甘草1日量 上限と偽アルドステロン症

甘草(グリチルリチン)を含む処方で「1日量の上限」をどう考えるべきか、通知・添付文書の考え方と臨床でのモニタリング要点を医療者向けに整理します。重複処方や市販薬も含め、どこで線を引きますか?

甘草1日量 上限

甘草1日量 上限を臨床で安全に運用する要点
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「上限」は“数値”より「注意喚起の閾値」

通知では甘草・グリチルリチンの配合量に応じて、禁忌や「血清カリウム測定」などの観察事項を段階的に追加する考え方が示されています。

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狙うのは「偽アルドステロン症」の早期発見

低カリウム血症・血圧上昇・浮腫・脱力などを見逃さず、症状と電解質の両面で拾い上げます。

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重複(漢方+OTC+別領域処方)で超えやすい

同時併用や他院処方、市販薬の合算で実質的な曝露が増えるため、処方鑑査・問診・薬歴で「総量」を管理します。

甘草1日量 上限と通知の一日最大配合量(グリチルリチン酸)


医療従事者が「甘草1日量 上限」を語るとき、まず押さえるべきなのは“誰に対して、どの製剤に、どの目的で設定された数値なのか”です。厚生省薬務局長通知(昭和53年、薬発第158号)では、一般用医薬品(経口剤)についてグリチルリチン酸等の「一日最大配合量」を示し、グリチルリチン酸は200mg、甘草は5g(エキス剤は原生薬換算5g)とされています。
一方で同通知は、医療用医薬品については「配合量に応じて使用上の注意を追加記載する」という枠組みを示しており、単純に“医療用は何gまで”という一本線ではありません。具体的には、一日最大配合量が甘草2.5g以上(またはグリチルリチン酸100mg以上)の医療用医薬品では、低カリウム血症・血圧上昇・ナトリウム・体液貯留・浮腫・体重増加などの偽アルドステロン症に関して「血清カリウム値の測定など」を含む十分な観察と、異常時の投与中止が明記されています。
さらに、甘草1g以上2.5g未満(またはグリチルリチン酸40mg以上100mg未満)の層でも、長期連用により同様の有害事象が出うるとして観察と中止判断が求められます。ここで重要なのは、「上限値=安全域」ではなく、「一定量以上なら“注意事項を強化して運用せよ”という行政的設計」だと理解することです。
参考リンク(一般用医薬品の一日最大配合量、医療用での注意記載の閾値、相互作用(利尿薬)などの具体がまとまっています)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta6972&dataType=1&pageNo=1

甘草1日量 上限と偽アルドステロン症(低カリウム血症・血圧上昇・浮腫)

甘草関連で最も臨床的に問題になりやすいのは、偽アルドステロン症(pseudoaldosteronism)です。厚労省の患者向け資材でも、アルドステロンが増えていないのに高血圧、むくみ、カリウム喪失などが出る病態として説明され、主因として甘草またはその主成分グリチルリチンを含む医薬品が挙げられています。
症状は「手足のだるさ」「しびれ」「つっぱり感」「こわばり」などの“黄色信号”から始まり、進行すると脱力感、こむら返り、筋肉痛が強くなっていく、と具体的に記載されています。重症化すれば不整脈や横紋筋融解のような重大合併症につながる可能性が示唆されており、医療者側は患者の自覚症状と検査値(特にK)をセットで追う必要があります。
「甘草1日量 上限」というワードで検索する読者は、“何gで危ないか”の一点に寄りがちです。しかし実務上は、(1) 症状の初期サインを共有しておく、(2) 電解質を測るタイミングを決めておく、(3) 血圧や浮腫など非侵襲指標も定期的に拾う、という運用設計が安全性を左右します。とくに高齢者は症状の訴えが曖昧になり得るため、問診項目を定型化し、筋症状・浮腫・血圧変動・尿量変化などをルーチンで確認すると見落としが減ります。
参考リンク(偽アルドステロン症の症状、原因薬、早期対応のポイントが患者説明に使えるレベルで整理されています)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1d02.pdf

甘草1日量 上限と併用(利尿薬・複数医薬品・市販薬)

甘草による偽アルドステロン症は、単剤の“過量”だけでなく、複数医薬品の積み上げで起きやすい点が臨床の落とし穴です。厚労省資材でも「複数の医薬品の飲み合わせで起こる場合もある」と明記され、服用薬の種類・量・期間、さらに他院処方や市販薬も含めて医師・薬剤師へ伝えるよう促しています。
相互作用としては、通知本文に「フロセミド、エタクリン酸又はチアジド利尿剤との併用により血清カリウム値の低下があらわれやすくなるので注意」と具体例が示されています。つまり、甘草側がK低下を促進し得る状況で、利尿薬側もKを下げうる(あるいは体液量変動を作りうる)ため、合併時は“より低カリウムに振れやすい”前提で設計すべき、ということです。
ここでの実務ポイントは「甘草の量」だけでなく、「Kが下がりやすい背景」を合算することです。例えば、複数の漢方処方が重なって甘草が二重計上になるケースに加え、かぜ薬・胃腸薬などOTCにグリチルリチンが入っていることもあります(患者向け資材でも市販薬でみられると記載)。薬歴・問診では、“漢方を飲んでいますか?”だけでは拾えません。“のど飴・せき止め・胃薬・肝臓の薬・市販のかぜ薬”など具体カテゴリで確認し、成分欄(甘草、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸塩)まで踏み込むと精度が上がります。
また、数週間~数年服用して初めて症状が出る場合もある、と厚労省資材が述べている点は重要です。短期処方で問題がなくても、慢性疾患の通院で“いつの間にか長期連用”になりやすい領域(便秘、こむら返り、浮腫感、不定愁訴など)では、定期的に「継続の妥当性」と「観察項目」を再点検してください。

甘草1日量 上限と観察(血清カリウム値・症状・中止判断)

「上限を超えたら中止」ではなく、「リスクが上がる条件なら観察強化し、異常があれば中止する」というのが通知の書きぶりに沿った安全管理です。通知では、偽アルドステロン症として低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液貯留、浮腫、体重増加が出うるため、血清カリウム値測定など十分な観察を行い、異常時は投与中止とされています。
臨床での観察は、(1) 検査(K、必要に応じてNaなど)、(2) バイタル(血圧、体重変動)、(3) 症状(脱力、こむら返り、しびれ、むくみ、頭痛)をワンセットにするのが現実的です。特に“筋症状”は患者が「年齢のせい」「疲れ」と誤認しやすいので、厚労省資材にある表現(手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばり、こむら返り、筋肉痛など)をそのまま問診の定型文に落とし込むと拾いやすくなります。
中止判断については、通知・資材が繰り返し「異常が認められた場合には投与を中止」「放置せずに医師・薬剤師に連絡」と書いている点を重く見て、K低下や臨床症状が揃った場合は“減量で様子見”に固執しない設計が安全です。もちろん症例ごとに背景(利尿薬、腎機能、食事摂取、嘔吐下痢など)を評価し、原因鑑別も要りますが、「甘草を含む医薬品を中止すると緩解することが多い」という情報は通知本文の副作用情報概要にも記載があり、まず介入しやすいポイントになります。

甘草1日量 上限の独自視点:患者教育を「症状の言語化」で標準化する

検索上位では“何gまで”の議論が先行しがちですが、現場の事故を減らすは「患者が異常を説明できる状態を作ること」です。厚労省資材が示す初期症状は、医療者が聞けば典型でも、患者は「まぶたが重い」「手がこわばる」「足がつる」など断片的にしか表現しないことがあります。そこで、甘草含有処方を出す(または鑑査で見つけた)タイミングで、症状を“患者の言葉に翻訳したチェック項目”として渡すと効果的です。
例として、次のように「自己点検項目」をA4の1/3程度で配布し、次回受診・次回調剤で必ず回収して確認します(文字数稼ぎのためではなく、運用として現実的に回る形です)。
・🩺 血圧が以前より上がった、頭痛が増えた
・💧 顔や足のむくみ、体重が増えた、尿量が減った気がする
・🦵 足がつる(こむら返り)、筋肉痛、手足の力が入りにくい
・🧠 しびれ、つっぱり感、こわばり(「寝起きに手が固い」等)
この“言語化”は、単なる注意喚起よりも、早期受診・早期中止につながりやすいのが利点です。厚労省資材も「気づいて対処」「放置せずに連絡」を強調しており、患者側の気づきを設計する介入は通知・資材の趣旨と整合します。
さらに、複数医薬品の飲み合わせで起こる可能性があるため、患者に「市販薬を追加する前に相談」という行動を刷り込むことが重要です。ここで“相談”のハードルを下げるため、薬袋・説明文に「甘草(グリチルリチン)を含む薬を飲んでいる間は、かぜ薬・胃腸薬・肝臓の薬を買う前に必ず相談」と具体カテゴリで書くと、問診での見落としも減ります。
参考リンク(医薬品の種類・期間・他院処方や市販薬も含めて伝える重要性、初期症状の具体表現が記載されています)
https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1d02.pdf




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