ビラスチンでは2019年12月に添付文書が改訂され、重大な副作用として「ショック、アナフィラキシー」が追加されました。この改訂は国内外で症例が集積したことを受けて実施されたもので、直近3年度で6例のショック・アナフィラキシー関連症例が報告され、そのうち3例で因果関係が否定できない状況でした。
参考)https://www.pmda.go.jp/files/000232810.pdf
アナフィラキシーの主な症状として、顔面蒼白、呼吸困難、蕁麻疹などが挙げられます。これらの症状は投与後速やかに出現する可能性があるため、投与開始時は患者の状態を十分に観察する必要があります。医療従事者はアナフィラキシーの初期症状を見逃さず、迅速な処置を行うことが求められます。
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重大な副作用の発現頻度は不明とされていますが、極めてまれな事象であることが示唆されています。しかし、一度発症すると生命を脅かす可能性があるため、投与前の問診と投与後の観察が重要となります。
ビラスチンの一般的な副作用は概して軽微で、発現頻度も低いことが特徴です。臨床試験において、本剤20mg投与群の副作用発現率は2.0%(5/255例)と報告されています。
参考)医療用医薬品 : ビラノア (ビラノア錠20mg)
精神神経系の副作用として、眠気0.8%、頭痛が1%未満の頻度で報告されています。消化器系では口渇、下痢、腹痛が各1%未満の頻度で発現し、これらは他の抗ヒスタミン薬と比較しても少ないとされています。
ビラノアの特徴として、他の抗ヒスタミン薬に比べて口の渇きが少ないことが臨床的に確認されています。
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その他の副作用として、鼻乾燥、発疹、そう痒症、血管性浮腫、多形紅斑などの過敏症状が報告されていますが、いずれも頻度は低く1%未満です。循環器系では右脚ブロック、洞性不整脈、心電図QT延長などが報告されていますが、ビラスチンは心臓のQT間隔を延長させないことが確認されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9584787/
| 副作用の種類 | 主な症状 | 発現頻度 |
|---|---|---|
| 精神神経系 | 眠気、頭痛、めまい | 1%未満 |
| 消化器系 | 口渇、下痢、腹痛 | 1%未満 |
| 過敏症 | 発疹、そう痒症、血管性浮腫 | 1%未満 |
| 呼吸器系 | 鼻乾燥、呼吸困難 | 1%未満 |
ビラスチンはヒスタミンH1受容体への選択的拮抗作用を示す第二世代抗ヒスタミン薬です。ヒスタミンが受容体に結合するとアレルギー反応が生じますが、ビラスチンは受容体に選択的に結びつき、ヒスタミンの結合を阻害することで、鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、蕁麻疹などのアレルギー症状を効果的に改善します。
参考)ビラノア錠(ビラスチン)|抗アレルギー薬|こばとも皮膚科|栄…
ビラスチンの重要な特徴として、空腹時に服用する必要があります。これは食後に服用すると空腹時と比較して薬物動態が大きく変化するためです。臨床試験では、食後服用時のバイオアベイラビリティ(体内に取り込まれる薬の量)が空腹時と比較して約40%低下することが確認されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3728546/
空腹時服用とは、具体的には食事のおよそ1時間前または食後2時間以上後を指します。この服用方法を守ることで、ビラスチンの血中濃度が適切に維持され、十分な効果が得られます。また、ビラスチンは果汁との併用でも吸収が遅くなることが報告されているため、水で服用することが推奨されます。
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ビラスチンは有機アニオン輸送ポリペプチドOATP1A2の基質であり、P糖蛋白の基質でもあります。これらの薬物トランスポーターの影響により、他の薬剤との相互作用や食事の影響を受けやすい特性があります。
参考)https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/medical/product/faq/answer/bl-26/
ビラスチンの副作用が出現した場合、その程度に応じた適切な対処が必要です。軽度の副作用である眠気、口渇、頭痛などが生じた場合は、症状を観察しながら継続服用が可能な場合もありますが、症状が持続する場合や悪化する場合は医師・薬剤師に相談することが重要です。
参考)抗アレルギー薬「ビラノア錠(ビラスチン)」 - 巣鴨千石皮ふ…
ショックやアナフィラキシーなどの重大な副作用が疑われる症状(顔面蒼白、呼吸困難、蕁麻疹など)が現れた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行う必要があります。これらの症状は緊急対応が必要な状態であり、エピネフリンの投与などの救急処置が求められます。
併用注意薬として、エリスロマイシンなどのP糖蛋白阻害薬やOATP1A2阻害薬があります。これらの薬剤と併用するとビラスチンの血中濃度が上昇する可能性があるため、注意が必要です。また、他の抗ヒスタミン薬との併用は効果の重複により副作用のリスクが高まる可能性があります。
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副作用を予防するためには、以下の点に注意することが重要です。
高齢者へのビラスチン投与では特別な注意が必要です。一般的に高齢者は生理機能が低下しており、腎臓から排泄されるビラスチンでは血中濃度が上昇する可能性があります。しかし、薬物動態試験では若齢男性と高齢男性でビラスチンの最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)に差はなかったことが報告されています。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066517.pdf
腎機能低下患者においては、腎機能の程度に応じて血中濃度が上昇することが確認されています。軽度から中等度の腎機能低下では血中濃度の上昇が認められ、重度腎機能低下(GFR<30)では血中濃度時間曲線下面積が正常腎機能者の約2.3倍に上昇します。腎機能と血漿クレアリアンスは糸球体濾過量(GFR)に並行することが示されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3751212/
妊婦または妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。授乳中の女性には治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続または中止を検討する必要があります。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されているため、慎重な判断が求められます。
小児等を対象とした日本国内での臨床試験は実施されていませんが、欧州では6歳以上の小児に対して承認されており、10mg/日の用量で安全性プロファイルがプラセボと同様であることが確認されています。小児における薬物動態は成人の20mg/日と同等の血中濃度が得られることが示されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6806519/
| 患者群 | 注意点 | 根拠 |
|---|---|---|
| 高齢者 | 血中濃度上昇の可能性 | 腎機能低下により排泄が遅延 |
| 腎機能低下患者 | 血中濃度の顕著な上昇 | 重度低下でAUCが約2.3倍に増加 |
| 妊婦 | 有益性が危険性を上回る場合のみ | 妊娠中の安全性データが限定的 |
| 授乳婦 | 授乳継続の可否を検討 | 動物実験で乳汁移行が確認 |
長期投与に関しては、52週間の非盲検長期投与試験において、副作用発現率は2.5%(5/197例)と低く、長期使用においても安全性プロファイルが良好であることが示されています。この試験では傾眠1.0%、AST増加、γ-GTP増加及び夜間頻尿が各0.5%の頻度で報告されましたが、いずれも軽度な症状でした。
参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066515.pdf
ビラスチンは代謝をほとんど受けず、主に未変化体として腎臓から排泄されるため、肝機能障害患者では用量調整は不要とされています。また、シトクロムP450系による代謝を受けないため、薬物相互作用のリスクが低いことも特徴です。この薬物動態学的特性により、多剤併用が必要な患者においても比較的安全に使用できる利点があります。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4835134/
PMDAの医療用医薬品情報には、ビラスチンの最新の添付文書と安全性情報が掲載されています
製造販売元の大鵬薬品工業のウェブサイトでは、ビラノア錠の詳細な添付文書PDFが閲覧可能です
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