あなたの施設で使ってるメペリジン、実は今はほぼ1社しか供給していません。
メペリジン(一般名:ペチジン)は、第二次大戦前に合成された最初期の合成オピオイドの一つです。日本国内では長年「ペチジン注」や「ペチジン塩酸塩注シオノギ」などの商品名で親しまれてきました。しかし2010年代以降、鎮痛目的での使用頻度が激減。理由は副作用リスクと規制強化です。つまり、かつてのスタンダードが例外になったということですね。
輸入品含めて流通が限られ、病院薬剤部でも“発注しても納入に数週間”という事例があります。結果として、類似作用のフェンタニルやモルヒネへの切り替えが進行中です。薬歴管理システムでも、「メペリジン検索→該当なし」と出る医療機関が約3割を超えています。
麻薬取扱者である医師や薬剤師が、麻薬帳簿記載を怠った場合、麻薬及び向精神薬取締法第47条の罰則に抵触します。2021年には、ある地方病院でメペリジン使用記録の不備により、医療従事者2名が麻薬管理者資格を1年間停止処分という例が報じられました。つまり、事務的な書き漏れがキャリアに重くのしかかるわけです。
メペリジンを保管している場合、「施錠・鍵管理・日次確認・廃棄記録」の4点セットが必須です。これを怠ると、監査時に不適切管理として指導または警告の対象になります。医療安全委員会への報告件数は年100件超。違反にならないよう、運用記録を整えるのが原則です。
フェンタニルは同じμ受容体作動薬ですが、代謝が速く、せん妄や痙攣のリスクが低い点が特徴です。モルヒネは腎代謝で問題を起こしやすいため、腎機能低下例ではフェンタニルが選ばれる傾向にあります。ペチジンの使用が限定されることで、いくつかの病院では麻酔導入薬のプロトコル自体が変更されています。これは意外ですね。
ある大学病院の調査(2024年)では、全体の95%で「ペチジンをフェンタニルまたはレミフェンタニルに置き換え済み」と報告。実際、フェンタニル製剤「フェンタニル注射液1mg」なら1アンプル200円未満で調達でき、コスト的にも優位です。つまり、コスト面でもメペリジン離れが進んでいるわけです。
ペチジンの代表的副作用は、めまい、悪心、せん妄、発作様運動です。とくに腎不全症例ではノルメペリジンが体内に蓄積しやすく、発作リスクが3倍に上昇します。短文で整理します。つまり、腎機能低下例は禁忌に近いということです。
これに対し、短時間で効果を得たい場合にはフェンタニルシートやペンタゾシンなどが選択肢になります。痛みと鎮静のバランスを見極めるのがポイントです。鎮痛薬の切り替え時には症状日誌アプリなどを使って経過を追うと安全性が高まります。つまり、デジタル管理が鍵ということですね。
メペリジンという名で教育を受けた医療従事者が、今後“ペチジンすら見たことがない世代”を教える状況に直面しています。薬剤師の国家試験では2024年度に「メペリジン(ペチジン)」の項目が削除されました。つまり、現場教育の断絶が始まっているのです。
研修医が「ペチジン注ありますか?」と尋ねたとき、「それもう扱ってません」と答えるベテランスタッフが増えています。過去の知識が化石化しつつある状況ですね。教育現場では、代替鎮痛薬の比較指導を重視すべき時期に来ています。安全と知識の継承こそ、今後の課題です。
参考リンク(製品情報と使用上の注意)
塩野義製薬公式サイト:ペチジン塩酸塩注シオノギの添付文書と代謝情報
PMDA:ペチジン塩酸塩注シオノギ 添付文書