ロコイド プロペト混合 効果 皮膚炎 湿疹 乾燥

ロコイドとプロペトの混合で期待できる効果と、混合で起こり得る変化(均一性・皮膚透過性・安定性)を医療従事者向けに整理し、処方意図と指導ポイントをまとめます。混合は本当に最適解でしょうか?

ロコイド プロペト混合 効果

ロコイド プロペト混合で押さえる要点
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効果は「希釈=弱くなる」とは限らない

基剤が変わると皮膚透過性が変動し、臨床効果や副作用の出方が読みにくくなるため、意図と観察ポイントを先に決める。

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混合の品質(均一性)が治療成績を左右する

ロコイド+プロペトでも混合時間が短いとムラが残り得るため、薬局・院内での調製条件や運用を確認する。

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混合しない選択肢(順番・回数・部位)も有効

「混合」より「重ね塗り」「時間差塗布」「部位で使い分け」のほうが再現性が高い場面がある。

ロコイド プロペト混合 効果と皮膚炎・湿疹の治療意図


ロコイド軟膏0.1%(一般名:ヒドロコルチゾン酪酸エステル)は、湿疹・皮膚炎群、痒疹群、乾癬、掌蹠膿疱症などに適応を持つ中等度クラス相当のステロイド外用薬で、通常1日1〜数回の塗布が基本です。
一方、プロペト白色ワセリン製剤で、皮膚表面に閉塞性の皮膜を作って水分蒸散を抑える「保湿(バリア補助)」として位置づけられ、炎症そのものを抑える薬効成分は含みません(主成分は白色ワセリン)。
この2剤を「混合」する処方意図は、現場感としては大きく3つに整理できます。


  • 乾燥が強い湿疹で、抗炎症(ロコイド)+保護(プロペト)を同時に成立させたい。
  • 2本塗りの手間を減らしてアドヒアランスを上げたい(特に小児・介護)。
  • 刺激感や悪化不安が強い患者に「マイルドそう」に見える形で導入したい(ただし、この“見え方”が適正使用を妨げることもある)。

ただ、混合は「ロコイド濃度を下げて弱くする」単純な話ではありません。混合により基剤の性質が変わると、皮膚透過性や臨床効果・副作用のバランスが変化し得るため、処方意図とフォローアップ設計が重要になります。


参考)https://www.semanticscholar.org/paper/b1890216e08848a66a232ca5c801f6bff67cad03

ロコイド プロペト混合 効果がブレる理由:基剤・皮膚透過性・副作用

外用剤の混合で本質的に厄介なのは、「濃度」だけでなく「基剤(剤形)の変化」が治療結果を左右する点です。混合処方では、乳化の破壊や乳化型(O/W、W/O)の違いなどにより皮膚透過性が変化し、効果および副作用について十分な経過観察が必要とされています。
実務でありがちな誤解は、「ワセリンで混ぜたから安全・弱い」という前提で漫然と継続されることです。ところが資料によっては、混合で皮膚透過性が上がり得ること、組み合わせによって変化が異なること、そして混合が臨床効果に影響し得ることが明確に述べられています。


参考)https://www.shinwakai-min.com/kyoto2hp/oshirase/iryokatudo/di_news-pdf/di-no111-20100430.pdf

つまり、ロコイド+プロペト混合の“効果”は、

  • 炎症が早く引く(透過性が上がる/塗布量が増える/塗り忘れが減る)
  • 逆に効きが鈍い(透過性が下がる/混合ムラ/塗布量が減る)

    の両方の方向に振れ得ます。


副作用も同様で、長期・広範囲・ODTなど条件が重なると局所副作用(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑など)や感染症の助長が問題になります。


参考)ロコイド軟膏0.1%の添付文書 - 医薬情報QLifePro

混合によって患者が「これは保湿剤入りだから」と安心して、結果的に使用期間が延びる(中止や漸減の判断が遅れる)という、人間側の要因も実臨床では無視できません。


ロコイド プロペト混合 効果を左右する調剤:混合時間・均一性

混合処方の“盲点”が、出来上がった軟膏の均一性(ムラ)です。ステロイド外用剤と白色ワセリンを自転・公転式ミキサーで混合した研究では、ステロイド含量の変動係数(CV)で均一性を評価し、一般的に推奨されてきた30秒混合では組み合わせにより混合不十分が起こり得ることが示されています。
重要なのは、同研究で「油脂性基剤のステロイド軟膏とプロペトをミキサーで混合する場合、少なくとも60秒程度の混合時間が必要」と提案されている点です。

さらに、同じ研究内でロコイド軟膏+プロペトの組み合わせは30秒混合でもCVが小さい(比較的均一になりやすい)傾向が示されていますが、それでも“現場では60秒基準”を持っておくほうが安全側です(混合機種、充填順、温度、ロット差があるため)。

医療者側ができる運用の工夫はシンプルです。


  • 院内/薬局で「混合時間」を標準化し、可能なら記録する(少なくとも60秒を目安)。​
  • 患者に「家で混ぜる」運用は避ける(混合ムラが再現不能)。​
  • 混合品にするなら、総量・1回量・塗布回数・塗布期間(いつ切り替えるか)までセットで指示する。

    参考)医療用医薬品 : ロコイド (商品詳細情報)

ロコイド プロペト混合 効果を落とす/上げる:安定性・配合変化の視点

外用剤は「混合を考慮して開発されていない」ため、混合後の皮膚透過性や効果に関する報告が限られており、原則として混合は避けるべき、という立場が教科書的には強いです。
実際、混合により主薬含量が低下する可能性があること、抗真菌剤など乳剤性基剤と油脂性基剤のステロイド軟膏を混合すると基剤の性質が変化して作用が低下する可能性があることが指摘されています。
ただし、ロコイド“軟膏”は添加剤に白色ワセリン等を含む油脂性基剤であるため、少なくとも「油脂性同士」の組み合わせという意味では、クリーム混合よりは乳化破壊の懸念が小さい設計です(ロコイド軟膏の添加剤:ステアリルアルコール、パラフィン、白色ワセリン)。

ここが、同じロコイドでも「軟膏」と「クリーム」で混合リスクの顔つきが変わる理由です(クリームはpHや乳化系が絡みやすい)。

混合を“どうしても”行うなら、薬剤師が最低限見ておきたい観察点は次の通りです。


ロコイド プロペト混合 効果の独自視点:混合より「目的別の使い分け」で再現性を上げる

検索上位の多くは「混ぜていい?」「何対何?」に寄りがちですが、医療従事者向けに一段深掘りするなら、“再現性”の観点が有用です。混合は便利な一方で、基剤変化・透過性変化・均一性といった変動要素が増えるため、コントロール不良の原因究明が難しくなることがあります。
そこで、混合を最初から前提にせず、目的で運用を分解すると設計が明確になります。


  • 炎症(紅斑・掻破・浸潤)が主:ロコイドを規定回数・規定期間で。適応と用法を軸に設計する。​
  • 乾燥・バリア低下が主:プロペトを回数多めでもよい(薬理学的には“炎症止め”ではない)。

    参考)医療用医薬品 : プロペト (プロペト)

  • 併用したい:混合ではなく「重ね塗り」や「時間差」「部位で使い分け」にすると、どちらが効いているか評価しやすい(効かなければロコイド側の強度・回数・部位・感染合併などの再評価に繋げやすい)。​

加えて、混合でアドヒアランスを上げたいなら、混合以外にも手段があります。たとえば「プロペトは入浴後すぐ全体、ロコイドは赤い部位だけ」など、行動設計のほうがブレが少ないケースは多いです。


また、あまり知られていない“意外に効く”実務ポイントとして、同じ混合でも「混合が均一かどうか」で体感効果が変わり得る点は、患者説明に活かせます。混合ムラがあると、ある日は効きすぎ、別の日は効かない、という印象になりやすく、結果として不信感や塗布中断に繋がります。

混合処方を採用するなら、最後は「観察→微調整」の設計です。ロコイドは湿疹・皮膚炎などに1日1〜数回塗布が基本であり、症状により増減する前提が添付文書にも明記されています。

つまり、混合品を出した瞬間がゴールではなく、数日〜1週間程度で“赤み・痒み・乾燥・滲出”のどれが残っているかを見て、混合継続か、ロコイド単剤か、プロペト単剤か、あるいは感染評価を含む見直しに繋げるのが安全です。


混合処方・皮膚透過性変化(効果と副作用に注意が必要な理由)。
丸石製薬「混合処方」:乳化の破壊や皮膚透過性変化、経過観察の必要性
混合の均一性(混合時間60秒目安、ロコイド+プロペトのCVなど)。
J-STAGE 医療薬学(2018)「ステロイド軟膏と白色ワセリンの等量混合における…混合時間の検討」
ロコイドの組成・効能効果・用法用量(添付文書相当情報)。
KEGG MEDICUS「ロコイド」:有効成分・添加剤・効能効果・用法用量




【指定第2類医薬品】セロナ軟膏 20g