複の“起こり方”まで書くことで、読者(医療従事者)が明日からの確認行動に移しやすくなります。




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