安静時の基準をクリアしても途中中止になることがあります。
日本リハビリテーション医学会が公表している「リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン」では、患者の状態に応じた3つの中止基準が明確に定められています。 nextsteps(https://nextsteps.jp/houmonreha/post/rehabilitation-discontinuation/)
第一のパターンは「積極的なリハビリを実施しない場合」で、安静時脈拍が40/分以下または120/分以上、安静時収縮期血圧が70mmHg以下または200mmHg以上、安静時拡張期血圧が120mmHg以上のいずれかに該当する場合です。労作性狭心症を有する患者も、この基準に含まれます。これは開始前の判断基準です。 jarm.or(https://www.jarm.or.jp/nii/iinkai/sinryo-guide/risk-manage_GL_draft.pdf)
第二のパターンは「途中でリハビリを中止する場合」で、中等度以上の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛、強い疲労感などの自覚症状が出現した場合や、脈拍が140/分を超えた場合、運動時収縮期血圧が40mmHg以上または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した場合などが該当します。頻呼吸(30回/分以上)、運動により不整脈が増加した場合、徐脈が出現した場合、意識状態の悪化がみられた場合も即座に中止します。 co-medical.mynavi(https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/career/useful/14973/)
第三のパターンは「いったん中止し、回復を待って再開する場合」で、脈拍が運動前の30%を超えた場合(ただし2分間の安静で10%以下に戻らない時は中止または極めて軽い活動に切り替え)、脈拍が120/分を超えた場合、1分間に10回以上の期外収縮が出現した場合、軽い動悸や息切れが出現した場合が含まれます。つまり様子見るということですね。 physioapproach(https://physioapproach.com/anderson-criteria.html)
日本リハビリテーション医学会の中止基準ガイドライン(PDF)
中止基準の詳細な数値と判断フローが記載されている権威性のある一次資料です。
リハビリを積極的に実施しない判断をする際、安静時のバイタルサイン測定が最初の重要なステップとなります。 jarm.or(https://www.jarm.or.jp/nii/iinkai/sinryo-guide/risk-manage_GL_draft.pdf)
脈拍に関しては、40/分以下の徐脈または120/分以上の頻脈が認められた場合、リハビリの実施を見送る必要があります。これは心臓への負荷リスクが高い状態を示しています。 next-stage.localinfo(https://next-stage.localinfo.jp/posts/56359638/)
収縮期血圧については、70mmHg以下の低血圧または200mmHg以上の高血圧が基準値です。拡張期血圧では120mmHg以上が中止ラインとなります。これらの数値を超える場合、運動負荷により循環動態がさらに不安定になる可能性があるため、リハビリの開始を控えます。 brain-lab(https://brain-lab.net/evidence/for-patient/upper-limb/cancellation-criteria/)
労作性狭心症の診断を受けている患者については、安静時のバイタルサインが基準内であっても、運動負荷により狭心症発作が誘発されるリスクが高いため、積極的なリハビリは実施しません。これが原則です。 co-medical.mynavi(https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/career/useful/14973/)
リハビリ実施中に患者から訴えられる自覚症状は、バイタルサインの数値変化よりも先に危険信号として現れることが多くあります。 nextsteps(https://nextsteps.jp/houmonreha/post/rehabilitation-discontinuation/)
中等度以上の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛、強い疲労感などが出現した場合は、たとえ脈拍や血圧が基準値内であっても、その時点でリハビリを中止する必要があります。これらの症状は、身体が運動負荷に耐えられない状態を示す重要なサインです。どういうことでしょうか? lts-seminar(https://lts-seminar.jp/2022/04/29/ohtsuka-348/)
自覚症状を訴える患者の言葉を軽視せず、「少し様子を見ましょう」と継続するのではなく、即座に運動を中止して安静にすることが医療従事者の責任となります。患者自身が「大丈夫です」と言っても、症状の程度を客観的に評価し、中等度以上と判断される場合は中止の判断を優先します。中止が基本です。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=36361)
リハビリ実施中のバイタルサイン変動には、明確な数値基準が設定されており、これを超えた場合は運動を中止する必要があります。 co-medical.mynavi(https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/career/useful/14973/)
脈拍に関しては、リハビリ中に140/分を超えた場合、即座に中止します。また、運動により不整脈が増加した場合や、徐脈が出現した場合も中止の対象となります。これらは心臓への過負荷や不整脈リスクの増大を意味します。 brain-lab(https://brain-lab.net/evidence/for-patient/upper-limb/cancellation-criteria/)
血圧変動については、運動時に収縮期血圧が40mmHg以上上昇した場合、または拡張期血圧が20mmHg以上上昇した場合が中止基準です。例えば、運動前の収縮期血圧が140mmHgだった患者が、リハビリ中に180mmHgを超えた場合は中止が必要ということになります。つまり変動幅が重要です。 igaku-shoin.co(https://www.igaku-shoin.co.jp/paperplus/archive/y2022/recreha_02)
呼吸状態では、頻呼吸(30回/分以上)や息切れが出現した場合も中止のサインです。これは酸素需要と供給のバランスが崩れている状態を示しています。 lts-seminar(https://lts-seminar.jp/2022/04/29/ohtsuka-348/)
意識状態の悪化が認められた場合も、直ちに運動を中止し、安全確保と医師への報告が必要です。これは必須です。 brain-lab(https://brain-lab.net/evidence/for-patient/upper-limb/cancellation-criteria/)
「いったん中止し、回復を待って再開する場合」の基準は、完全中止ではなく、患者の状態を観察しながら再開の可能性を探る段階です。 physioapproach(https://physioapproach.com/anderson-criteria.html)
脈拍が運動前の30%を超えた場合、まず2分間の安静をとらせます。この安静後に脈拍が運動前の10%以下に戻れば、極めて軽い活動への切り替えで再開できる可能性があります。しかし10%以下に戻らない場合は、その日のリハビリは中止するか、負荷を大幅に軽減する必要があります。 nextsteps(https://nextsteps.jp/houmonreha/post/rehabilitation-discontinuation/)
脈拍が120/分を超えた場合、1分間に10回以上の期外収縮が出現した場合、軽い動悸や息切れが出現した場合も、この一時中止の対象となります。これらの症状が安静により改善すれば、負荷量を調整した上での再開を検討できます。 physioapproach(https://physioapproach.com/anderson-criteria.html)
再開する際は、運動強度を下げる、時間を短縮する、動作をゆっくり行うなど、患者の回復状態に応じた調整が不可欠です。同じ強度で再開すると、再び同じ症状が出現するリスクが高いため、慎重な判断が求められます。厳しいところですね。 almediaweb(https://www.almediaweb.jp/motorsystem/exercise-therapy/part3/02.html)
中止基準は数値として明確に示されていますが、実際の臨床現場では運用上の課題が存在します。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=36361)
まず、高齢者は体調や症状の日内変動・日差変動が大きいため、リハビリ前だけでなく、実施中・実施後にも継続的な状態観察が必要です。朝は問題なくても、午後になると血圧が上昇する患者や、前日は安定していても当日は不調を訴える患者もいます。これは使えそうです。 almediaweb(https://www.almediaweb.jp/motorsystem/exercise-therapy/part3/02.html)
喀痰量が多い場合、点滴や蓄尿バッグのトラブルがあった場合、倦怠感の訴えがある場合なども、ガイドラインの数値基準には明記されていないものの、中止を検討すべき状況として認識する必要があります。これらは患者の全身状態や安全性に直接影響するため、数値だけでなく総合的な判断が求められます。 co-medical.mynavi(https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/career/useful/14973/)
検査値の確認不足によるリスクも報告されています。例えば、Dダイマー値が基準ギリギリの患者に対し、病棟への確認が取れないままリハビリを実施した結果、状態悪化を招いた事例があります。リハビリ室と病棟の連携体制、検査値の共有ルールを明確にしておくことが事故防止につながります。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=36361)
また、運動器不安定症の患者では、転倒リスクや疼痛の悪化に特に注意が必要であり、標準的な中止基準に加えて疾患特性を考慮した判断が求められます。 co-medical.mynavi(https://co-medical.mynavi.jp/contents/therapistplus/career/useful/14973/)
リハビリ関連の医療事故事例分析(GemMed記事)
検査値確認不足や連携不備によるリハビリ中の状態悪化事例が詳しく報告されています。