オピオイド換算表見方 力価 換算比 経口 注射

オピオイド換算表の見方を、力価・換算比・投与経路の違いから整理し、スイッチング時の落とし穴やレスキュー設定まで臨床で迷いやすい点を具体例で解説しますが、どこでつまずいていますか?

オピオイド換算表 見方

オピオイド換算表を「安全に読む」ための全体像
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まずは基準(何換算か)を固定

多くは「経口モルヒネ換算(OME)」を基準に並べます。換算表ごとに基準と前提(投与経路、製剤、施設ルール)が違うため、最初にそこを確認します。[国立がん研究センター中央病院の換算表]を例に読み解きます。

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換算は「同等鎮痛」ではなく「目安」

換算比は文献や施設方針で幅があり、個人差も大きいので、計算結果は出発点です。特にスイッチングでは過量・不足の両リスクがあるため、タイトレーション前提で使います。

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間違いが起きやすいのは「単位」と「経路」

mg/day、μg/hr、mg/回など単位が混在します。貼付剤は「1日量」ではなく「放出速度」表記が多く、注射は持続量とレスキューの設計が別物なので、見落としがちです。

オピオイド換算表見方 換算比 経口 の読み方

オピオイド換算表の中心は、たいてい「経口モルヒネ換算(OME)」を基準に、各薬剤の1日投与量を並べて“だいたい同じ鎮痛強度”になる目安を示す点にあります。国立がん研究センター中央病院の「オピオイド製剤換算表」では、経口モルヒネ60mg/day、経口オキシコドン40mg/day、経口ヒドロモルフォン12mg/day、タペンタドール200mg/day、トラマドール300mg/dayが同列の「等換算の目安」として示されています。
この並びを「60(モルヒネ)=40(オキシコドン)=12(ヒドロモルフォン)…」という“同一行のセット”として把握すると、換算表がかなり読みやすくなります。
一方で、換算表には「換算比」も併記されることがあり、そこが混乱ポイントになります。たとえば同資料では、MSコンチン等(経口モルヒネ)とオキシコンチン等(経口オキシコドン)の換算比が「2/3」と示され、モルヒネを基準にオキシコドンが相対的に少量で同程度を狙う設計になっていることが読み取れます。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/6f0b2e9222b8ac503adfa44972b69728e31a8698

同じく、ナルサス(ヒドロモルフォン徐放)に「1/5」、タペンタ(タペンタドール)に「3.33」など、施設内の目安が示されており、ここは「薬剤名の列と、どの基準に対する比なのか」をセットで確認しないと誤読しやすいです。

実務上のコツは、「最初に“いま患者が使っている薬剤・経路・1日量”を、換算表の行に当てはめて基準OMEを確定」→「次に目的薬剤の列に移動」→「最後に“減量して開始するか”を別途判断」という3段階に分けることです。換算表自体は“計算器”ではありますが、投与設計(開始量、増量幅、観察項目)は別レイヤーで管理しないと安全性が落ちます。

オピオイド換算表見方 注射 1/100 の落とし穴

注射の換算は、経口よりも“効き方の立ち上がり”と“過量時の危険性”が大きいので、換算表の数字をそのまま鵜呑みにしない姿勢が重要です。国立がん研究センター中央病院の換算表では、フェンタニル注が「1/100」と表記され、同じ表の中でモルヒネ注・オキファスト注が「1/2」として並びます。
この「1/100」は直感的に強烈ですが、ここで起こりがちな誤りは、(1) mgとμgの換算ミス、(2) “1日量”と“持続注の時間量”の取り違え、(3) そもそも同じ土俵(同じ定義の等価)で比較していないのに機械的に当てはめる、の3つです。
同資料には、持続注の処方例として、フェンタニル2.5mg/50mL(50μg/mL)を原液で用い、ベース0.2mL/h(0.24mg/day)から開始する例が具体的に示されています。

この記載は「換算表の値を、実際のポンプ設定(mL/h)へ落とすとどうなるか」が見える貴重な部分で、換算表の“数字”と投与設計の“現場の単位”を接続してくれます。

さらに、注射ではレスキュー(早送り、ボーラス)の考え方が別物です。国立がん研究センター中央病院の資料では、注射レスキューを「1時間量を早送り、10~20分ごとに追加可」とし、呼吸数低下時の設定変更の例まで具体的に示しています。

換算表を読むときは「定期(ベース)」と「突出痛・増悪時(レスキュー)」を同じ欄の数字で処理しない、と決めるだけで事故リスクが下がります。

オピオイド換算表見方 貼付剤 μg/hr の読み方

貼付剤(フェンタニル貼付など)は、換算表の“表記の思想”が経口・注射と違うため、ここが最頻のつまずきポイントです。国立がん研究センター中央病院の換算表には、デュロテップMTパッチ(3日タイプ)など貼付剤の項目があり、「投与量 (mg/day ただし貼付剤を除く)」とわざわざ断り書きが入っています。
つまり貼付剤は多くの場合「mg/day」ではなく「1日放出量」や「μg/hr」で管理され、同資料でも「1日放出量(μg/hr)」として50→100→200…のように段階が示されています。
貼付剤の見方で重要なのは、「貼った瞬間に同等量が体内に入るわけではない」という時間軸です。国立がん研究センター中央病院の資料には、貼付剤へ切り替える際のタイムチャートがあり、貼付前後で経口薬をどう減量・中止するか(例:剥離12時間後に経口・座薬・注射を開始など)が示されています。

換算表の“換算比”だけを見て貼付剤へ置換すると、導入直後の不足(痛みのぶり返し)と、時間が経ってからの過量(眠気・呼吸抑制)の両方が起こり得るので、切替時刻と併用期間をセットで読む必要があります。

臨床で役立つ小技として、貼付剤では「切替日だけは“定期”の設計に加えて、レスキューの使い方説明を厚めにする」ことが多いです。患者・家族は「薬を変えた=痛みがすぐ消える」と理解しやすい一方、貼付剤は立ち上がりのラグがあり、そのギャップが不安と追加内服の過量につながるためです。

オピオイド換算表見方 レスキュー 計算 の基本

換算表の見方を一段引き上げるコツは、「定期投与量を換算して終わり」ではなく、「レスキューを再設計する」までを1セットにすることです。国立がん研究センター中央病院の換算表では、経口モルヒネ系レスキューが「定期モルヒネの10~20%」で、30分ごとに追加可と明記されています。
同様に、オキノーム(オキシコドン速放)は「定期オキシコドンの1/8~1/4」、ナルラピド(ヒドロモルフォン速放)は「定期ヒドロモルフォンの1/6~1/4」など、薬剤ごとの目安が並び、追加間隔もそれぞれ示されています。
ここでの実務的な注意点は、「レスキューの“回数”が多い=レスキューを強くする、ではない」ことです。国立がん研究センター中央病院の資料でも、突出痛が頻回であれば定期増量検討(例:ROO処方前の適応確認チェックに“1日4回未満”など)といった考え方が示されています。

レスキューを強くし続けると、痛みの波を追いかける形になり、眠気・便秘・せん妄などの副作用が遅れて積み上がるため、「レスキューの消費量=次の定期設計の材料」として見るのが安全です。

また、聖隷三方原病院のガイドでは「徐放性オピオイドをレスキューとして使用してはならない」と明確に注意喚起しています。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/ade50b883ba975f39d7dc11bfa0dbcfd7be7df97

換算表の見方というより“運用ルール”ですが、現場ではこのルール違反が起こりやすく、結果的に「換算表の数字は合っているのに患者が危険な状態になる」典型パターンになります。

オピオイド換算表見方 施設差 換算比 の独自視点

検索上位の多くは「換算係数」や「代表的な等価量」を示しますが、実務で意外と効く独自視点は、「同じ薬剤でも“施設の換算ルール”が存在し、それが添付文書の表現と一致しないことがある」と最初から明言することです。聖隷三方原病院の等価換算表では、オキシコドン注について添付文書の記載に触れたうえで、当院では「オキシコドン注10mg=モルヒネ注10mgの1:1換算を基本」とする、と施設方針を明確に示しています。
同じページでトラマドールも、添付文書上の目安に触れつつ安全性を重視して「トラマール300mg=モルヒネ30mgの10:1換算を基本」とし、少なめになることを前提に調整する姿勢が書かれています。
さらに、ナルサス⇔ナルベインの換算は「経口⇒注射と、注射⇒経口で換算比が同じではない」とされ、具体的にナルサス⇒ナルベインは5分の1、逆は2.5(~4)倍と記載されています。

このような“非対称な換算”は、換算表を単なる比例計算として扱っていると見落としやすく、スイッチングで過量・不足を招く要因になります。

したがって、医療従事者向けの記事としての結論はシンプルです。「換算表の見方=数字を読む技術」だけでなく、「その表の出典(施設・学会・添付文書)と、どの前提で安全側に寄せているかを読む技術」まで含めると、チーム内のコミュニケーションコストが下がります。

とくに転院・転棟・在宅移行の局面では、同じ“換算表”という言葉でも前提が違うことがあり、ここを言語化しておくと、申し送りでのズレを減らせます。

参考:換算表(経口・注射・貼付・レスキュー、切替時のタイムチャート、注射導入例)の根拠として有用
国立がん研究センター中央病院 オピオイド製剤換算表(PDF)
参考:添付文書の表現と施設方針の違い、レスキュー計算表、経路別レスキューの注意(徐放剤をレスキューにしない等)が有用
聖隷三方原病院 症状緩和ガイド オピオイドの等価換算表