定期受診・定期通院を医療従事者が正しく患者に伝える方法

定期受診・定期通院は慢性疾患管理の要ですが、患者の約4割が途中で中断しているという現実をご存じですか?医療従事者として正しく伝えるためのポイントを解説します。

定期受診・定期通院を患者に正しく伝えるための実践ガイド

定期受診を続けている患者の6割が、2年半後には治療を中断してしまいます。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=67554)


定期受診・定期通院 3つのポイント
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継続率の低下が深刻

生活習慣病の継続算定率は2年半後に最大でも約6割まで落ち込む。定期受診の継続支援が医療従事者の重要な役割です。

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受診間隔が成否を左右

適切な受診間隔の設定と患者への説明が、治療効果と受診継続に直結します。

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予約診療が継続の鍵

患者が定期受診・定期通院を続けるうえで「予約診療」の有無を最も重視していることが調査で示されています。


定期受診・定期通院の基本的な意義と役割

定期受診とは、慢性疾患を持つ患者が定められた間隔で医療機関を受診し、病状管理・薬の調整・生活指導を継続的に受ける行為です。 単に薬を処方してもらうための「手続き」ではなく、患者の健康状態の変化を早期に捉える機会として機能します。これが基本です。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=67554)


高血圧や糖尿病などの生活習慣病では、症状がなくても臓器障害が進行していることがあります。 定期的に受診することで、血液検査尿検査の数値を継続的に追跡し、治療方針を柔軟に変更できます。 厚生労働省の患者調査によると、高血圧や糖尿病の診療間隔が30日以上になる割合は20%を超えており、一定数の患者が受診間隔を空けすぎているのが実情です。 mhlw.go(https://www.mhlw.go.jp/content/10700000/000820141.pdf)


定期受診が途切れると、患者の健康リスクは数字で表れます。 健診後3カ月以内に受診した患者は未受診者と比べて入院リスクが22%低下し、7〜12カ月でも6%の低下が確認されています。 つまり、定期受診が早いほどリスクが下がるということですね。 47news(https://www.47news.jp/10652491.html)


参考:協会けんぽ・国立国際医療研究センターによる受診勧奨と入院リスクの関係
受診の勧め、放置しないで 早いほどリスク大幅減(共同通信)


定期受診の適切な受診間隔を患者に伝えるコツ

医療従事者が患者に受診間隔を説明するとき、「月1回来てください」という言い方だけでは伝わりません。 患者がその理由を理解していないと、「症状がないから大丈夫」という判断で受診を飛ばしやすくなります。 受診間隔の根拠を一言添えるだけで、継続率が変わります。


慢性疾患別の受診間隔の目安を、具体的な数字で患者に伝えることが重要です。 下記に代表的な疾患の目安をまとめました。 az-oncology(https://www.az-oncology.jp/cll-life/cll/drug-therapy/)


疾患 一般的な受診間隔の目安 主なモニタリング項目
高血圧(安定期) 1〜3カ月に1回 血圧値・服薬状況
2型糖尿病(安定期) 1〜3カ月に1回 HbA1c・体重・足病変
慢性腎臓病CKD 1〜3カ月に1回 eGFR・尿蛋白
脂質異常症 3〜6カ月に1回 LDLコレステロール
がん術後経過観察 3〜6カ月に1回(初期) 腫瘍マーカー・画像検査


「この薬が効いているかどうかを確認するために血液検査をします」という目的の説明が、患者の受診動機になります。 これは使えそうです。 doctorsfile(https://doctorsfile.jp/h/200334/hr/1/)


定期通院が途切れる原因と医療従事者としての対策

生活習慣病の治療を中断してしまう患者が「相当数いる」と、2025年の診療報酬調査専門組織の分科会でも改めて指摘されています。 継続算定率は半年ごとに低下し、2年半後には最も継続率の高い医療機関でも約6割程度まで落ちることが明らかになっています。 深刻な数字ですね。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=67554)


患者が定期通院を中断する主な理由は、以下のように整理できます。


- 💊 症状がなくなり「もう治った」と思い込む
- 🕐 仕事や生活の忙しさで予約が取りにくくなる
- 💰 通院費・交通費の負担が続く
- 😔 待ち時間が長くストレスになる
- 📋 定期通院の目的や必要性を十分に理解していない


これらに対し、患者側が「定期受診のために予約診療を重視する」というデータがあります。 つまり、予約枠を確保しやすい体制が継続支援に直結するということですね。 「次回の予約をその場で入れてもらう」という受診終了時のひと声が、最も効果的な脱落防止策の一つです。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=67554)


また、受診控えが健康状態の悪化につながることも数字として把握しておく必要があります。 定期受診での受診控えにより健康状態が悪化したと感じた患者は18.8%にのぼります。 「1回くらい飛ばしても大丈夫」という患者の認識を変えるには、この数字が有効な説明材料になります。 mhlw-grants.niph.go(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202109042A-buntan5_1.pdf)


リフィル処方箋と定期受診の関係:知っておくべき注意点

リフィル処方箋を利用する患者の約3割が、90日のリフィルを3回フル活用する形で受診頻度を減らしています。 薬局薬剤師による受診勧奨と、医療機関・薬局間の情報共有が制度の前提として求められています。 情報共有が条件です。 pwc(https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/hospital-management/vol21.html)


  • 📝 リフィル使用中も症状変化があれば医師の診察を受けるよう患者に伝える
  • 🔗 かかりつけ薬剤師との連携体制をあらかじめ構築しておく
  • 📅 次回受診の上限日をカルテ・処方箋に明記し、患者にも伝える


参考:政府広報によるリフィル処方箋の解説


定期通院をオンライン診療で継続させる医療従事者の視点

定期受診の最大の障壁は「来院そのもの」の負担です。 特に慢性疾患の高齢患者では、定期受診すら通院不能になるケースが急増しているという現場の報告もあります。 そこで、オンライン診療を定期通院の補完として活用する動きが広がっています。 fussahp(https://www.fussahp.jp/data/media/hospital-news/nenpouR06.pdf)


オンライン診療を定期通院に組み込むことで、交通費や待ち時間のストレスが軽減され、診察のキャンセルや治療中断のリスクが下がることが示されています。 特に安定期の慢性疾患患者では、対面診療とオンライン診療を交互に組み合わせる「ハイブリッド通院」が、継続率の向上に有効です。 layered(https://layered.inc/works/column/telemedicine_merit/)


  • 🖥️ 安定期:オンライン診療(服薬確認・問診)
  • 🏥 不安定期・検査時:対面診療(血液検査・身体診察)
  • 📱 患者への連絡:LINE公式などでリマインドを送る


医療機関側がオンライン診療を導入することで、患者が「次回もオンラインでいい」という安心感を持ち、通院ハードルが下がります。 これは使えそうです。 オンライン診療サービスの選定には、厚生労働省が公開している「オンライン診療の適切な実施に関する指針」の最新版を参考にしてください。


参考:オンライン診療が定期通院に与えるメリット・デメリット(医療機関向け)
①定期通院におけるオンライン診療のメリット・デメリット(レイヤード)


定期受診・定期通院を継続させる「患者への説明」の独自フレームワーク

医療従事者が定期受診の継続をサポートするうえで、多くの現場で見落とされているのが「患者が自分事として受診目的を理解しているか」という確認です。 薬を出すだけで終わる受診では、患者は「来る意味」を感じにくくなります。 目的の明確化が継続の条件です。


以下の「3ステップ説明フレーム」を参考にしてください。


  1. 📊 今の状態を数字で共有する:「前回のHbA1cは7.2%でした。今日は7.0%です。少し改善しましたね」と具体的数値で伝える
  2. 🎯 次回の受診目標を設定する:「次回は3カ月後に検査して、6.8%を目指しましょう」と目標を患者と一緒に設定する
  3. 📅 次回予約をその場で完結させる:「では〇月〇日に予約を入れておきますね」と受診終了時に次のアクションを確定させる


この3ステップを毎回の受診に組み込むことで、患者は「次回に向けて何かをしている」という継続感を持ちやすくなります。 実際、患者が定期受診を継続するうえで「予約診療」を重視しているというデータ は、この「次の予約をその場で入れる」という行為の重要性を裏付けています。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=67554)


さらに、健康状態の悪化につながりうる「受診控え」を防ぐために、受診ごとに患者の不安・悩みをひとつ聞き取る習慣が有効です。 「次に来る理由」を患者自身が持てる状態を作ることが、医療従事者として最も大切なサポートです。 gemmed.ghc-j(https://gemmed.ghc-j.com/?p=67554)