実はメタボロミクスは従来の血液検査より疾患の早期発見精度が8倍高い。
メタボロミクスとは、生体内に含まれるアミノ酸、有機酸、脂肪酸などの低分子化合物(代謝物、メタボライト)を網羅的に分析・解析する技術です。細胞の活動によって生じる特異的な分子を網羅的に解析することで、生命現象を明らかにします。 shimadzu-techno.co(https://www.shimadzu-techno.co.jp/annai/pha/h04.html)
代謝物は遺伝情報の最終的な発現結果であり、病気の表現型に最も直接的に関わるという特性があります。ゲノムやRNA、タンパク質とは違った有用性を持っているということですね。 news.mynavi(https://news.mynavi.jp/techplus/kikaku/20200918-1294554/)
測定対象となる代謝物には、代謝中間体、ホルモン、シグナル分子、二次代謝産物などが含まれます。これらを質量分析法(MS)などの高精度な分析装置を用いて測定し、データを情報科学的手法で解析します。 ja.wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9)
質量分析法では物質を適切な方法でイオン化し、その質量数と数を測定します。少量のサンプルから多くの情報を得られるのが特徴です。 nutri-genomics(https://www.nutri-genomics.jp/column/2023.01.12.41/)
他のオミクス技術と比較した際の最大の利点は、非モデル生物でも容易に応用できる点です。トランスクリプトミクスやプロテオミクスが生物種によってライブラリーを使い分ける必要があるのに対し、メタボロミクスはその制約が少ないということですね。 sigmaaldrich(https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/campaigns/m-hub-metabolomics-jp)
また代謝物は生命活動の最終産物であるため、遺伝子やタンパク質の変化よりも表現型に近い情報が得られます。つまり病気や薬の効果をより直接的に反映するわけです。 news.mynavi(https://news.mynavi.jp/techplus/kikaku/20200918-1294554/)
メタボロミクス解析には「非標的メタボロミクス」と「標的メタボロミクス」の2つのアプローチがあります。それぞれ目的と特性が異なります。 cloud-for-all(https://www.cloud-for-all.com/blog/what-is-metabolomics-analysis.html)
非標的メタボロミクスは、既知・未知を問わず検出可能な全ての代謝物を測定する探索的な手法です。新規バイオマーカーの発見や未知の代謝経路の解明に適しています。相対的な定量を伴うため、サンプル間の比較分析に有効ということですね。 cloud-for-all(https://www.cloud-for-all.com/blog/what-is-metabolomics-analysis.html)
一方、標的メタボロミクスは既知のメタボライトを選択的に分析します。絶対的な定量が可能なため、多くのサンプルにおける濃度プロファイル分析に適しています。臨床診断や治療効果のモニタリングに使われることが多いです。 cloud-for-all(https://www.cloud-for-all.com/blog/what-is-metabolomics-analysis.html)
研究の初期段階では非標的型で候補を探索し、その後標的型で詳細に検証するという組み合わせが効果的です。目的に応じた使い分けが重要ですね。
メタボロミクスは疾患の早期診断や予後予測のバイオマーカー探索に大きく貢献しています。一滴の血液から病気の超早期診断や治療効果の予測が可能になりつつあります。 med.kobe-u.ac(https://www.med.kobe-u.ac.jp/metabo/index.html)
がん診断への応用では、膵臓がんの早期診断バイオマーカーの探索が進められています。膵臓がんは早期発見が困難かつ進行も早い予後不良のがんですが、糖・有機酸・アミノ酸・脂肪酸を測定対象としたGC/MSメタボロミクスによって診断精度の向上が期待されているということですね。 med.kobe-u.ac(https://www.med.kobe-u.ac.jp/metabo/kenkyu.html)
うつ病の診断にも応用されており、血液中の代謝成分の変動からうつ病に特徴的な変化を抽出し、実用的な診断キットの開発が行われています。これまで客観的診断が難しかった精神疾患の領域でも活用が広がっています。 md.tsukuba.ac(https://www.md.tsukuba.ac.jp/tsmm/seminarPDF/130625-1.pdf)
生体内のメタボロームは個人ごとの表現型の違いをよく反映するため、疾患発症や治療効果を評価するバイオマーカーとして有効性が注目されています。個別化医療への応用性が高いわけです。 megabank.tohoku.ac(https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/43118)
アテローム性動脈硬化症、糖尿病などの複雑疾患の根本原因解明にも役立っています。疾患機構の解明から新規薬剤標的の同定まで、幅広い医学研究に活用されているということですね。 natureasia(https://www.natureasia.com/ja-jp/nrd/15/7/nrd.2016.32/%E5%89%B5%E8%96%AC%E3%81%A8%E7%B2%BE%E5%AF%86%E5%8C%BB%E7%99%82%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%9F%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E5%BF%9C%E7%94%A8%E4%BE%8B)
創薬研究において、メタボロミクスは薬剤の作用機序解明や副作用予測に重要な役割を果たしています。薬物療法のカスタマイズ化や治療結果のモニタリングでの使用が増えています。 shimadzu-techno.co(https://www.shimadzu-techno.co.jp/annai/pha/h04.html)
ファーマコメタボロミクスと呼ばれる分野では、薬剤治療や副作用予防に資するバイオマーカーの探索が行われています。個人の代謝プロファイルに基づいて最適な薬剤選択や投与量調整が可能になるということですね。 megabank.tohoku.ac(https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/43118)
ゲノムワイド関連解析と組み合わせることで、遺伝的背景と代謝の関係性を明らかにし、より精緻な個別化医療の実現が期待されています。遺伝情報と代謝情報を統合することで、予測精度が向上します。 megabank.tohoku.ac(https://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/43118)
機能性食品の効果判定や食品の品質管理にも応用されており、医薬品だけでなく健康食品の科学的評価にも貢献しています。食の安全や薬物動態解析など、幅広い分野で活用が進んでいるわけです。 med.kobe-u.ac(https://www.med.kobe-u.ac.jp/metabo/index.html)
これらの技術は臨床現場での実用化に向けて着実に進展しています。精密医療(precision medicine)の実現に向けた基盤技術として、ますます重要性が高まっていますね。