緊張型頭痛とコーヒー|カフェイン作用の影響と注意点

緊張型頭痛にコーヒーは効果的なのでしょうか?カフェインの血管収縮作用が痛みを悪化させる可能性や、離脱症状のリスクについて医療従事者向けに詳しく解説します。適切な対処法を知りたいと思いませんか?

緊張型頭痛とコーヒーの関係

この記事のポイント
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カフェインは逆効果の可能性

緊張型頭痛では血管収縮作用が筋肉の緊張を悪化させる

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離脱症状のリスク

常用によりカフェイン離脱性頭痛が新たに発生する

💊
適切な治療選択

鎮痛薬と非薬物療法を組み合わせた総合的アプローチ

緊張型頭痛に対するカフェイン作用の基本

 

 

 

緊張型頭痛は、精神的ストレスや長時間の同一姿勢により首や頭部の筋肉が緊張し、血行不良が生じることで発症する一次性頭痛です。コーヒーに含まれるカフェインには脳血管を収縮させる作用がありますが、この作用が緊張型頭痛に対しては逆効果となる可能性が指摘されています。
片頭痛では血管拡張が痛みの原因となるためカフェインが有効ですが、緊張型頭痛では既に血管が収縮傾向にあるため、さらなる血管収縮は筋肉の緊張を悪化させる危険性があります。

 

参考)緊張型頭痛にコーヒーは効果がありますか?逆効果なのですか? …

カフェインの血管収縮作用は、アデノシン受容体拮抗作用や一酸化窒素合成への影響など複数のメカニズムで説明されています。緊張型頭痛患者の15.1%に症状出現前のコーヒー飲用歴が確認されたマレーシアの研究もあり、カフェイン摂取と緊張型頭痛の関連性が示唆されています。ただし、これは因果関係を証明するものではなく、個人差が大きいため、患者ごとの評価が重要です。

 

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10385675/

緊張型頭痛患者におけるカフェイン摂取の悪影響

緊張型頭痛患者がカフェインを摂取することで、いくつかの有害な影響が生じる可能性があります。第一に、カフェインの血管収縮作用により、既に血行不良状態にある筋肉への血流がさらに低下し、筋緊張が増強される危険性があります。この作用は、筋肉に蓄積された疲労物質や痛み物質の排出を妨げ、頭痛を悪化させる要因となります。

 

参考)https://arima-cl.com/2022/06/08/%E9%A0%AD%E7%97%9B%E3%81%A8%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC/

第二に、カフェインの利尿作用により体内の水分が失われやすくなり、脱水症状を引き起こす可能性があります。脱水は頭痛の原因となるため、特に夏季や発汗時には注意が必要です。第三に、カフェインには覚醒作用があり、不眠や不安を招く可能性があります。緊張型頭痛は精神的ストレスや睡眠不足で悪化しやすいため、カフェインによる不安や不眠が結果的に頭痛をさらに増悪させる悪循環を生み出す恐れがあります。

 

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緊張型頭痛とカフェイン離脱性頭痛の関連

毎日大量のコーヒーを飲んでいる患者が急にカフェイン摂取を中止すると、カフェイン離脱性頭痛と呼ばれる新たな頭痛が発症することがあります。これは、カフェインによって収縮していた脳血管が、カフェインが体内から消失すると反動で急激に拡張することで生じると考えられています。カフェイン離脱性頭痛の特徴として、拍動性の痛み、頭全体の痛み、そして少量のカフェイン再摂取により症状が緩和される点が挙げられます。

 

参考)つらいカフェイン離脱症状はいつまで?原因・期間・対処法を徹底…

カフェイン離脱症状は、カフェインの急性中止後12~24時間以内に発症し、通常2~9日間持続することが報告されています。日常的に300mg以上のカフェインを摂取していた患者ほど、離脱症状が強く現れる傾向があります。緊張型頭痛の患者がカフェイン依存状態にある場合、元々の緊張型頭痛とカフェイン離脱性頭痛が重複し、診断と治療を複雑化させる可能性があります。したがって、カフェイン摂取歴の詳細な聴取が重要です。

 

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4975726/

緊張型頭痛における適切な薬物療法の選択

緊張型頭痛の急性期治療では、アセトアミノフェンカロナール®)やNSAIDsロキソニン®、イブプロフェンボルタレン®など)が第一選択薬として推奨されています。これらの薬剤は頭痛診療ガイドラインでGradeA(最も推奨される)に分類されており、抗炎症作用と鎮痛作用により効果を発揮します。カフェイン配合の複合鎮痛薬はGradeBに分類されていますが、依存性のリスクがあるため注意が必要です。

 

参考)https://medicalnote.jp/diseases/%E7%B7%8A%E5%BC%B5%E5%9E%8B%E9%A0%AD%E7%97%9B/contents/201102-003-US

慢性的に頭痛が繰り返される場合、予防療法として筋弛緩薬(チザニジンテルネリン®など)、抗うつ薬抗不安薬が使用されることがあります。特に月に15日以上頭痛が発生する場合は、医療機関での相談が推奨されます。ただし、鎮痛薬を週に3日以上使用すると薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)が発生するリスクがあるため、使用頻度の管理が重要です。妊娠中の患者にはアセトアミノフェンが比較的安全な選択肢となります。

 

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緊張型頭痛の非薬物療法と生活習慣管理

緊張型頭痛の予防と症状軽減には、非薬物療法が重要な役割を果たします。筋肉の緊張をほぐすストレッチや体操が効果的で、特に「肩まわし体操」は肩僧帽筋の緊張を緩和し、血行を改善することで疲労物質や痛み物質の除去を促進します。この体操は、両肘を曲げた位置から上着を脱ぐような動作で肩を前から後ろへ大きく回す運動で、前後各5回を2セット、1日3分程度で実施できます。

 

参考)緊張型頭痛を和らげるストレッチ方法

生活習慣の改善も重要で、規則正しい睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動が基本となります。ストレスマネジメントとして、深呼吸や瞑想などのリラクセーション法も有効です。長時間の同一姿勢を避け、こまめに体を動かす習慣をつけることで、筋肉の緊張を予防できます。頭痛が発生しやすい状況を把握し、それを回避する工夫も予防に役立ちます。ヨガや軽い運動も頭痛予防に効果的ですが、痛みが強い場合は運動を控えるべきです。
参考)頭痛予防に効果的な生活習慣改善法

緊張型頭痛診療における患者教育のポイント

医療従事者が緊張型頭痛患者を診療する際、カフェイン摂取に関する適切な指導が重要です。片頭痛とは異なり、緊張型頭痛ではカフェインが症状を悪化させる可能性があることを明確に説明する必要があります。特に混合型頭痛(片頭痛と緊張型頭痛の併発)の患者では、カフェインの効果が複雑になるため、個別の評価が必須です。

 

参考)頭痛とは|頭痛のタイプを知ろう|頭痛オンライン - 沢井製薬

カフェイン摂取量の評価も重要で、コーヒー、緑茶、エナジードリンクなどの日常的摂取量を詳細に聴取すべきです。300mg/日以上のカフェインを常用している患者では、急な中止による離脱性頭痛のリスクを説明し、必要に応じて段階的な減量を指導します。さらに、頭痛日記をつけることで、カフェイン摂取と頭痛発作の関連性を客観的に評価できるようになります。

 

参考)エナジードリンク(カフェイン)と頭痛の関係性について

意外な情報として、カフェインは片頭痛の急性期治療では鎮痛薬の吸収を促進する効果がありますが、これは主に片頭痛時の胃の運動低下を改善することによるものです。しかし、緊張型頭痛ではこのような消化管運動の問題は主要な病態ではないため、カフェイン配合鎮痛薬の利点は限定的です。また、トリプタン製剤は片頭痛に有効ですが、緊張型頭痛には推奨されていないことも、患者教育の重要なポイントです。

 

参考)コーヒーを飲むと頭痛に効くって本当?カフェイン摂取と頭痛の関…

緊張型頭痛における総合的治療アプローチ

緊張型頭痛の管理では、薬物療法と非薬物療法を組み合わせた総合的アプローチが最も効果的です。急性期には適切な鎮痛薬を使用しながら、同時に姿勢改善、ストレス管理、定期的な運動習慣の確立を目指します。頭痛の頻度や程度に応じて、急性期治療のみで対応するか、予防療法を追加するかを判断します。

 

参考)姫路で緊張型頭痛なら姫路駅前みどり脳神経外科クリニックへ

患者教育においては、緊張型頭痛の病態メカニズムとして、頭頸部筋群の持続的収縮が血流障害を引き起こし、痛み物質の蓄積につながることを説明します。この理解により、患者自身が積極的に筋肉の緊張を緩和する行動をとれるようになります。また、薬剤の使用過多による頭痛のリスクについても十分に説明し、鎮痛薬は週に2~3日以内の使用にとどめるよう指導します。

 

参考)緊張型頭痛の病態と治療に関する私見

治療効果の評価には、頭痛の頻度、強度、持続時間の記録が有用です。改善が見られない場合は、二次性頭痛の可能性も考慮し、必要に応じて画像検査を含む精密検査を実施します。鍼治療、理学療法、認知行動療法なども補助的治療として選択肢に含めることができます。患者の生活様式、職業、ストレス要因を総合的に評価し、個別化された治療計画を立てることが、長期的な症状管理の鍵となります。

 

参考)緊張型頭痛


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