TNF阻害薬で効果不十分だった患者さんにIL-17阻害薬を投与しても、効果が低くなることがあります。
IL-17は乾癬の皮膚症状形成において最終段階で深く関与するタンパク質です。炎症反応の最も下流に位置するため、IL-17阻害薬は効果の発現が速く、皮疹を強力に抑える特徴があります。 sugamo-sengoku-hifu(https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/cosentyx.html)
IL-17阻害薬の皮膚症状に対する有効性は、TNF阻害薬を上回ることが複数の比較試験で示されています。実際の臨床試験では、投与28週後のPASI90改善率が85.2%から89.5%と高い数値を記録しました。PASI90とは、乾癬の重症度スコアが90%以上改善した状態を指します。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18888/hi.0000004306)
現在、日本で使用可能なIL-17阻害薬には主に4つの選択肢があります。セクキヌマブ(コセンティクス)は、2015年に国内で初めて承認されたIL-17A抗体です。IL-17Aに特異的に結合し、その働きを抑制します。 kansen(https://kansen.skin/pharmaceutical/brodalumab.html)
イキセキズマブもIL-17Aを標的とする完全ヒト化モノクローナル抗体です。一方、ブロダルマブ(ルミセフ)はIL-17受容体であるIL-17RAをブロックする点で異なります。IL-17A、IL-17A/F、IL-17C、IL-17E、IL-17Fが受容体に結合するのを阻害できるのが特徴です。 hinohifuka(https://hinohifuka.com/illness/psoriasis/774/)
ビメキズマブ(ビンゼレックス)は、IL-17AとIL-17Fの両方を選択的かつ直接的に阻害する日本初の薬剤として2022年に承認されました。PASI100達成率が40%前後と高い皮疹消失効果を示しています。つまり、完全に皮疹が消える患者さんが多いということですね。 ucbjapan(https://www.ucbjapan.com/sites/default/files/2022-01/%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E6%89%BF%E8%AA%8D_JP-N-BK-PSO-2200004_3.pdf)
各薬剤の投与スケジュールには違いがあり、治療導入期のローディング量や投与間隔も異なります。患者さんの生活スタイルや通院頻度の希望を考慮した薬剤選択が重要です。 radionikkei(https://www.radionikkei.jp/maruho_hifuka/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-220418.pdf)
IL-17阻害薬は尋常性乾癬、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)、膿疱性乾癬の治療に用いられます。皮膚症状への有効性では、IL-17A阻害薬とIL-23阻害薬がTNF阻害薬を上回る結果が報告されています。 rheumatology-biboroku.blogspot(https://rheumatology-biboroku.blogspot.com/2018/01/imidnovel-therapy.html)
投与4週後という早期の段階で、PASI90改善率が36.7%から76.5%に達したとする報告もあります。これは薬剤の種類によって差があるということです。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.18888/hi.0000004306)
関節症状については、エビデンスが高いのはTNF阻害薬、次いでIL-17阻害薬とされています。乾癬性関節炎に対してIL-17阻害薬は従来の治療法と比較して高い有効性を示すことが明らかになっています。 academia.carenet(https://academia.carenet.com/share/news/1e5e28c8-4518-4dba-b4da-a92375003025)
乾癬発症から早期にIL-17阻害薬による治療を開始することで、治療中止後も長期間の寛解維持が可能になる可能性が示されています。早期介入が長期予後に影響するというデータは、治療戦略を考える上で重要な情報です。 academia.carenet(https://academia.carenet.com/share/news/9dae6164-9924-4aeb-97e0-cdfa3f041ca4)
IL-17は皮膚、肺、腸管上皮などで細胞外寄生性細菌や真菌に対する感染防御に関与しているため、IL-17阻害薬は真菌感染症のリスクを上昇させます。特にカンジダ症などの表在性真菌症の発症リスクが増加することが報告されています。 credentials(https://credentials.jp/2020-02/special-2002/)
IL-17阻害薬に特徴的な副作用として、好中球減少および真菌感染症があげられます。経過中に好中球数減少があらわれることがあるため、定期的な血液検査による観察が必要です。これは必須の検査項目ですね。 dermatol.or(https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/news/J20160314_sekukinumabu.pdf)
paradoxical reactionと呼ばれる現象も報告されています。IL-17阻害薬を含む生物学的製剤の投与により、通常は有効であるはずの乾癬の皮疹が増悪または新規に出現するケースです。出現時には皮膚科などの当該診療科と連携して治療方針を検討する必要があります。 ryumachi-jp(https://www.ryumachi-jp.com/publish/guide/guide_il-17_psa_as_nr-axspa/)
真菌感染のリスクを最小限にするため、投与前に真菌感染の既往歴や現在の感染徴候を確認することが推奨されます。患者さんには口腔内カンジダ症の初期症状(白い付着物、痛み)などを説明し、異変があればすぐに報告するよう指導することが大切です。
TNF阻害薬で効果が不十分だった患者や反応がなくなった患者では、IL-17AおよびIL-12/23阻害剤の効果が低いという研究結果があります。これは治療選択を考える上で重要な情報です。 showa-u-rheum(http://showa-u-rheum.com/2022/12/4829/)
IL-17阻害薬、IL-23阻害薬、TNF阻害薬といった免疫学的標的の違いにより、治療選択肢が大幅に拡大しています。皮疹の改善を最優先する場合は、炎症反応の最下流を標的とするIL-17阻害薬が第一選択となることが多いです。 webview.isho(https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.15105/ViD.0000000106)
日本では約43万人の乾癬患者がおり、ある調査では約30%が現在の治療では主要治療目標が達成されていないと報告されています。患者の3人に1人は満足できていないということですね。 ucbjapan(https://www.ucbjapan.com/sites/default/files/2022-01/%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%BC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E6%89%BF%E8%AA%8D_JP-N-BK-PSO-2200004_3.pdf)
IL-17阻害薬およびIL-23阻害薬は、安全性に関するデータが蓄積されたことから、届け出制に変更されました。これにより、より多くの医療機関で使用可能になっています。 dermatol.or(https://www.dermatol.or.jp/modules/news/index.php?content_id=1390)
患者さんごとに皮膚症状の重症度、関節症状の有無、真菌感染のリスク要因、通院頻度の希望などを総合的に評価することが重要です。ビメキズマブは既存治療で効果不十分だった症例でも鋭い効果を出すことが知られており、難治例での選択肢として期待されています。 hinohifuka(https://hinohifuka.com/illness/psoriasis/774/)
乾癬治療における生物学的製剤の安全性と有効性については、日本皮膚科学会や日本脊椎関節炎学会などが使用の手引きを公開しています。
乾癬性関節炎、強直性脊椎炎に対するIL-17阻害薬使用の手引きでは、適応判断や投与スケジュール、副作用管理について詳細なガイダンスが示されています。
治療開始後は定期的な効果判定と副作用モニタリングを行い、必要に応じて薬剤の変更や用量調整を検討します。患者さんとの十分なコミュニケーションを通じて、治療目標を共有し、長期的な疾患管理を目指すことが求められます。