先発医薬品を希望した患者への説明を「変更なし」で続けると、2026年6月以降はクレームや混乱を招く可能性があります。
2024年10月1日から、後発医薬品(ジェネリック)が存在する先発医薬品(長期収載品)を患者が希望した場合、通常の保険自己負担とは別に「特別の料金」がかかる制度がスタートしました。 これが「長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養」です。 note(https://note.com/zaitaku_pharma/n/n1288a9609651)
制度開始当初、特別の料金の計算方法は「先発医薬品と後発医薬品の最高薬価との差額の1/4相当」でした。 たとえば先発品が1錠100円、後発品が1錠60円であれば差額40円の1/4=10円が追加負担となります。 hp1.corteai(https://hp1.corteai.jp/column/pharmacy-sentei-ryoyo-impact/)
つまり保険の自己負担(1〜3割)に加えて、この10円が上乗せされる仕組みです。 少額に見えますが、毎月複数の薬を継続処方される患者には積み重なります。 chiba-iinkaigyo(https://chiba-iinkaigyo.com/news/choki-syusaihin-futan-minaoshi/)
医療従事者が注意すべきは、この制度が「患者の希望」を前提にしている点です。 医師や薬剤師が医療上の必要性を認めて先発品を選択した場合は、特別の料金は発生しません。 pharmacist.m3(https://pharmacist.m3.com/column/shingi-chuo/5145)
最大の変更点はここです。 2026年6月1日から、特別の料金の計算が「差額の1/4」から「差額の1/2」へ引き上げられます。 先ほどの例(差額40円)で言えば、追加負担は10円から20円へと倍増します。 oktapharm(https://oktapharm.blog/sentei-ryoyou-2026-changes/)
なぜ引き上げられるのでしょうか? 背景には、制度開始(2024年10月)以降もジェネリックへの切り替えが十分に進まず、医療費抑制の効果が想定を下回っているという政策判断があります。 中医協(中央社会保険医療協議会)では2025年12月の議論で「1/2以上」への改定が方向性として示されていました。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=OpKEtBwf0MM)
厳しいところですね。 患者への説明なしに負担が倍増すると、窓口での摩擦が生じます。
医療機関・薬局にとって実務的に重要なのは「6月1日以降の処方・調剤分から適用」という点です。 5月中に処方された薬を6月に調剤する場合の扱いなど、現場での判断が必要になります。処方日・調剤日のどちらを基準にするかについては、厚労省の通知を必ず確認してください。 smile-ph.co(https://www.smile-ph.co.jp/senpatsu-iyakuhin-sentei-ryoyo-2026/)
【千葉de医院開業】厚労省:2026年6月から長期収載品の選定療養の患者負担1/2への見直し詳細、窓口案内チラシも掲載
負担額の変更だけではありません。 2026年4月の薬価改定に合わせて、選定療養の対象品目リスト自体も更新されています。 chiba-iinkaigyo(https://chiba-iinkaigyo.com/news/2026-april-kaitei-list/)
変更の概要は以下の通りです。
| 項目 | 2025年度(旧) | 2026年4月(新) |
|---|---|---|
| 対象品目総数 | 1,006品目 | 776品目 |
| 新規追加品目 | — | 38品目 |
| 対象外となった品目 | — | 264品目 |
nagano-hok(https://nagano-hok.com/shaho/18501.html)
品目数が大幅に減っている理由は、後発医薬品の供給不安定や品目整理による薬価の見直しです。 後発品が安定供給されていない先発品は対象から外れるケースがあります。 nagano-hok(https://nagano-hok.com/shaho/18501.html)
これは現場にとって重要な情報です。 以前は選定療養の対象だった薬が、2026年4月以降は通常の保険適用に戻っている可能性があります。 古いリストのまま患者説明を続けると、誤った請求や説明ミスにつながります。
対策としては、厚労省が公表している最新の対象品目リスト(PDF)を定期的に確認する習慣をつけることが基本です。 調剤システムのマスタ更新も4月・6月の各タイミングで確実に行う必要があります。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260309S0090.pdf)
【長野社労士ブログ】2026年4月1日からの長期収載品に係る選定療養の対象医薬品の変更点まとめ
「先発品を調剤したら必ず選定療養費がかかる」と思い込んでいませんか? それは誤りです。
以下のケースでは、患者が先発品を受け取っても選定療養の特別の料金は発生しません。 hp1.corteai(https://hp1.corteai.jp/column/pharmacy-sentei-ryoyo-impact/)
「医療上の必要性」の範囲が鍵です。 たとえば後発品では対応できない剤形・適応症がある場合、患者が後発品でアレルギー反応を起こした既往がある場合なども該当します。
ただし「患者が後発品を嫌がっている」だけでは医療上の必要性に当たりません。 この線引きを曖昧にすると、不適切な算定として後から指摘されるリスクがあります。 pharmacist.m3(https://pharmacist.m3.com/column/shingi-chuo/5145)
薬剤師が判断する場合は、その理由を調剤録に記載しておくことが現場での自衛策になります。 記録が条件です。
制度の変更内容は理解できた。 では現場でどう説明するか、という問題が残ります。
2026年6月の負担倍増に際して見落とされがちなポイントがあります。 それは「患者が選定療養費の存在自体を知らない」という現状です。 制度開始から1年以上経過した2025年時点でも、選定療養を理解していない患者が多いという声が現場から上がっています。 note(https://note.com/zaitaku_pharma/n/n1288a9609651)
「薬が高くなった」という認識のまま受け取っている患者に、6月以降さらに負担が増えると、一気に不満が噴出するケースが想定されます。 痛いですね。
医療従事者として取るべき行動は、事前の能動的な情報提供です。 具体的には下記の3点を患者に伝えることで、窓口トラブルを大幅に減らせます。
厚労省はすでに窓口掲示用のポスターや案内チラシを公表しています。 これを6月前に設置するだけで、患者からの「聞いていない」というクレームを減らすことができます。 chiba-iinkaigyo(https://chiba-iinkaigyo.com/news/choki-syusaihin-futan-minaoshi/)
また、ジェネリックへの変更を検討する患者には、お薬手帳アプリ(EPARKお薬手帳など)を活用して薬の切り替え管理をすすめると、継続サポートにつながります。 これは使えそうです。
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【オクタファームブログ】2026年版・長期収載品の選定療養の変更点と令和8年度の負担額を徹底解説
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【中古】ジェネリック医薬品ポケットマニュアル 先発医薬品と比較できる ’06-’07/メディカルレビュ-社/緒方宏泰(単行本)