オキシメタゾリン ナファゾリン 違い|受容体選択性と作用持続時間の比較

点鼻薬に配合される血管収縮剤、オキシメタゾリンとナファゾリンは共に鼻づまりに速効性を示しますが、受容体選択性や作用持続時間にどのような違いがあるのでしょうか?

オキシメタゾリン ナファゾリン 違い

両者の主な違い
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受容体選択性の違い

オキシメタゾリンは選択的α1作動性・部分的α2作動性、ナファゾリンはα1・α2両受容体を刺激

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作用持続時間

オキシメタゾリンは6〜8時間、ナファゾリンは2〜6時間の効果持続

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臨床での位置づけ

両者とも市販点鼻薬に多く配合され、即効性のある血管収縮作用を発揮

オキシメタゾリンの受容体選択性と作用機序

 

 

 

オキシメタゾリンは選択的α1受容体作動性・部分的α2受容体作動性を有する血管収縮剤です。血管平滑筋に多く発現するα1受容体に作用して血管収縮を引き起こすだけでなく、局所投与時には血管内皮細胞のシナプス後α2受容体にも作用します。この二重の作用機序により、下鼻甲介血管の血管収縮作用が強力かつ長時間持続するのが特徴です。

 

参考)血管収縮薬 -なぜ劇的に効くのか?- -鼻づまりをとる最高の…

オキシメタゾリンの血管収縮作用は鼻腔抵抗を最大35.7%低減し、鼻粘膜血流量を最大50%減少させることが報告されています。この強力な効果により、気道内腔面積の拡大と後毛細血管細静脈からの滲出液減少という二つの機序で鼻閉を改善します。さらに、α1及びα2受容体のアゴニストとして作用することで、ミュラー筋の収縮にも関与することが確認されています。

 

参考)オキシメタゾリン - Wikipedia

ナファゾリンの受容体刺激特性

ナファゾリンは血管平滑筋のα-アドレナリン受容体に直接作用する血管収縮剤で、α1受容体とα2受容体の両方を刺激します。選択的α1受容体刺激薬として分類されることもありますが、実際にはα1とα2両方に作用することで充血除去効果を発揮します。この非選択的な受容体刺激により、アドレナリンよりも強い末梢血管収縮作用を有することが動物実験で確認されています。

 

参考)e-REC

ナファゾリンは鼻腔だけでなく結膜の充血に対しても点眼薬として使用され、点眼後2〜5分で高度の血管収縮作用が発現します。最大効果持続時間は40〜49分で、その後2〜3時間効果が持続するとされています。即効性に優れているため、非常に多くの市販点鼻液に配合されている成分です。

 

参考)一般用医薬品 : ナザール「スプレー」ポンプ

オキシメタゾリンとナファゾリンの作用持続時間比較

作用持続時間において、オキシメタゾリンとナファゾリンには明確な差異があります。オキシメタゾリンは経口投与の場合、1回の投与で最大7時間効果が持続し、鼻腔内投与でも6〜8時間の持続時間を示します。血中半減期は5〜8時間と長く、腎臓から72時間で27〜38%、肝臓から120時間で9〜13%が排泄されます。

 

参考)https://vet.cygni.co.jp/include_html/drug_pdf/kankaku/JY-01137.pdf

一方、ナファゾリンの作用発現は投与直後から15分以内と速やかですが、効果持続時間は3〜4時間とオキシメタゾリンより短めです。別の報告では2〜6時間の効果持続とされており、結膜への点眼では2〜3時間の持続時間となっています。この作用時間の違いは、受容体選択性と薬物動態の差異に起因していると考えられます。

 

参考)https://www.yg-nissin.co.jp/products/PDF/4609_4308_z1.pdf

血管収縮剤の臨床使用と薬剤性鼻炎リスク

オキシメタゾリンとナファゾリンを含む血管収縮剤は、急性鼻炎やアレルギー性鼻炎による鼻づまりに対して即効性を発揮しますが、長期連用により薬剤性鼻炎(点鼻薬性鼻炎)を引き起こすリスクがあります。薬剤性鼻炎は、繰り返し粘膜の血管を収縮させることで逆に粘膜が炎症を起こし腫れてしまい、かえって鼻づまりが悪化する病態です。

 

参考)花粉症、鼻づまりに市販の点鼻薬の使いすぎは危険|市販薬の注意…

臨床では使用期間を3日以内に制限することが推奨されており、6時間以上の間隔をあけて使用するべきとされています。市販の点鼻薬には医療用医薬品と同等の含有量の血管収縮剤が配合されているものが多く、使用に際しては十分な注意が必要です。薬剤性鼻炎の治療は血管収縮剤含有点鼻薬の中止が基本となり、ステロイド点鼻薬など他の治療法への切り替えが推奨されます。

 

参考)【薬剤師が解説】売れ筋点鼻薬ランキング15選!強さは何を基準…

日本では、オキシメタゾリンは1967年に医療用医薬品として発売され、2011年4月よりスイッチOTCとして認められました。医療従事者としては、患者に対して適切な用法用量の指導と、長期使用のリスクについて十分な説明を行うことが重要です。

 

参考)https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000076897.pdf

オキシメタゾリンの血管平滑筋への作用メカニズム

オキシメタゾリンは下鼻甲介血管の中膜に存在する血管平滑筋のα1受容体に作用するだけでなく、血管内皮細胞のα2受容体にも働きかけることで二重の血管収縮効果を発揮します。この特性により、他の血管収縮剤と比較して強力かつ長時間の効果を示すことが可能になっています。特筆すべきは、オキシメタゾリンが後毛細血管細静脈からの血管透過性血漿成分を減少させる作用を有することで、これにより浮腫の軽減にも寄与します。

 

参考)オキシメタゾリンとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書

α2受容体作動薬を全身投与した場合にはシナプス前α2受容体に作用して交感神経の興奮をもたらし血管拡張作用を示しますが、オキシメタゾリンの局所投与ではシナプス後α2受容体に作用するため血管収縮作用が得られるという対照的な特性があります。この局所投与と全身投与での作用の違いは、臨床応用において重要な知見となっています。​
最近の研究では、オキシメタゾリンがα1及びα2受容体のアゴニストとして作用することが構造生物学的にも確認され、内在性リガンドであるノルアドレナリンや選択的作動薬としてのオキシメタゾリンの結合構造が解明されています。これらの知見は、より選択性の高い血管収縮剤の開発にも繋がる可能性があります。

 

参考)20241226




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