アドソルビン 販売中止 出荷停止 原末 供給停止

アドソルビン原末が「販売中止なのか」「出荷停止なのか」で現場対応が変わります。原因と代替方針、併用注意、患者説明の要点まで医療従事者向けに整理しますが、何を優先して確認しますか?

アドソルビン 販売中止

アドソルビン 販売中止の要点
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まずは「販売中止」か「出荷停止」か

メーカー文書では「出荷停止(供給停止)」の状態が明記され、販売中止(薬価削除手続き)とは用語が別です。

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原因は原薬(天然ケイ酸アルミニウム)

国内鉱脈の枯渇が背景となり、規格適合する別原薬へ切替検討中でも目途が立たないとされています。

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代替は「同作用薬がない」前提で設計

吸着という薬理が独特で、疾患・症状別に止瀉薬や整腸剤へ組み替える運用が現実的です。

アドソルビン 販売中止 と 出荷停止 の違い(用語の定義)

医療現場で混乱しやすいのが、「アドソルビン 販売中止」で検索しても、実際には“販売中止の正式手続きが完了した”という意味ではなく、「出荷停止(供給停止)」の情報が中心になりやすい点です。アルフレッサ ファーマの「アドソルビン®原末 出荷停止のお知らせ(続報)」では、当該品目の出荷状況を「C:出荷停止」、対応状況を「⑤:供給停止」と明記しています。なお同文書には、用語定義として「D:販売中止=当局へ薬価基準収載品目削除願を提出し、薬価削除に向け対応している状況」と記載されており、出荷停止・供給停止とは切り分けて運用されることがわかります。
したがって、医療従事者が院内周知を作るときは「販売中止(薬価削除の段階)」と断定せず、まずメーカー文書で現時点のステータス(出荷停止/供給停止/限定出荷など)を確認するのが安全です。特に疑義照会や患者説明では、「もう二度と手に入らない」ニュアンスは不安を増幅させます。現時点で確実に言えるのは“市場に出荷されていない状態が継続している”ことであり、販売中止の定義(薬価削除手続き)とは別概念である、という整理が実務的です。


参考)https://www.alfresa-pharma.co.jp/news/pdflink/NEWS_ID/1922/

アドソルビン 販売中止 の理由:天然ケイ酸アルミニウム 鉱脈 枯渇

今回の供給不安の核心は、需要増や工場トラブルではなく、原薬の物理的な供給制約にあります。アルフレッサ ファーマの続報では、従来原薬として使用していた「国内の天然ケイ酸アルミニウムの鉱脈が枯渇した」ため、別原薬への切替を検討しているものの「製品規格に適合する原薬が見つかっておらず、製品を供給できる目途が立っていない」と説明されています。これは“原材料があれば増産で解決”というタイプではなく、規格適合性の壁がボトルネックである点が重要です。
同趣旨の情報は病院DI資料でも確認できます。山梨大学医学部附属病院のDI・BOXでは、「原薬として使用している国内の天然ケイ酸アルミニウムの鉱脈が枯渇したことから、メーカー在庫がなくなり次第一時供給停止」と記載されています。さらに「別原薬への切替えを検討中だが詳細不明」とされ、臨床側としては“再開時期の見通しを前提に処方を組む”のが難しい状況であることが読み取れます。


参考)循環器疾患におけるコンピュータ支援手術および関連技術の現況

この理由は意外性があります。多くの供給停止は品質問題・製造設備・委託先・需要急増などですが、今回は「鉱脈枯渇」という資源起点の制約です。吸着剤のように、原材料の由来(鉱物・天然物)が製品規格や同等性の成立に直結する領域では、代替原料が見つかりにくいことがあり、現場は“長期化も想定した処方設計”が必要になります。


アドソルビン 販売中止 の影響:原末 処方オーダ 一時中止 と 現場運用

供給停止が長引くと、最も先に起きるのは「在庫逼迫」ではなく、院内ルールとしての“処方フローの切替”です。山梨大学のDI資料では、院内・院外薬局で入手困難となった際に「処方オーダを一時中止」とする方針が明確に書かれています。つまり、採用は残っていても、オーダリング上の制限で実質的に使えない期間が発生します。
このとき薬剤部・医師側で押さえるべきは、①過去にアドソルビンを使っていた患者の抽出、②適応が「下痢症」など症状ベースであるため、疾患別に代替提案が変わる、③吸着剤のため併用薬の吸収低下リスクが“アドソルビン中止によって逆方向(併用薬の曝露が増える)に動く可能性”がある、の3点です。特に③は見落とされやすいポイントで、吸着によって効きが弱くなっていた薬が、アドソルビン中止で効きすぎる方向に振れるケースは理屈として起こり得ます(個別薬剤で評価が必要です)。


また、メーカー文書で「供給できる目途が立っていない」と表現されているため、医療安全の観点では「短期のつなぎ」ではなく、継続運用に耐える代替レジメン(薬効・服薬アドヒアランス・副作用・相互作用・患者教育)を最初から設計する方が、後からの再変更を減らせます。院内掲示は“いつ戻るか”よりも“戻らない前提でどう困らせないか”に軸足を移すと現場の摩擦が減ります。


アドソルビン 販売中止 の代替:止瀉薬 一覧 と 併用注意

「アドソルビンの代替は何ですか?」は頻出ですが、吸着剤は薬理が独特で、完全に同じ立ち位置の“同作用薬”は選びにくいのが実際です。止瀉薬の整理としては、吸着薬(天然ケイ酸アルミニウム=アドソルビン)、腸運動抑制(ロペラミド)、殺菌薬(ベルベリン)などに分類されます。ここで重要なのは、アドソルビンを「下痢止め」と一括りにせず、下痢の背景(感染性疑い、抗菌薬関連、機能性、IBS、炎症性腸疾患胆汁酸性など)を再評価して“分類ごとに最適化する”ことです。
併用注意も、代替提案の質を左右します。吸着薬である天然ケイ酸アルミニウムは「消化液や消化酵素も吸着」し得るため、他剤と併用する場合は「1〜2時間は間隔をあける必要」があると整理されています。さらにニューキノロン系抗菌薬テトラサイクリン抗生物質は「アルミニウムによるキレート形成」で併用注意となるため、もしアドソルビンが手に入ったとしても、抗菌薬を併用する患者では“そもそも使い方が難しい”場面があります。代替薬に切り替える際は、こうした相互作用の制約が外れることで服薬設計が単純化し、患者指導がむしろ楽になるケースもあります。


参考)止瀉薬(下痢止め)一覧・作用機序【ファーマシスタ】薬剤師専門…

一方、注意すべき“意外な落とし穴”もあります。透析患者に天然ケイ酸アルミニウムを長期投与するとアルミニウム脳症・アルミニウム骨症が報告され得るため禁忌とされる、という情報が整理されています。つまり、アドソルビンが使えない状況は不便である一方、患者層によっては「元々使うべきでない薬が自然に排除される」側面もあり、代替選定は安全性の再点検の機会になります。

(使い分けのイメージ:例)
✅ 急性の水様下痢で感染が強く疑われない、蠕動抑制のリスクを評価したうえでロペラミド系を検討
✅ 腸内環境の乱れが主体であれば整腸剤を軸に、必要時のみ頓用の止瀉薬
✅ 薬剤性(例:抗菌薬関連)なら原因薬・投与期間・重症度の再評価を優先
※具体的製剤選択は施設採用・患者背景・ガイドラインに合わせて調整が必要です。

アドソルビン 販売中止 の独自視点:資源枯渇型 供給停止 と 調達リスク管理

今回の事案が示唆するのは、「医薬品供給=製造ライン」だけでは語れない点です。メーカー文書が明示するように、原薬が国内の天然鉱物に依存し、その鉱脈が枯渇することで供給停止に至り得ます。これは“原薬ソースの多重化”“規格に適合する代替原料の探索”“天然由来原料の品質同等性”といった、調達と品質保証が密接に絡む領域のリスクが、臨床現場に直撃する典型例です。
医療機関側でできる現実的な備えは、単なる在庫積み増しではありません。具体的には、①「天然物由来」「単一供給源」「規格依存が強い」薬剤群(吸着剤、特定原料の原末、特殊賦形剤依存など)をリスト化し、採用品目のBCP(代替方針テンプレ)を作る、②オーダリング制限をかける前に“どの患者に何目的で使っているか”を見える化する、③供給停止時の患者向け説明文(症状変化時の受診目安、セルフケア、再処方の条件)を薬剤部主導で整備する、の3つです。今回のように「目途が立たない」ケースでは、テンプレがあるだけで現場の混乱コストが大きく下がります。


最後に、用語の扱いもリスク管理の一部です。「販売中止」という言葉は患者にとって“危険だから消えた”と誤解されやすい一方、今回の中核は「鉱脈枯渇による原薬問題」と説明されています。したがって、患者説明・院内周知では「品質・安全性の問題で回収」と混同しないよう、あえて「出荷停止/供給停止」というメーカー表現に寄せて説明する方がトラブルが減ります。

参考:メーカーが示す「出荷停止の理由(鉱脈枯渇)」「供給できる目途が立っていない」および「販売中止の用語定義(薬価削除手続き)」が確認できます。


https://www.alfresa-pharma.co.jp/news/pdflink/NEWS_ID/1922/
参考:病院DIとして「アドソルビン原末」の一時供給停止、処方オーダ一時中止方針、用法用量(下痢症)が確認できます。


https://www.hosp.yamanashi.ac.jp/wp-content/uploads/2023/02/dibox1565.pdf