ロキソニンテープ(ロキソプロフェンナトリウム水和物)は、痛みや炎症を抑える優れた効果を持つ外用薬ですが、適切な使用量を守らないと重篤な副作用を引き起こす可能性があります。特に大量に貼付することで、皮膚からの薬物吸収量が増加し、内服薬と同様の全身性副作用が発現する危険性が高まります。
研究データによると、高齢者(65歳以上)では副作用発現率が3.7%と、65歳未満の1.7%と比較して有意に高く、主に貼付部の皮膚症状が多く報告されています。医療現場においても、湿布の過度な使用による重篤な合併症例が散見されており、医療従事者の適切な指導が重要な課題となっています。
ロキソニンテープを過度に使用した場合、最も頻繁に現れる副作用は皮膚関連の症状です。臨床データによると、接触性皮膚炎、紅斑、皮疹、そう痒症がそれぞれ3.3%の頻度で発現しています。
主な皮膚症状
皮膚の弱い方やアレルギー体質の方は、特に注意が必要です。汗をかいた状態や湿った皮膚に貼付すると、薬物の吸収が促進され、皮膚症状のリスクが高まります。入浴前には必ずテープを剥がし、入浴後は汗が引いてから新しいものを貼り直すことが推奨されています。
一般的に外用薬は内服薬と比較して全身への影響が少ないとされていますが、ロキソニンテープを大量に使用すると、皮膚からの薬物吸収により全身性の副作用が発現する可能性があります。
消化器系の副作用
ロキソニンテープの貼りすぎにより、胃不快感(0.5~1%未満)、上腹部痛、下痢・軟便(0.5%未満)といった消化器症状が報告されています。これは皮膚から吸収されたロキソプロフェンが血液中を循環し、胃粘膜に影響を与えるためです。実際に湿布の過度な使用により消化性潰瘍を発症した症