断乳目的で用いられることが多い成分はカベルゴリン(製剤名:カバサール等)で、ドパミンD2受容体刺激によりプロラクチン分泌を抑え、乳汁分泌抑制に結びつきます。
カベルゴリンの副作用は消化器症状(嘔気・悪心、胃部不快感など)や中枢神経症状(頭痛、めまい、ふらつき、眠気など)、循環器症状(立ちくらみ、動悸、血圧低下など)が代表的です。
医療用医薬品情報(KEGG/添付文書要約)では、副作用分類として「嘔気・悪心」「頭痛」「めまい」「起立性低血圧」などが整理されており、患者が訴えやすい症状が多い点を前提に説明設計を行うとトラブルが減ります。
また、相互作用としてマクロライド系抗菌薬(例:クラリスロマイシン)併用で副作用が増強する可能性、ドパミン拮抗薬(例:メトクロプラミド等)で作用が減弱するおそれが示されています。
参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7069562/
断乳の場面では「産褥期の感染(乳腺炎疑い等)で抗菌薬が追加される」こともあり得るため、併用薬チェックは実務上の重要ポイントです。
参考:カベルゴリン(カバサール)の副作用分類・相互作用(CYP3A4阻害、ドパミン拮抗)
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00045692
ブロモクリプチンもドパミン受容体を刺激し、乳汁分泌を抑える薬剤として用いられます。
「くすりのしおり」では主な副作用として、吐き気、嘔吐、胃部不快感、食欲不振、便秘、めまい、立ちくらみ、頭痛、発疹などが挙げられており、生活指導としては急な眠気や血圧低下に注意して運転等を避ける旨が明記されています。
産褥期は睡眠不足・貧血・脱水などで立ちくらみが増幅されやすいので、「薬の副作用」か「産後の生理的変化」かを二択にせず、転倒リスクとして一括で評価する姿勢が安全です。
重篤副作用として、ショック/急激な血圧低下(失神を含む)、悪性症候群、幻覚・妄想等の精神症状、肺線維症/胸膜炎/心膜炎などの呼吸器・胸部症状、突発的睡眠が記載されています。
参考)302 Found
断乳薬の説明で見落とされがちなのは、嘔気や頭痛よりも「前兆なく突然眠る(突発的睡眠)」で、育児中の抱っこ・入浴・階段移動などの事故につながり得るため、服薬初期の行動制限を具体化して伝える価値があります。
参考:ブロモクリプチンの主な副作用、まれだが重要な初期症状(失神、精神症状、呼吸器症状、突発的睡眠)
https://www.fuso-pharm.co.jp/med/wp-content/uploads/sites/2/2024/05/KS_20131011102759_210.pdf
産褥期の乳汁分泌抑制は、医学的理由で授乳を避ける必要がある場合に検討され、薬物療法が「乳房緊満・疼痛」という身体的ストレスの軽減に寄与し得ます。
一方で、産後は血圧変動・睡眠不足・精神的負荷が重なる時期であり、断乳薬の「めまい/頭痛/嘔気」といった副作用は、産褥期の体調不良と重なって増悪して見えることがあります。
そのため医療者は、副作用説明を“症状名の羅列”で終わらせず、受診の目安(いつ・どの症状で・どこに連絡するか)まで行動に落とす必要があります。
臨床研究のまとめとして、カベルゴリンは産後の乳汁分泌抑制に有効で、報告される副作用(めまい、頭痛、嘔気など)は多くが自己限定的である、とする系統的レビューがあります。
参考)https://www.mdpi.com/1424-8247/17/12/1654
さらに同レビューでは、カベルゴリンはブロモクリプチンと比べてリバウンド症状や有害事象が少ない傾向が示されており、患者体験(「いつまで続くのか」不安)に直結する情報として説明に組み込めます。
ただし、薬剤選択は適応・既往・併用薬・施設プロトコルで変わるため、「薬の優劣」より「安全に使う条件」をセットで提示するのが実務的です。
断乳薬の副作用で頻度が高く、患者が“中止したい理由”になりやすいのは、吐き気・頭痛・めまいです。
まず共通の整理として、これらはドパミン作動薬に伴う中枢/消化器系の反応や、血圧低下(起立性低血圧を含む)に関連して出現し得ます。
したがって対処は「症状別」だけでなく、「血圧・脱水・睡眠・食事摂取」の4点を同時に点検すると、見逃し(転倒、失神、産後高血圧との混在)を減らせます。
現場で使える具体策(患者向け説明にも転用可)は次のとおりです。根拠となる副作用記載は各薬剤の注意文書に基づきます。
また、ブロモクリプチンでは「前兆もなく突然眠る」副作用が明記されており、育児動作の安全計画(車の運転回避だけでなく、抱っこでの階段移動や沐浴の同伴など)を具体例として伝えると実装しやすいです。
この“安全計画”は検索上位記事で軽く触れられがちですが、医療従事者向け記事としては、事故予防という観点で深掘りする価値が高い領域です。
独自視点として強調したいのは、断乳薬の副作用説明を「身体症状中心」で終えると、まれな精神症状(幻覚・妄想、せん妄、錯乱など)や産後のメンタル変調の初期サインを取りこぼす可能性がある点です。
少なくともブロモクリプチンの「くすりのしおり」には、存在しないものが見え・聞こえる等の症状が副作用の初期症状として明確に記載されており、“気のせい”として放置しない説明が必要です。
また、カベルゴリンに関する系統的レビューでも、(試験では十分に評価されていないが)精神症状の報告に注意喚起があり、処方側が「産後はただでさえ不安定」という一般論で済ませず、観察計画(家族への共有、連絡先、受診基準)を設ける意義があります。
医療者が現場で使える切り分けのコツは、症状の性質を「本人が自覚しやすい吐き気・頭痛」だけでなく、「周囲が先に気づく行動変化」も含めて問診することです。
例。
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