てんかん薬物療法は「まず単剤で開始し、少量から漸増、無効なら診断や服薬状況を再確認して次薬へ」という流れが基本です。
新規発症の部分てんかんでは、第一選択薬にカルバマゼピン、ラモトリギン、レベチラセタムが挙げられ、次いでゾニサミド、トピラマートが推奨されます。
第二選択薬として、ラコサミド、ペランパネルなども推奨薬に含まれます。
医療従事者向けに「新規抗てんかん薬一覧」を作るときは、単に“新しい薬の羅列”ではなく、ガイドラインの推奨(第一選択か、第二選択か)と、単剤/併用の可否を同じ行で見せると、処方設計のスピードが上がります。
参考)https://hcp.ucbcares.jp/epilepsy/disease-info/guideline/cq3-2
例えば、同じ“新規抗てんかん薬”に見えても、国内承認が「他剤との併用」中心の薬がある点は実務上の差になります(ガイドライン解説内で、併用として認可されている薬剤が示されています)。
参考:推奨薬(第一選択・第二選択)と用量調整の考え方、作用機序・副作用一覧(表)がまとまっている
https://hcp.ucbcares.jp/epilepsy/disease-info/guideline/cq3-2
レベチラセタムはSV2Aに結合して抗てんかん作用を示すとされ、焦点発作では単剤使用も可能で、アレルギー反応が少ないため目標量開始が可能と説明されています。
一方で、不機嫌・イライラ・眠気などの精神神経系の副作用が出ることがあるため、家族からの情報(易怒性、攻撃性、睡眠の変化など)を具体的に拾うと安全性が上がります。
ラモトリギンは全般発作にも焦点発作にも有効性を示す一方、注意すべき副作用として皮膚症状を主体とするアレルギー反応が挙げられ、バルプロ酸併用時は特にゆっくり増量する必要があるとされています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/4d5f0e681c34e15fa90b0e7f18f63b5c15f92edc
また「気分に対してよい方向に作用することが多い」「情緒/行動の問題を併存する小児てんかんに有用」という記載は、他薬の“精神症状”が問題になった症例での切替候補を考える際に意外と役立つ視点です。
臨床での実装としては、レベチラセタムで精神症状が出たときに「減量→中止」だけで終わらず、ラモトリギンのように行動面での利点が期待される薬へ“副作用プロファイルで切り替える”発想をチームで共有しておくと、紹介・再診時の判断が揃います。
参考:2007年以降の新しい抗てんかん薬の特徴(作用機序・副作用・小児での注意点)が簡潔にまとまっている
https://www.childneuro.jp/general/6555/
ラコサミドは焦点発作に対して単剤でも使用でき、ナトリウムチャネルに作用する点は同系統薬と共通しつつ「カルバマゼピンやラモトリギンとは異なる機序」と説明されています。
アレルギー反応がほとんどみられず、情緒/行動への影響もないことから小児にも安全に使用できる、という整理は、外来で「皮疹が怖い」「行動面が不安」という相談に対して説得力のある説明になります。
ペランパネルはAMPA型グルタミン酸受容体を介して作用し、半減期が長く1日1回内服という特徴があります。
一方で、イライラ・めまい・眠気が多いこと、さらにカルバマゼピンやフェニトイン併用で血中濃度が著しく低下する点が注意として挙げられています。
「新規抗てんかん薬は相互作用が少ない」と言われがちですが、ラモトリギンやペランパネルなどはカルバマゼピン/フェニトイン併用で血中濃度が低下する、と明記されています。
参考)https://shizuokamind.hosp.go.jp/epilepsy-info/question/faq6-3/
この“相互作用で濃度が落ちる”情報は、現場では「効かない=薬が弱い」と誤認されて増量が早まるリスクに直結します。
増量前に併用薬(特に酵素誘導薬)を棚卸しして、血中濃度低下の可能性を疑う、というチェック項目を新規抗てんかん薬一覧に併記すると実務で機能します。
参考:新規抗てんかん薬の相互作用(血中濃度低下の具体例)が短くまとまっている
https://shizuokamind.hosp.go.jp/epilepsy-info/question/faq6-3/
ブリーバラセタムはレベチラセタムとよく似た作用を持ちつつ、より特異的に作用することで副作用の軽減が期待できる、と説明されています。
成人の焦点てんかん(部分てんかん)を対象に2024年8月末に販売開始となり、併用だけでなく単剤でも使用可能で、静脈注射用製剤もある点が実務上のポイントです。
さらに、2025年7月までは投与日数が14日までに制限される、という運用上の制限が明記されており、入院導入・退院処方の設計に影響します。
「新規抗てんかん薬一覧」の中でブリーバラセタムを強調する価値は、“8年ぶりの新薬”といった話題性より、SV2A系の選択肢が増えることで「レベチラセタムで精神症状が出た患者の代替」を検討しやすくなる点にあります。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/a6375cc27697568824d39b10f3cfb04eca6a5c10
また静注製剤があることは、経口困難時のブリッジとして現場で効いてくるため、救急・周術期の導線を持つ施設ほど一覧に追記する意味が大きいでしょう。
参考:最近発売になった抗てんかん薬(ブリーバラセタムの位置づけ、剤形、投与日数制限)が確認できる
https://shizuokamind.hosp.go.jp/epilepsy-info/question/faq5-5/
フェンフルラミンはセロトニン受容体などに作用する抗てんかん薬で、もともと“やせ薬として開発された経緯”がある、と説明されています。
ドラベ症候群に対して2022年11月に、レノックス・ガストー症候群に対して2024年3月に、いずれも2歳以上を対象に承認された、と記載されています。
副作用として食欲低下・下痢・嘔吐などの消化器症状に加え、眠気やいらいらが挙げられ、さらに極めて稀に心臓弁膜症や肺高血圧症の恐れがあるため、概ね6か月ごとに循環器専門医の診察と検査が必要とされています。
ここが“検索上位の一覧記事”では薄くなりがちな独自視点ですが、フェンフルラミンは薬剤選択というより「処方後のフォロー設計」が主役になりやすい薬です。
つまり、薬局・看護外来・小児科外来が連携して、循環器フォロー(半年ごとの受診・検査)を“うっかり抜け”にしない運用を作れるかで、安全性が大きく変わります。
「新規抗てんかん薬一覧」に、適応や作用機序だけでなく“必須フォロー項目(心血管モニタリング)”を✅で明示しておくと、引き継ぎ時に事故が減ります。