セフェピム(Cefepime)は、医療現場において「CFPM」という略語で広く知られている第4世代セフェム系抗菌薬です。この略語は、医療従事者間のコミュニケーションや医療記録において標準的に使用されており、迅速な情報伝達に重要な役割を果たしています。
セフェピムの分子式はC19H24N6O5S2であり、分子量は480.57です。1995年(平成7年)に日本で発売が開始され、現在では「マキシピーム」という商品名で知られています。
CFPMという略語は、抗菌薬の処方や感受性試験の報告書において頻繁に登場します。医療従事者は、この略語を正確に理解し、適切に使用することが求められます。
医療現場におけるセフェピム(CFPM)の使用は、その独特な特性によって他の抗菌薬と区別されます。CFPMは細菌の細胞壁ペプチドグリカンの生合成を阻害し、殺菌的に作用します。ペニシリン結合蛋白3、1A、1B、2に親和性を示し、β-ラクタマーゼに対して安定性を保ちます。
📋 一般感染症における投与法
📋 発熱性好中球減少症における投与法
CFPMの血中半減期は約100~108分であり、主に腎臓から89%が排泄されます。このため、腎機能障害のある患者では投与量の調整が必要となります。
セフェピム(CFPM)の最大の特徴は、その広範囲な抗菌スペクトルです。第4世代セフェム系として、グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い細菌に対して有効性を示します。
🦠 有効菌種(承認済み)
特に注目すべきは、セラチア属や緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)に対する活性です。これらの多剤耐性菌に対しても抗菌力を示すため、院内感染対策において重要な位置を占めています。
CFPMは他のβ-ラクタム系抗生物質と比較して、グラム陰性菌の耐性化を誘導しにくいという特性があります。この特性により、長期間の治療において耐性菌の出現リスクを軽減できます。
セフェピム(CFPM)の安全性プロファイルは、臨床使用において重要な判断材料となります。諸外国でも臨床試験が行われており、その安全性が国際的に確認されています。
⚠️ 主な副作用頻度
禁忌事項として、本剤の成分によるショックの既往歴がある患者への使用は避けなければなりません。また、セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴がある患者も原則禁忌となっています。
慎重投与が必要な患者群には、ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴がある患者、高度の腎障害・肝障害のある患者、高齢者などが含まれます。これらの患者では、適切な用量調整と十分な観察が必要です。
セフェピム(CFPM)の使用において、医療従事者が注意すべき臨床検査値への影響があります。これらの知識は、正確な診断と治療効果の評価に不可欠です。
🔬 臨床検査値への影響
相互作用については、フロセミド等の利尿剤との併用に注意が必要です。類似化合物である他のセフェム系抗生物質で腎障害増強作用が報告されているため、併用する場合には腎機能の慎重な監視が求められます。
CFPMの投与期間は原則として14日以内とされており、投与開始後3日をめやすとして継続投与の必要性を判定することが推奨されています。この期間設定は、耐性菌の出現抑制と適切な治療効果の両立を図るための重要なガイドラインです。
また、経口摂取の不良な患者や非経口栄養の患者では、ビタミンK欠乏症状が現れることがあるため、十分な観察が必要です。