ウルソデオキシコール酸において最も注意すべき副作用は間質性肺炎です。この副作用は頻度不明とされていますが、1998年の厚生労働省の安全性情報では、年間約280万人の使用者のうち3例の間質性肺炎が報告されました。
間質性肺炎の主な症状は以下の通りです。
症例報告の特徴。
これらの症状が現れた場合には、直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置が必要です。
消化器系副作用はウルソデオキシコール酸で最も頻繁に見られる副作用です。
頻度1-5%未満。
頻度0.1-1%未満。
疾患別の特徴。
下痢は用量依存性であり、高用量投与ほど発現頻度が高くなる傾向があります。
皮膚症状や過敏症反応も注意すべき副作用の一つです。
頻度0.1-1%未満。
頻度0.1%未満。
疾患別発現パターン。
これらの皮膚症状は一般的に軽微ですが、多形滲出性紅斑などの重篤な皮膚症状の場合は投与中止を検討する必要があります。
ウルソデオキシコール酸は肝疾患治療薬でありながら、肝機能検査値の異常を示すことがあります。
肝機能関連副作用(頻度0.1-1%未満)。
血液系副作用(頻度0.1%未満)。
その他の全身症状。
近年の研究では、ウルソデオキシコール酸がシスチンの取り込みを阻害し、グルタチオンの合成を障害することが報告されており、これが肝機能への影響の一因と考えられています。
ウルソデオキシコール酸には特定の禁忌事項と慎重投与が必要な病態があります。
絶対禁忌 ⛔。
慎重投与が必要な病態。
妊娠中の投与。
薬物相互作用。
用量調整の重要性。
研究によると、28mg/kg/dayの高用量では原発性硬化性胆管炎において死亡率が2倍以上に増加し、肝移植適応となる症例が増加したため、北米での臨床試験が中止された事例があります。
厚生労働省の医薬品安全性情報:ウルソデオキシコール酸の間質性肺炎に関する詳細な症例報告と対策
Cochrane Reviews:ウルソデオキシコール酸の原発性胆汁性肝硬変に対する効果と安全性に関する系統的レビュー